カナンが練習している傍らで、俺は四条社長にJIFに出る事を伝えておくべきだろう
一応歌が出来れば印税も入ってくる訳だし、四条社長に伝えておけば上手い具合に立ち回って儲けてくれるはずだ。
それに俺やカナンにモデルの仕事を振ってくれている訳だし、何かしらで恩返しをしておきたい
ちょっと時間は遅いけど……出てくれるかな?
ケータイを取り出して、四条社長に電話をかけるとワンコールで取られた!
「もしもし、カミキですけど今お時間よろしいでしょうか?」
『……あっヒカルちゃん……どう……したの?』
あっ……これお楽しみ中だわ
電話越しとは言え水気の帯びた音が聞こえているが、お相手は居ないようだから一人で楽しまれているようだ。
「……実は今度のジャパンアイドルフェスにカナンと一緒に出る事になりまして、ご協力頂ければと思い連絡したんですが……」
『ふぅ……良いわよ。こっちもヒカルちゃんが企画してくれたメイド特集で大分利益が出たし、何より大分好評だったからシリーズ化するわよ』
「……分かりました。では、よろしくお願いします」
『詳しい事は明日にでも直接会って話しましょう』
「はい、では失礼します」
多分明日は長い夜になりそうだな。
「ねぇカミキ一回見て貰って良い?」
振り向くとダンスの所為で汗だくになって頬を赤く染めているカナンが居た。
電話越しとは言え四条社長の声に俺も刺激されてしまったようだ。
「ええ、勿論良いですよ」
出来れば今すぐにでもカナンを押し倒してやりたいけど、流石にヤッてる時間が無いから、それは家に帰ってからのお楽しみにしよう
カナンのダンスや歌唱力は流石と言うほか無かった。
アイがどれほどのものかは知らないが、一回見ただけで大分出来るようになっているのだから大したものだ。
そう考えると苺プロはもったいない事をしたものだ。
ちゃんとカナンを見ていれば、それだけでも利益が出たはずだ。
確かにモデル業を進めたのは俺だし、コンセプトも提案したけれど、結果を出したのはカナンの実力であるのだから……っと考えつつも、カナンの歌い踊る姿を見るが、本当に文句の付けようが無いレベルであった。
そして練習を終えたカナンは俺の傍によって来て誉めて欲しそうに目をキラキラ輝かせていた。
「……どうだったカミキ」
年下と言う事もあり、若干ではあるものの俺より低い身長の為、上目遣いになって聞いて来る姿が可愛らしくもいじらしい
ま、俺も今高ぶっているから、カナンを抱きしめて耳元で囁くように伝えた。
「実に良かったです。……思わずこの場で食べてしまいたいくらいにね」
「……私は良いよ」
「……ですが、そろそろ時間ですので続きは家に帰ってからです」
カナンに今の時間を伝える為ケータイをの時刻を見せた。
「カミキここって何時までだっけ?」
「18:30までなので、後10分しかないですね」
「そっか~じゃあ、片付けて帰ろう」
と言っても荷物はスクールカバンとカメラしか無いので、時間がかかる事も無く、公民館を後にした。
とりあえず、早急にやらなければいけない楽曲の依頼と四条社長の協力も取り付ける事は出来た訳だし、後は楽曲が出来次第路上ライブでもやりながら知名度アップを目指せば良いだろう
後はJIFに向けて頑張るのみだ!
「……そう言えば、冷蔵庫に食材って入ってたっけ?」
あっ無かったかも……
「……一端荷物を置いてから買い物に行きますか?」
「そうだね」
「ちなみにカナンは何か食べたい物ありますか?」
「今日は運動したからスタミナが付く物が良いなぁ~」
スタミナねぇ~丼ものか?
「うなぎとかどうです?」
「食べたいけど……うなぎって高いじゃん?」
まー決して安くは無いなぁ~
安くても1000円弱はかかるし、高ければ2、3000円はする。
俺も結構な金額を稼いではいるものの、家計簿を付けている訳だし、あんまり湯水のごとくお金を使うのはアレだけど、一週間に一回ぐらいは贅沢に豪勢な物を食べても良いと思う
俺一人だったら、そんなに高いものを食べる事は無いけれど、それにカナンを巻き込むのはちょっと違うしな
「たまの夕食位豪勢にしたって良いじゃないですか? 毎日だとちょっと困ってしまいますが……一週間に一回ぐらいは問題ありませんよ」
「そっか~。うん、じゃあうなぎ食べたい」
「では決まりですね」
スタミナと言うよりも精が付く食べ物だったが……カナンはその事に気が付いていなかった。