カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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最終話

「皆さん海に着きましたよー」

「「「はーい」」」

 

 カミキさんがそう言うとフリル・大輝さん・MEMは車から出て行きビーチに行ってしまった。

 

「ほら、お兄ちゃんもビーチに行こ?」

「そうだな。ところでカミキさんとアイはどうする?」

「私はその辺を散策してますよ」

「じゃあ私もヒカル君と一緒に散歩してるね」

 

 アイとカミキさんの二人は揃ってゆっくりした足取りで出かけて行った。

 俺はそんな二人と離れてルビーと共に海に向かった。

 

 

 

 水着を持って来ている訳では無いので、泳ぐことは出来ないけれど……海の景色はわざわざ逗子まで来た甲斐があったと思える程良かった。

 

「海……綺麗だね」

「そうだな」

 

 ルビーは俺の傍に座り肩に頭を預けながら景色を見ていた。

 

「……さりなだった時の私はあの病室だけが世界のすべてだったけど、今の私はもう至って健康で行きたい所には何処にでも行けるし、先生ともこうして結ばれたからもう私幸せ過ぎるよ~」

 

 鼻息を荒くしてるルビーだけど……まー俺も分からんでも無いな

 

「まー俺も最推しのアイの子に生まれ変われて幸せだし、不徳の致す部分はあるけれどあかねやかなとも付き合う事が出来て物凄く嬉しい」

「ちょっとお兄ちゃん私の名前が抜けてたよ!」

「……俺も面と向かって言うのは恥ずかしいんだ。だから察して欲しい」

 

 俺がそう言うとルビはー機嫌を良くしてデレデレし始めた。

 

「……ま、まーね。それだったらしょうがないよね。私は心が広いから分かってあげられるよ」

 

 ルビーはそう言うと終始嬉しそうにしていた。

 

 それからしばらくルビーと一緒に海を眺めていた所で……

 

「あ、アクアとルビーそろそろ暗くなってきましたので帰りましょうか?」

 

 アイをおんぶしながらカミキさんが声をかけて来た。

 アイはと言えばカミキさんの首元に顔を埋めているので表情が全く分からないが……はっきりしているのはカミキさんを堪能してる事だけは確かなのであった。

 

「そうだな……腹も減ったし何か食べたいな」

「それならそこのコンビニでおにぎり買って来たからアクアも食べるか?」

 

 大輝さんはそう言うと鮭おにぎりをビニール袋から出して俺にくれた。

 

「ありがと……」

「姫ちゃん……昆布ある?」

「あるけど? お前まだ食うの?」

「ほら、私成長期だから……」

「そうか……MEMはどうする?」

「あ~私はさっきアメリカンドック食べたから大丈夫だよ」

「そうか……」

 

 そんなやり取りがあったものの、カミキさんとアイの様子が何時も通りなので俺達の日々は映画が公開された程度じゃ何時までも変わらないだろうとタカを括っていたのだが……

 

 俺は……いや、俺達はやっぱり星野アイと言う人間を侮っていたし、それを制御していたカミキヒカルの事をまだまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映画が公開されて一週間が経過した。

 

 そもそもの話……主役である星野アイとカミキヒカルの恋愛映画『15年の愛』(ほぼノンフィクション)は二人共かなりの知名度を持っており、伝説の元アイドルと方や奇才の役者にして今なおカリスマモデルとして人気なので話題性は十分にあるのだ。

 そしてアイが結婚した事は過去にメディアで報じられたが、その時は一般の方と結婚したと報じたので、相手を特定する事は出来なかったしメディアも探すことはしなかった。

 まずカミキさんと結婚した当初が事務所を立ち上げたばかりで、芸能界に置いては無名だった訳なので、一般人扱いしても問題が無くそのまま役所に婚約届けを提出しただけと言う何とも味気ないものだったが……こればかりはどうにもならないから諦めるしかなかった。

 

 つまり、その過去を公開した以上……今まで我慢に我慢をしていた星野アイがついに……

 

「ヒカル君……私達結婚して10年近く経ったけどようやく……ようやく結婚式が出来るんだね!」

 

 純白のウェディングドレスに身を包んだアイが登場し……

 

「いやー長かったですね。これもアイさんのやらかしが原因なんですけど……ま、ようやく表だって行動できるわけですから、周りの目なんて気にせず楽しみましょうか?」

 

 カミキさんも純白のタキシードを着て登場した。

 

「……そ、そうだね。」

 

 あの当時からアイの為に人生を放りだして、支え続けたカミキさんだ。

 決して逃げる事などしないし、これからもアイを支え続ける事が出来るのはカミキさんだけだ。 

 

「どうしたのアクア? もしかして寂しくて泣いちゃってるの?」

「ちげーよ! 嬉しくて泣いてるんだ」

「そうだよーアイとカミキさんがようやく……ようやく……表立って一緒になれるんだもん子供の私達にとってこれほど嬉しい事なんて無いんだからね!」

「……ま、まー私だってあんなに嬉しそうなアイとカミキさんを見たの初めてだし……嬉しいものよね」

「ボスが楽しそうで何よりです……ま、この後酒池肉林なのは確定なんだけど」

「そうだよフリルさんなんたってカミキさんは……」

「「「「「女たらしのカミキヒカルなんだから」」」」」

 

 そして結婚式も終わりに近づき最後のブーケトスが行われようとした。

 

「じゃあ、ブーケ投げるよ~」

 

 アイはそう言うと嬉しそうにブーケを投げた。

 

 その瞬間ルビーとかなとあかねは俺から離れて全力でブーケを取りに行ってしまった。

 

「それにしても……カミキさんの愛人達は誰も来てないのに何でフリルはここに居るんだ?」

「……私がじゃんけんに勝ったからだよ」

 

 ああ、じゃあこの後はマジで酒池肉林なんだ。

 味覚障害にならない様にだけ気を付けて欲しい!




 速足ではあったもののこれにて『カミキヒカルになりました』の暴露編は終了となります。

 長い話に付き合って頂きまして誠にありがとうございました。

次回は新作として『カミキヒカルアナザールート』を考えております。
ま、言ってしまえばスペシャル編のリメイクですが……楽しんで頂ければ幸いです。
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