後毎度の事ながら誤字報告感謝しております。
恐らく今頃アイ達はアイの母親である星野あゆみとの再会を果たしているだろう
出来れば俺もアイ達と一緒に行って守ってやりたかったのだが、今日はパイセン達の命日だから行くことはしなかった。
パイセン達なら俺達よりも家族を優先しろと言ってくれるだろう……けど、この問題はアイが解決しなければならない事だと俺は思っている。
家庭に置いては色々な形が存在する。
裕福な家庭もあれば貧乏な家庭も存在する。
冷え切った関係で合っても、温かい環境で合っても変わらない事は唯一つ
親は子供よりも早く死んでしまうのだ。
子供の将来を応援するのが親の役目なんじゃ無いのかって昨今の教育テレビでは声高に叫ばれているが……現実は違う!
そりゃ確かに応援出来ればそれに越した事は無いけれど……無作為に応援すれば良い訳では無い。
本来子供が間違った道を歩み始めた時、それを殴ってでも止めないと行けないのが親の役目ではあるものの……しかし、子供には子供の人生がある以上何時までも親の呪縛に縛られている訳にも行かないのだ。
アイも色々と経験してきて大人になってはいるものの、責任の取り方を未だに知らないでっかい子供である。
自身の我儘が一体どう影響するのかが分からないからこそ、安易に物事を言ってしまうのだ。
今回の映画の件は俺との映画の共演を撮りたいから、自身で行動こそしているが、結局の所周りの迷惑を考えずに行動しているのが問題だ。
アイが五反田監督に映画の監督を依頼するのは問題ない
キャストをアイ自身で集めるのも問題無いが……
アクアに脚本を書かして、気に入らなかったから駄目だしするのは頂けない。
勿論アイ自身で脚本を書いたのは立派ではあるものの内容が、完全にアウトだったので却下したが、それも本来はアイ自身で直さないといけないものなのにそれを放棄したのは無責任であると言わざるを得ない。
嫌いな事は嫌いって言うのは仕方のない事だが……それを自分以外の誰かに尻拭いをさせるのは断じて違う!
かつて幼かった自身を身体的にも精神的にも追い詰めた親も時間が経てば、年を取り体も弱くなり若い頃の様に思うように動くことが出来ない姿を見て初めて親は決して万能では無く、自身と同じ人間である事が理解できる。
故にアイが大人になる為の最後の機会である。
これを乗り越えてアイは初めて大人になれるっていうかなってくれないとマジで困る。
斎藤社長やアクアが傍にいるし一応1000万程度は用意したから問題は無いと思いたい……
そんな事を考えて居たら気が付いた時にはパイセン達の墓に着いてしまった。
愛梨パイセンの親戚はかなり前に天寿を全うされたし、大輝君は結構無頓着だからパイセン達の墓は大分汚れていた。
「上原パイセンと愛梨パイセン今年も来たよー」
一応声をかけてはいるが、当然返事がある訳では無い。
「……さて、線香をあげる前に綺麗にしないといけないな」
持って来た雑巾とブラシに水が入ったバケツを用意してけれど……これは毎年の事ながら結構時間が掛かりそうだ。
案の定お昼を過ぎぐらいまでかかってしまったが、何とか掃除も終わらせてお線香も上げた。
「……俺も32歳になりました。こんな女たらしの俺でも自分の子で懐いてくるものは物凄く可愛いいので紹介したい所なんだけど……流石に20人近くいると迷惑なので今回は辞めておきます。後もうしばらくは頑張るつもりだから、そっちにはまだしばらく行けそうにはありません」
俺がそう呟いた時暖かく優しい風が吹いた。
まるで二人が見守ってくれているような感覚があるが……恐らく気のせいだろう
個人的にはアクアやルビーみたいに転生してくれれば良いと思うけど……価値観がOUT側の人間だから実際に転生していた場合物凄く困ってしまう。
それにしても子供が生まれてから俺もパイセン達の事件を違う視点で考えるようになった。
当初はファンの男を喰った上原パイセンに女の素晴らしさを教える為に愛梨パイセンがやり過ぎたのだと思っていたけれど……もしかしたら、愛梨パイセンは嫉妬も勿論あったかもだけど、大輝君を見て上原パイセンとの子供も欲しくなったんじゃないかと思うようになった。
もし仮にこれが当たっていたら、恐らくあの二人は抜かずの耐久レースでもやっていた可能性が極めて高いのだ。
流石に俺もニュースでしか内容は知らないし、調べようが無かったから憶測ではあるものの二人とも負けん気が強いし、決して弱音は吐かないからあり得そうではある。
そんな事を考えて居たらスマホが鳴り出したので見て見ると、アイからの電話だった。
『もしもしヒカル君?』
アイの声は涙声ではあったものの何処かスッキリしていた。
「はい、アイさんどうなりましたか?」
『……私ね。やっぱり許す事は出来なかったから、縁を切る事にしたの……』
そりゃそうだ。
過去に受けた惨い仕打ちが高々時間が過ぎた位で解決など出来るはずが無いのだ。
『あの人は当時の事をちゃんと謝ってくれたけどね……それでも私は許せなかった。もしかしたら、アイドルをやっていた時の私だったら許す事は出来たかもしれないけれど……アクアを見て私は思ったの。私が受けた仕打ちは絶対に肯定してはいけない事なんだって……だから……だから……えっぐ……』
電話から聞こえるアイの声は堰を切ったように泣き出してしまった。
子が一念発起すれば……一番最初の障害は親である。
「……アイさん頑張りましたね」
アイとの電話もそこそこにして、パイセン達の墓も綺麗にしたところで俺も覚悟を決めないといけないだろう。
俺も墓まで持って行くつもりではあったけれど……大輝君に俺が父親である事を伝えるべきなのだろう……何せアイが一歩踏み出した以上俺だけが足踏みして良いハズが無いのだ。
今更ではあるものの、この映画を撮るにあたって俺も過去の清算をするべき時が来たのだろう。
例え大輝君に恨まれたとしても……
でも、実際に大輝君に恨まれたら俺ショックで自殺しちゃうかもしれないな