そう言えば今日はバレンタインデーだったな。
何故そう思ったかと言えば、カレンダーを見た……って訳では無く事務所宛てに大量のチョコやクッキーが届いているからだ。
毎年の事もあり、見慣れてしまった光景だが、これ等は全てファンからの物では無く……俺個人のコネ先の物だったりするのだ。
なので、安心して食べられる訳だけど……流石に甘党であるものの俺一人でこの量を食べきれるはずも無く我が家ではみんなで食べているのだ。
子供が多いし、処理するには困らないけれど……それゆえに懸念点がある。
バレンタインデーは本来女性から男性に気持ちと共にチョコを送る日であるが……我が家ではこの日になると大量にチョコが送られる都合上2/14はチョコの日で無限にチョコを食べられる日だと勘違いされているのだ。
ぶっちゃけ、子供達も小学校高学年になっているのでクラスに気になる男子位居てもおかしくは無い筈だけど……
俺を筆頭に大輝君やアクアと言った芸能界でも上澄みって言って良い位見た目が良い男性を見て育っている以上どうしたって目が肥えてしまう部分があり……今の所ボーイフレンドやガールフレンドは出来そうに無いのだ。
将来的にそれは大丈夫なのかと心配になってしまう。
別段外見だけが男の全てって訳じゃ無く中身もちゃんとしていてくれないと困ってしまうけれど……外見のハードルが上がってしまった以上は中々難しいものだ。
メルト君みたいに聞き分けの良い子なら俺も安心出来るけれど、世の中は鴨志田みたいな悪いタイプが多いので……ため息を吐きたくなる。
「「「カミキさんただいまぁ~」」」
そうこうしていると学校から子供達が帰ってきたようだ。
「はい、お帰りなさい」
この事務所に実際に住んでいるのは俺だけだけど……まあ良いだろう。
「今年もチョコあるかな?」
「去年あったんだから今年もあるに決まってるじゃん」
「だよねー」
子供達はもう待ちきれないのかの皆でワイワイしていた。
「ハイハイ慌てないでくださいね。今年も大量にありますからねぇ~」
「「「わーい」」」
子供達をリビングに連れて入るとすぐさまテーブルを囲うように座り始めた。
それもそのはずテーブルにはあらかじめ箱から取り出して、皿に移したチョコが山の様に積み上げられており、子供達は我先に手を伸ばしていた。
「おいし~」
「絶対これって高いやつだよね!」
「モグモグ……僕お菓子職人になる!」
「……この時期になると毎年言ってない?」
「そ……そんな事無いもん!」
まー美味しいもの食べたら、自分でも作ってみたいと思うのは良いことだし、何事も挑戦して欲しいけど……この子は毎年同じ事言ってるし……今の所は食べる専門なんだよね。
グルレポって仕事も有るから、それはそれで良いけれど……それを目指すにはやっぱり知識は必要だし、実際に作る側も経験した方が良いのだが……ま、将来の事はゆっくり考えれば良いだろう。
とりあえず、子供達が甘い物を食べているから、渋めの紅茶を用意して置くか……
お盆と共に大量のティーカップを用意して、紅茶を注ぎテーブルに運ぶ。
「紅茶持って来ましたよー」
「あっ丁度喉渇いたんだー」
「カミキさんありがとう!」
「頂きまーす!」
すぐに飲めるように程よい熱さにした訳だけど……子供達は息を吹きかけている事から少しばかり、熱いと感じたかもしれないな。
まーアイみたいに確認せずに飲んでしまい、やけどしないだけ問題無いけど……時折アレは本気なのか、はたまた構って欲しい為にわざなのか判断に困る部分がある。
本気ならば仕方が無いが……わざとならば子供達が真似をする恐れがあるので、辞めて欲しいと思ってはいるものの、その後の涙目のアイが可愛いので強くは言えないのだ。
子供達が居る以上何時までも自分の性に正直すぎるのは良くないのは自覚しているが……直そうとも思っていない自分がいる訳で、時折自己嫌悪にもなってしまう。
子供達の様子をキッチンから見つつ、俺は貰ったクッキーを食べながら紅茶を楽しんでいた時だった。
「ヒカル君私が来たよ!」
「いらっしゃいアイさん」
事務所のドアを開けたと思っていたら制服に身を包んだアイと……疲れた様子を見せるアクアとアクアの両腕に抱き着いて離れないルビーとかなをほっぺを膨らませて無言で抗議するあかねが居た。
美少女に二人に抱き着かれて学校からここまで来たと言う事は道中は同性から嫉妬の目で見られて居た事だろう。
アクアの内心をそう推測していたらルビーとかなに引っ張られて空いてるソファーにアクアは座らされていた。
もしも、ルビーの位置にあかねが居ればルビーは何の躊躇も無くすぐさまアクアの膝の上に座って居ただろが、あかねは行動力は有るがこういった積極性は無い為……
「ずるいよルビーちゃんにかなちゃん」
「こういうのは早いもの順だよあかねさん」
「あれ? 目の黒い内はどうだったかしら~?」
「うぐぐぐ」
なんでハーレムなのにギスギスする必要があるかなぁ~?
本来なら口出しなんかすれば火に油を注ぐことになるのは明白だが……これを放置してしまった事で、アクアが刺される未来が起きないとも限らんし……流石にそれは親として訪れて欲しくは無いな。
ハーレムなんて築いた日にはどこかのタイミングで刺されてしまう事は覚悟の上だが……だからと言って刺されて良い訳では無いのだ。
「……アイさんちょっとこっちに来てもらって良いですか?」
「なーに?」
「アイふぁん……あーん」
口にクッキーを咥えて近寄って来たアイを抱きしめる。
「あ……あーん♡」
アイの口に咥えたクッキーを入れて……そのままキスをする。
勿論体を密着した状態でだ。
幸い子供達はチョコを食べるのに夢中だったのに気が付いておらず、見ているのは……
「わぁ!」
「ママ大胆!」
「アクアこっちも負けてられないわね」
「なんで対抗心燃やしてるんだかな!」
「あ……アクア君どうかな?」
アクア達しか見ていなかったが……俺とアイだけがキッチンにいる訳なので下側は見られることは無いので、ちょっとばかし堪能して楽しんでいた。
「んっ……ヒカル君……お代わり♡……」
「分かりました」
トロンとした目でアイは再度おねだりを要求して来たので、俺はみんなから見えないようにアイに悪戯をしながらクッキーを食べさせ続けたが……その時玄関の鍵が開く音が聞こえて……
「カミキさんお邪魔します。ってカミキさん相変わらず元気やなー」
「……カミキさん私も混ざって良いですか?」
みなみとフリルが可愛らしい恰好で入って来たが……
みなみとフリルの位置からだと俺がアイに悪戯をしているのは丸わかりで、2人とも顔を赤くしてズズイっと近寄って来たし、その様子を見ていたアクア達も何かを悟ったようで……主にルビーとかなとなりふり構わなくなったあかねが迫り始めてしまった。
「勿論です……じゃあこっちに来てくださいね」
先ほどまで抱きしめていたアイを離すと腰が砕けたのか床に座り込んでしまったが、まぁええやろ。
アイにやった事をフリルとみなみにしてあげる前に……
「アクア達? 節度ある行動で留めてくださいね? どうしてもって言うならホテル代位出しますけど?」
「親の台詞じゃねー!」
確かに親としてはダメな発言だけど……そんあ俺でも一応は子供達からは見えないように配慮しているけれど、アクア達は丸見えだから注意して欲しいのだ!
何せ子供達にはまだ性教育は早すぎるしね!