カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第102話

 

 一か月後アイの自主製作映画に関しては問題はどんどん解決していき、ようやく撮影にこぎつけたが……一番の問題が立ちふさがった。

 

『……ゴホゴホ、ここ一番って時に私は……どうして……風邪を……ひいちゃうかなー』

 

 アイが風邪をひいてしまったのだ。

 思い返せばドームの時もアイは風邪をひいてしまっていたので、恐らくそういう星の元に生まれてしまったのだろう……

 

 そんな事を考えて居た時だった。

 

「アクア大変だ! 兄さんが……兄さんが!」

 

 大輝さんが物凄い慌てて俺の元に駆け寄って来た。

 

「大輝さん落ち着いてください! カミキさんがどうしたんですか?」

 

 俺がそう言うと大輝さんは落ち着く為に一旦深呼吸をして話始めた。

 

「兄さんが風邪をひいた!」

 

 ブルータス、お前もか?……

 

「どうするアクア? 主演の二人がまさかのダウンだし……代役何て今更……あっ!」

 

 大輝さんは何かに気が付いたようで、その時丁度五反田監督も俺の元にやって来た。

 いや、まさか……そんなことねーよな?

 内心では既に嫌な予感がしているだけでなく、警報すらガンガン鳴っている。

 

「カミキの代役はアクアお前がヤレ! アイの代役は……あかねか最悪ルビーでも良いだろう」

 

 今ほど自身の顔がカミキさんにそっくりな事を恨んだ事は無い!

 

「いや、あかねは映画の撮影中だし……」

「ああ、それなら二日前には撮り終えたそうだから問題無いわよ」

 

 ミヤコさんが安堵の息を吐きながら答えてくれたけど……そうだよな、ミヤコさんならあかねのスケジュール把握していてもおかしく無かった。

 

「ちなみにルビーは?」

「ルビーは……今暇してるわね」

 

 成績自体は上がってはいるものの、個人の仕事は増えておらず。俺が休みの日は必然的にルビーも休みであったようだ……

 

「一応俺の方からあかねとルビーに話をしておくよ」

 

 いや、濡れ場シーンをまさか俺がやるのか!?

 頭を抱えつつもどうすれば良いのか考えなくては、最悪は濡れ場シーンに関しては一番最後に撮影を回すとして……それまでにアイとカミキさんが復活してくれれば問題無いのだが、どこかで覚悟を決めないといけないな。

 

 今現在の問題としては俺からあかねとルビーにアイの代役をお願いしないといけないけれど、あかねならアイのトレースはお手の物ではあるものの、見た目と言う点においては正しくアイの娘であるルビーが勝っている。

 しかし、どちらにせよ確定している事実は……俺のダメージがデカい点であった。

 

 その夜俺はあかねとルビーを引き連れてやり部屋と化したかなの家に向かった。

 

「アイが風邪をひいたので、アイが復帰するまでの代役を二人のどちらかにお願いしたいのだが……」

「お兄ちゃん私で良ければ大丈夫だよ大船に乗った気で任して!」

 

 ルビーは自身満々にそう言うけど……役者経験が無いからかなり不安なんだよな。

 しかし、映画の撮影まではまだ大分余裕があるからそこまでに仕上げれば良いのだが……カミキさんがいれば育成なんて余裕なんだろうけど、今はアイと同じく風邪をひいてしまったようだし、仕方がない

 

「いや、ここは子供の時から役者やっているし、アイさんのトレースならルビーちゃんよりも上だから私に任せてよアクア君」

 

 一番のポイントがアイの事をどこまで理解しているかって点であるし、役者としての能力は極めて高いあかねであるならば問題は無いが……話題に入れないかなが俺をじっと見ながら焼きそばを無言で食べている姿が異常に怖い。

 

「かなはどう思うんだ?」

「……どう思うも何もアイさんの役を素人同然のルビーがやったら、スポンサーが切れるんじゃないの? それだったらまだ役者であるあかねにやらせてあげた方が良くない?」

 

 かなの言う通りアイドルとしての才能はあるものの役者ではないルビーではかなり荷が重いのは分かり切っている。

 ならば、あかねにお願いするのが一番良いのだけど……本当にそれで良いのだろうか?

 

 本当はアイの欲望まみれの映画ではあるものの、家族で撮影するのがベターなんじゃないだろうか?

 そんな事を考えて居る時に俺はもっとヤバい事実に気が付いた。

 

 ……そう言えばフリルはカミキさん目宛てに参加したんだから、カミキさんが映画に出て来なかった場合フリルはもしや抜ける可能性があるかもしれない。

 

 そうなったら……フリルがやる予定だった姫川愛梨は一体誰にやらせるか考えないといけないけどまさかな……

 

 などど考えてはいたが、俺のこの最悪の予想は見事に的中するのだった。

 

 

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