カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第14話

 カラオケも時間になったので、カナンと共にお店を出た。

 

「うーん、久しぶりに思いっきり歌ったから気持ち良かったよー」

 

 カナンはそういうと両腕を広げて仰け反っていた。

 まー長時間座っていた訳だし、若干筋肉が凝り固まるよな。

 

「それにしてもカミキも中々歌が上手かったし、私びっくりしちゃったもん。Planet Danceも良かったけど、私はPOWER TO THE DREAMが1番好きかなー?」

「喜んで貰って良かったです」

「で~も、ダンスが無いからJIFではダメだよ」

「……分かりました」

 

 ……ぐぬぬ、やはりマクロス7では歌は良くても肝心かなめダンスが無かったからカナンの受けが良くなかった。

 無ければ……作れば良いと思っていたけど、マクロス7の歌には踊りは必要ないって言うか、寧ろ邪魔まである。

 ゼロから作るのには流石に時間が無いよな……

 

 前世だったらユーチューブに上がっている東方MADや初音ミクを参考にすれば良いし、何なら歌詞は大体覚えているから、問題は無いんだけど……流石に楽曲はやったことが無いし、東方系だったら歌詞を付けて勝手に歌ってみたみたいにすればいけるかな? けど、著作権がぁーとか言われると難しいし……

 どうしよう本当に何か対策を考えなければ…

 

「カナンはやっぱりコミ……アイドルソング系の可愛らしい感じのがやりたいですか?」

「もちろんそうだけど……間に合う?」

「ええ、絶対に間に合わせますよ」

 

 不安そうにしているカナンの頭を優しく撫でながらも自身が大分無謀な事を言っているのは分かっている。

 現実問題今から素人が作ったもので勝負とか話にならないし、そもそも難易度は高いけど、だからと言ってしっぽを巻いて逃げるのは性に合わない!

 

 アイドルだから、初音ミクのshake it!とサタデーナイトフィーバーみたいなペルソナ4のDance!が今ぱっと思い付いた

 流石に1曲だけでは味気が無いし、せめて2曲は作らないといけない

 shake itは初音ミクがまだ無いから、世に出しても問題は無いけど、ペルソナ4のDance!はペルソナシリーズが存在しているかどうかで考えなくてはいけない

 流石にペルソナシリーズがある以上はこの知識を持ちだすのはまずい

 

 ケータイで女神異聞録ペルソナっと検索……

 これでヒットしなければ世に出しても問題は無いだろう

 ……あ、ゼロだった。

 恐る恐る、真女神転生も検索してみた所……こっちはヒットしたが、ifだけが存在しなかった。

 なるほど、だからペルソナが生まれなかったのね。

 

 しかしこれで、歌詞と振り付けの問題は無くなったが……楽曲はどうするか?

 音楽関係の知り合いは居ないし、時間はあるとは言え期日は近いし……後で四条社長に相談してみようかな。

 

「とりあえず、カナン明日の放課後も空けといてくださいね?」

「それは大丈夫だけど何をするの?」

「2時間200円で場所を借りられるところがあるんですよ」

「うっそだー。そんなところ聞いた事無いよ!」

 

 目をまんまるくしてカナンは驚いてるけど、こういうことは知らない人が損をしているのだ。

 

「まあまあ、答え合わせは明日にしましょう。今日はもう遅いから帰りますけど何か食べに行きませんか?」

「じゃあねー「私も混ぜて貰っても良いかなー」……なんで、アイがここに居るのよ!」

 

 振り向くとカラオケの入口にアイが立っていた。

 となると答えは簡単だ。

 こいつ後を着けてきやがったな?

 

「えへへー。なーいしょ♪」

 

 恐らく家の場所はまだ特定はされては居ないとは思うが、おおよその生活範囲は把握されているのかもしれないな

 この間のスーパーで会ったのは偶然だが……全く何を企んでいるんだ?

 

「……てっきりワークショップの打ち上げに行かれたのかと思いましたがどうしてここに?」

「ヒカル君の居ない打ち上げに私が本当に参加すると思う? 君が帰った後に私も帰ったんだよ♪」

「……そうですか」

 

 ま、参加するしないは本人が決めれば良いことで他人がどうのこうの言うのは間違っているから好きにすればいいさ 

 

「それでヒカル君……困っているよね? 良かったら私が手を貸してあげようか?」

「ふん! アイの手なんか借りなくたって何とかなるもん! ねーカミキ?」

 

 何とかするってさっきカナンに言っちゃった手前否定しずらい

 いや、四条社長にそっち方面の人脈があるか分からんから何とも言えないけど、アイの目的が一体何なのかだよな……

 

「何か目的でもあるんですか?」

 

 そう聞いた瞬間アイの目が爛々と輝き始めた。

 

「そうだねぇーフェスには参加出来るようだけど、歌う曲が無いんじゃ勝負にならないよね? だからこういうのってなんて言うんだっけ? 敵に砂糖だっけ?」

「……敵に塩を送るって言うんですよ」

「あ、そうだった。で、目的だけど……ヒカル君とセックスしたいとしか言って無かったけど、私が勝ったら苺プロに所属して私の傍に居てよ」

「あんた何我儘言ってるのよ!?」

「知らなかったの? 私はと~っても我儘なんだよ。だから欲しいものは絶対にあきらめ無いんだ」

「……アイさんが勝ったら煮るなり焼くなり好きにすれば良いですよ」

「か……カミキ!」

「えへへ~さっすがヒカル君! ますます君の事が好きになっちゃったよ」

「アイさんは愛が分からないのに好きにはなれるんですか? 随分と都合の良いものですね?」

「ここまで人に興味を持った事なんて無かったからね。多分私は君に惹かれているんだと思うよ?」

 

 疑問で返されても困るし……

 

「カナンそんなに心配する事はありませんよ。勝てば良いだけの話ですからね」

「えぇ~そうだけどさぁ~」

 

 カナンは不満そうにしているけど、どんな要望を突きつけられても勝負に勝てば

なんら問題は無いのだ。

 

「じゃあ決まりだね。……実は私良いお店知っているんだよね~芸能人御用達っていうんだっけ? 私の方がお姉さんだから奢ってあげるよ」

 

 アイはそう言うとルンルンと歩き出した。

 着いた場所はアイが言っていたように確かに芸能人御用達のお店であり、俺も過去に愛梨パイセンに連れて来て貰った事が何度かある。

 

「私今1万5千円あるから大丈夫だね♪」

 

 大丈夫じゃねーな!

 

「アイの財布パンクさせてやる!」

「カナン……そういった事を目的にするのはいけませんよ?」

 

 心配しなくてもパンクするのは確定だからなぁー

 

 

 

 

 

 

 

 その後音楽関係の人をちゃんと紹介して貰えたし、支払いは俺がしたから貸し借りはそっこーで無くなった。

 

 

「アッハッハーアイがまさかあんな表情するなんて思いもしなかった」

 

 カナンはそう言うとお腹を抱えて笑っていたが、会計際に顔を青くさせていたアイが相当ツボだったようだ。

 ま、アイドルとしては天才で才能の塊ではあるものの、だからと言ってお金があるかと言えばそう言う訳じゃ無かったし、そもそもここのお店は大分高い事で有名なのだ。

 

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