楽曲の依頼をして貰ってから2週間が経過した。
カナンとは仕事の合間を縫ってダンスや歌の練習を行っており、合わせてやってみた結果は良い感じだと思う。
後はどっちにも見せ場を作って、お互いがお互いを尊重しあうようにすれば見方はいくらでも良くなるだろう。
楽曲に関してもヒムラさんから完成したと連絡が来た。
物事は順調に進んでいる!
後は経験を積むためにもライブを何度かこなすばかりなんだけど……
「ヒカルちゃんとカナンのアイドル衣装なんだけど、ちょっとコレ着てみてちょうだい!」
四条社長から渡されたのは黒のワンピースで白いエプロンにフリルをふんだんに使用し組み合わされたそれはまごう事なきメイド服で有った。
「わぁーカミキこれすっごい可愛いよ! 四条社長ありがとうございます!」
カナンは目をキラキラさせて四条社長に物凄い勢いでお辞儀しているけれど、コレを俺も着るのか? いや、仕事柄女装するのは良いけれど……これはちょっと恥ずかしいが、断る事なんて出来るはずが無いし……ええい男は度胸だ!
「……では着替えてきます」
「私も着替えて来るね」
試着室に移動して、着替えるが……長袖の黒いワンピースで丈は長めだから足が見える事は無いけれど、一応ストッキングも履いてみた。
着替えを終わったから試着室のカーテンを開けて四条社長に見せると顔を赤らめていた。
「良い! 凄く良いわよヒカルちゃん! ちょっと向こうで一緒に休憩しましょ? ちょっとわたし濡れちゃったしね」
「それは構いませんが、とりあえずカナンもそろそろ着替え終わると思いますのでそれの確認をしてからにしませんか?」
「お待たせしました~どうですか? 似合ってますか?」
カナンはそう言うとカーテンを一気に開け放ちその姿をさらけ出した。
元々美少女の為かカナンにはメイド服が凄く似合っていた。
「カナンも可愛いわね~。今からヒカルちゃんと一緒にやらない?」
「え? やるって……カミキと四条社長と私でって事!?」
「もちろんよ! ヒカルちゃんはみんなで共有しないとすぐに別の女口説きにいっちゃうんだからね」
あながち間違いじゃ無いから否定は出来なかった。
「……う~ん。分かった! じゃあカミキ覚悟してよね!」
「カナンも乗り気だしヒカルちゃん行くわよ!」
「……分かりました」
まぁ、色々お世話になって居る訳だし、俺もそう言うのは大好きだから、誘われるとホイホイついって行ってしまうのは治した方が良いのだろうけど……今はこの刹那の快楽を楽しむとしよう。
「うん♡ やっぱりヒカルちゃんは良いわね~」
「はぁはぁ……カミキが四条社長とやるのは仕方ないけど、カミキはあげませんからね!」
「え~でも、シェアは良いでしょう?」
「う!? まー私も四条社長にはお世話になってますから……強くは言いませんけど」
「……四条社長もあまりカナンを虐めないであげてください。それに私はカナンと離れる気はありませんから心配しないでください」
カナンを抱きしめながらもそう言うとカナンも力強く抱きしめ返してくれた。
「へぇーヒカルちゃんはカナンが本命なの?」
四条社長にそう聞かれると何とも答えずらいが……
「私にとってカナンはもう身内ですので……」
「ふーん」
「かみきぃ」
そこまで長い間面倒を見て来た訳では無いが、俺にとってはカナンはもはや日常の一部になっているから、今更見捨てる事はしないし、出来るとも思えない
「……こんな女たらしですみません」
「本当だよ! 責任取ってよねカミキ!」
カナンはそう言うと更に力を込めて抱きついてきたので、カナンの頭を撫でながら俺も答える。
「勿論です」
「ま、私はヒカルちゃんとやれるなら構わないわ!」
四条社長のそういう割り切ってるところは大好きだ。
思いがけず3Pになってしまったが……ま、気持ち良ければ全て良しとしよう。
とりあえずは音楽も完成したし、衣装もある訳だし……ちょっとモデル雑誌にもそれとなく告知もしてもらった訳だ。
「カナン来週の日曜日は、モデルの撮影が終わりましたら夜に路上ライブ遣りますよ」
「わかったよ♪……ところでユニット名はどうする気?」
「……アークトゥルス何てどうでしょう?」
「アークトゥルスって何?」
「アークトゥルスは春の大三角形の一つでハワイ語で”鮮やかな星”って意味です」
「アークトゥルスかぁ~うん、良いね気に入ったよ」
「それは良かったです」
正直中二病とか言われたらどうしようと思ったけど、気に入ってもらえたようで、カナンはアークトゥルスと口ずさんでいた。
さて、来週からはいよいよ路上ライブを慣行する訳だし、警察に出向いて『道路使用許可申請』もやらないといけないなぁ~場所は新宿駅が一番良いけど、取れるかどうかは正直不安だ。
「カミキ路上ライブ頑張ろうね」
「そうですね」
カナンの為にも頑張ってもぎ取らないとな!