カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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最終話

 JIFが終わって数日が経過した。

 アイとの勝負に関して言えば、正直な所……勝ってもいないが、負けてもいない引き分けと言う何とも言えないものだった。

 

 それと言うのも見に来てくれた人数は殆ど大差が無く、またどちらのライブも大好評であったため、明確に決める事は出来なかったのだ。

 俺としては負けさえしなければ良かったので、これが結果的には良かったのかもしれないなと思う事にした。

 

 ただいま夏休み中でカナンは朝からモデルの仕事の家にはおらず、俺は今日はお休みだから、学校の宿題を行っていた時にケータイが鳴った。

 一体誰だろうと思い見てみると大輝君からだった。

 

『もしもし、お兄ちゃん今大丈夫?』

「ええ、大輝君大丈夫ですよ。どうかしましたか?」

『……ちょっと、ララライに来れる?』

「ララライですね! すぐに行きます」

『う、うん待ってるね』

 

 大輝君はそういうと電話を切った。

 ……なんだろう? もしかして、勉強で分からないところでもあったのかな? もし、そうなら頼ってくれて嬉しいな♪

 ……よし、大輝君を待たせる訳には行かないし、早くいかねば!

 

 家の戸締りを確認して、俺はララライの稽古場に向かった。

 

 

 

 ララライの稽古場に着くとパイセン達の姿は無く、オレンジジュースをストローで飲んでる大輝君と何故かアイが居た。

 

「……あ、お兄ちゃん!」

「ヒカル君♡こっちこっちー」

 

 アイは俺に気が付くと手をブンブン振っていた。

 

「大輝君と……あとアイさんお久しぶりです」

 

 ……なんだろう、物凄く嫌な予感がして来た。

 

「大輝君は兎も角……何故アイさんがここに?」

 

 俺がそう聞いた瞬間アイはとびっきりの笑顔で爆弾をぶっこんで来た。

 

「あ、私ねアイドル辞めて劇団ララライに入ったの♡」

「え? ちょっと……いや、え~っと、そうなんですか……」

 

 いや、アイの人生なんだからアイドルを辞めるのも自由だし、劇団ララライに所属するのも勿論自由だ。

 それを外野の俺がどうのこうの言うのは違うよなぁ~

 

「……ところで大輝君? 上原パイセンと愛梨パイセンの姿は見えませんけどどこに?」

「父さんと母さんなら軽井沢に行ったよ?」

「……えーと、大輝君を置いてって事ですか?」

「うん、父さんと母さんが何かあったらお兄ちゃんに連絡するようにって……」

 

 いや、大輝君の面倒を見るのは全然良いよ!

 良いけど事前に連絡はして欲しかったな~。……と思いつつもしや、連絡はされてて俺がスルーしちゃったのかな? もし、そうなら申し訳ないな

 一応その種の連絡があったのかケータイのメールを確認すると……あ、あったわ。

 しかも、『軽井沢に刺激を求めて愛梨と一緒に行ってくるから、その間大輝を頼む』と上原パイセンから連絡が来ており、それに対してちゃんと『任せてください』って返信していた……

 

「……では大輝君どうします? さっそく私の家に行きますか?」

「うん、お兄ちゃんの家に行くー」

「じゃあ私もヒカル君の家に行くよ」

「……アイさんは何しに来るんですか?」

 

 アイの足元には大きなボストンバックがある。

 うん、アイドルを辞めた以上苺プロには居られないから、飛び出して来た感じかな? 感じだよなぁ~

 となると……こいつ俺の家に転がり込む気か!?

 

「……住んでいる所飛び出して来ちゃったから、ヒカル君しばらく泊めてくれないかな?」

 

 ……俺の一存で決める事が出来ない問題だし、そもそも一緒に暮らしてるカナンが許さないだろう

 

「お兄ちゃん……アイちゃんが可哀そうだから、助けてあげてよ」

「勿論です」

「ありがとうヒカル君♡」

 

 あ、やべぇ大輝君に頼まれてつい反射的に答えてしまったし、それによってアイが感極まったのか抱き着かれてしまった。

 身長は俺より若干高めではあるが、胸は意外とデカい……

 しかも、これは……当たっているんじゃない! 間違いなく当てられているもとい押し付けられている。

 これは理性が持たないかもしれないな……

 その後、帰って来たカナンが爆発しそうになったが、アイがアイドルを辞めて住む場所が無い事を知ってしまい、不承不承ではあるものの一緒に住む事を同意してもらったが、その1か月後にカナンとやっているところにアイが突撃してきてなし崩し的に3Pをすることになってしまった。

 そうなれば、俺も見捨てる事なんて出来るはずも無くズルズルとしてしまい……

 

 ~1年後~

 

「お兄ちゃん……アイちゃん大丈夫かな?」

「……大丈夫だと思いますよ」

「……先越された」

「いえ、カナンこういった事に早い遅いの優劣は有りませんからね」

 

 

 拝啓パイセン達へ

 大変な事になりました。

 アイが妊娠してしまい、現在俺は三児の父親になりました。

 貯金は勿論ありますし、仕事も……たまにアイドルの仕事をすることになってしまい大変忙しくなってしまいましたが、なんやかんやあって楽しくはあります。

 俺がそっちに行くのはだいぶ先になるとは思いますが……その時はお土産話を用意して置きます。……なので今はアイが無事に出産出来るように見守ってください

 

 俺が心の中で願ったこれが届いたのかはたまた産婦人科医の腕が良かったのか分からないがアイは無事に双子を出産したが……

 

「ねぇヒカル君子供達の名前何だけど男の子は愛久愛海で女の子は瑠美衣だよ!」

「アイ……子供に何か恨みでもあるの?」

「そんな事無いよ!」

 

 ごめんねアクアとルビー……名前は変えられなかったよ。

 あと、アイはアイドル辞めちゃったけど、それは俺の所為じゃないから恨まないで欲しい

 

   

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