カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

23 / 220
第16話

 あ~何とかshake it!とDance!の歌詞を書き終えることが出来たが、すっごい疲れた。

 声がデカいトップカーストの奴らが騒いでうるせーし、休み時間を使って書いてるのに、何かとこっちに話題を振ってくるものだから作業が中々終わらなかったから、午後の授業中もやる羽目になってしまったが……ま、終わりよければ全て良し!

 

 さてと、放課後はカナンと合流してまずは、銀行に行ってお金も下ろさないといけないし、その後にカメラを買いに行ってから公民館でアイと合流して音楽関係の人に見て貰う流れだから、中々ハードなスケジュールである。

 じゃあ、早速カナンに連絡しないと……

 

 プルルルルと電話の音が1コール、2コールそして3コール目で取られた。

 

「もしもし、カミキです」 

『カナンだけどどうしたの?』

「いえ、今学校が終わりましたので、これから駅前の銀行に向かいますね」

『分かったよーじゃあ、私もそっちに行くね』

「それではまた」

「うん♪」

 

 良し、カナンにも伝えたし問題は無いだろう

 

 曲だけ作って貰えれば良いけど……いくらが相場なのか全く分からないから、とりあえず200万下ろして置こう。

 後コンビニで茶封筒も買わないと……

 あ~お金がどんどん減っていく

 とりあえず、仕事はJIFが終わるまでは控えめにして、これが終わったらお仕事頑張らないといけないな

 

 まだまだ、やるべきことは山の様にあるから頑張らねば!

 そんな事を考えながら歩いていたら、駅前の銀行に着いてしまっていた。

 入口には中学校の制服を着ているカナンが既におり、ケータイを弄って待っていた。

 

「お待たせしました」

「ううん、全然待ってないよ」

 

 まるで、デートの待ち合わせをしていたカップルの受け答えではあったが、カナンが楽しそうにしているのなら、問題は無いだろう

 

「じゃあ、下ろしてくるのでちょっと待っててくださいね」

「はーい」

 

 素直でよろしい

 

 放課後ではあるものの、この時間帯は利用者が少なかったのでお金はすぐさま下ろすことが出来たし……次はコンビニに行って茶封筒とあとついでに歌詞もコピーして、最後に家電量販店に行ってカメラを買いにいくとしよう。

 カナンと街中デートをしているようで、ちょっと楽しいな

 

「……では、カナン行きますよ」

「うん♪」

 

 カナンは可愛らしく返事をすると腕に抱き着いて来た。

 そうなると必然的にカナンの膨らみかけている胸が腕に押し付けられている訳で……これは今日の夜もやってしまいそうだな。

 

 その後はカナンと一緒に目的の物も購入出来たので、公民館に向かった。

 

 公民館に着くと入口にはアイと知らない男性が居た。

 恐らくこの人が音楽関係の人なのだろう……

 

「あ、あの人は……ヒムラさんだ!」

 

 バナナの芸人か? その割には痩せているし、身長は高く金髪で何より物凄くイケメンだった。

 

「知り合いですか?」

「あ~そっかカミキは畑が違うし、そもそも知らなかったかぁ~」

 

 カナンはうんうん頷いて、仕方ないな~っと笑いながら答えてくれた。

 

「あの人はトップアーティストとして今尚第一線で活躍していて、作曲家としてもヒット曲を連発してる物凄い人なんだよ!」 

「……それは凄いですね」

 

 ……マジかぁ~200万で足りるかな? いや、成功報酬で更に200万って言えば問題は無いかな?

 

「あ、ヒカル君!」

 

 お金を心配をしていたら、アイがこっちに気が付いたようで、手をブンブン振っていた。

 それを見たカナンは俺の腕に更に力を込めて抱き着いて来た。

 おお、威嚇しなくなっただけ偉いぞ。

 

「お待たせしました。アイさんこちらの方はトップアーティストのヒムラさんですよね?」

「そうだよ~」

 

 今さっきカナンから説明を受けたけど……ま、今回だけの繋がりだから、そこまで深く関わる事は無いだろう

 何故なら、俺が歌うのはJIFだけだし……

 

「……え~劇団ララライに所属しているカミキヒカルです。よろしくお願いします」

 

 とりあえず、ヒムラさんに向き直って挨拶をした。

 

「あ~ヒムラだ。今回は曲だけを作るって聞いてる……歌詞はあるのか?」

「はい、用意してます。外で話すのもアレなので中に入りましょう」

「そうだな」

「ねね! ヒカル君私にも歌詞見せてくれない? 君が作った歌詞に興味があるんだ」

 

 今から歌う訳だから……別に良いし、恐らくアイは見なくても聞いただけで覚えてしまいそうな気がした。

 

「……後で渡しますよ。カナン行きますよ」

「うん」

 

 さてと、ここからが勝負だ。

 

 

 

 

 公民館の広い部屋に入るとアイとカナンは驚いていた。

 

「カミキ……本当にここが2時間200円で借りられるの?」

「ええ、ちゃんと手続きすれば誰でも借りられます」

「へぇ……ウチの事務所の社長にも後で教えてあげようかな~」 

 

 アイがそう言った瞬間にカナンの体が一瞬ビクンと動いた。

 事務所……苺プロの社長ってワードはカナンにとっては現在NGワードである。

 アイもカナンがクビになったのは知っているのだから、もうちょっと配慮をしてくれれば良いのに……

 

「あ、ヒムラさん早速なんですが……お金の話をしても良いですか?」

「……そうだな」

 

 ヒムラさんはそう言うと指を一本立てた。

 

「100万ですか?」

「10万だ!」

 

 俺が言った瞬間にヒムラさんは瞬時に金額お訂正をしてくれたけど、いや……分かんねーから!

 

「1曲10万……では2曲なので、20万お渡しします」

 

 そこで俺はマズイ事に気が付いた。

 さっき下ろした200万は全部茶封筒に入れたから、本人の目の前で180万抜く事になるんだけど……これってセーフなのか?

 

 とりあえず、ブレザーの内ポケットに入れた茶封筒を取り出して、本人の目の前で20枚数えて渡したときヒムラさんがマジかって顔をしており、アイに関してはその金額に驚いていた。

 

「……それでは、こっちが歌詞になります」

「お、おう……どれどれ」

「私もみたーい」

「どうぞ」

 

 コンビニで茶封筒かった時についでにコピーしたから問題無い

 

 後はさっき買ったばかりのカメラをセッティングして……

 

「では、ヒムラさんがイメージしやすいように歌って踊りますから後ろで見ていてください。それではshake it!から行きます」

 

 アイ、カナン、ヒムラさんに伝えると三人共黙って後ろに下がってくれた。

 

 とりあえず俺の中でのイメージは東方MMDの妹様がセンターで踊ってる奴だ。

 目を閉じて、深呼吸をする。俺は……いや、私はフランドール・スカーレットだ!

 

「寂しくて切ない一人の夜には 消えたい言葉を捜して 秘密のドアを抜けてきてhere we go oh yeah oh yeah……」

 

 流石にブレイクダンスはやらないけど……今回は良いだろう

 

 

「shake shake 今夜は止まらない だから今は oh 夢の中 ミラーボールが回りまわる hurry up oh yeah oh yeah yeah yeah yeah oh yeah oh yeah yeah yeah yeah oh yeah oh yeah yeah yeah yeah」

 

 とりあえず最後まで終えて意識を戻して、アイとカナンを見ると……

 2人揃って「「きゃー」」と黄色い悲鳴をあげて(≧∇≦)こんな感じの顔をしながら喜んでいたし、ヒムラさんは……物凄くニヤニヤしていた。

 

 この後Dance!を歌うって言うか踊るんだが果たして大丈夫なのだろうか?

 

「続いてDance! 行きます」

 

 俺は……番長だ! 番長になるんだ!

 

 天に右手の人差し指を伸ばして、足でリズムを刻む

 

 ジョン・トラ〇ルタのサタデーナイトフィーバーを彷彿させる番長のダンス

 

「got me something ture now I'm not looking anymore the times of fakin' love are through now sharing real connection's what we're made for……」

 

 ラップ染みてるから、歌いながら踊るのはかなりきついが……3曲目は無いから出し尽くすのみだ!

 

「……All this energy's got us inspired now, we couldn't stop it,just set it free and... dance!」

 

 最後に天に右手の人差し指を伸ばして……フェニッシュ!

 バッチリ決めた所で意識戻した。

 1曲まるまる歌ってしまったが……よくよく考えれば一番だけで良かったんだよなと思ったが、これはこれでカナンが凄い喜んでいたから良しとしよう。

 

「カミキ……良いもん見せて貰ったぜ! 二週間で良いから時間をくれ! 俺が最高の曲を作ってやる」 

 

 ヒムラさんは興奮してる所為か、早く口でまくし立てて来た。

 

「それでは、ヒムラさんお願いします。……ところで映像は要りますか?」

「いや、大丈夫だ! 問題無い」

 

 そういうとヒムラさんをすっ飛んで帰って行った。

 何というか……ロックな人だった。

 

「これで勝負が出来るねヒカル君♪」

「……ですね。では、アイさんお帰りはあちらになります」

「何でよ!?」

 

 いや、これからカナンの練習するから邪魔だし……

 

「そうだよアイは邪魔だから早く帰りなさいよ!」

「ちょ……ちょっと押さないでよ~」

 

 アイはカナンに背中を押されて部屋を強制退室されてしまった。

 

「じゃあ、カミキ……ダンス指導お願いね♪」

「分かりました」

 

 まだまだ時間はある事だし、やれる事やらないとな!

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。