カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第34話

★★☆☆☆

 

 とある日の事だった。

 

 俺とルビーは、保育園へと迎えに来たカミキと共に……スーパーに寄って夕食の材料を買っていた。

 

 ルビーはカミキに、アイには内緒でお菓子も買ってもらっていた。

 

 ……ルビー、夕食の前にそんなものばかり食べたら太るぞ?

 

「アクアも、何か欲しいのがあれば好きなの良いですよ」

 

 ……まぁ、アルフォートを買ってもらったのは内緒だ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 帰宅したらアイが居た。

 

 その日は偶々……アイもB小町も午後は仕事が休みだったらしく、家にいたんだとか…………。

 

 そんな訳で今日は、アイが夕ご飯を作ってくれた。

 

 カミキの料理もおいしいが、やっぱり推しのアイドルの手料理は格別だった。

 

 しかし、ルビーよ。そんな慌てて食べなくても料理は逃げないぞ? よく噛んで食べろ……早食いは体に悪いぞ?

 

「そうだ。来週から修学旅行で、しばらくアクアとルビーのお迎えは行けそうにないので、ミヤコさんにおねがいしてます」

 

「そんなのだめだよ、ヒカル君!?」

 

「いや、駄目とかじゃなくて……修学旅行ですので」

 

私はもう一日でも、ヒカル君に会えないと生きていけない体になったんだよ!? それなのに……それなのに!!

 

「…………アイさん? 熱演しているところ申し訳ありませんが……口の周りがナポリタン塗れになってて、台無しです」

 

 カミキに指摘されて恥ずかしかったのか……服の袖で拭こうとしたアイの手に、カミキが手を伸ばして止めては、ティッシュで拭くのだった……。

 

「ハイ、これで綺麗ないつものアイさんですよ」

 

「……えへへ、ヒカル君ありが……じゃなくて、私はもう一日でも、ヒカル君に会えないと生きていけない体になったんだよ! それなのに……それなのに!? こんなの裏切りだよ!!!!

 

「……それで行先は沖縄なんですが、お土産で希望なのはありますか? なければ紅芋タルトと、ちんすこうを買って来ますよ?」

 

「むぅぅぅうーーー」

 

 カミキの肩を掴んで揺らそうとしたアイを、一瞬で抱きしめた。

 

 カミキの胸にうずくまる形でがっちりホールドされたアイは、一瞬もがいていたが……諦めたのか、カミキの背中に手を回してアイ自身も抱き返していた。

 

「……アイさん? 以前も言いましたが……寂しい感情も、愛におけるスパイスですよ……?」

 

 アイの頭を、カミキが撫でて慰めていた。

 

 

 そして、カミキは修学旅行に旅立った。

 

 

 

 カミキが修学旅行に行ってから、家の空気が死んでいる

 

 アイは……虚ろな目で、ケータイと睨めっこしている。

 

 多分、ラインでやり取りしているんだろうけど……。カミキも日がな一日中、ケータイを見ている訳ではない。アイの表情が明るい時間が、十分と持たない以上……常にカミキから、連絡が返って来ている訳ではないのが分かる。

 

 そして、俺とルビーにも影響が出ていた。

 

 ……なんてことはない。

 

 いつも保育園に迎えに来てくれたカミキが、修学旅行で旅立っているのだから……来るわけがないのに…………。それなのに……17時を過ぎると、保育園の窓側で俺とルビーはいつものように待ってしまう。

 

 何気なく過ごしていた日常がこんなにも大切で……俺とルビーにとっても、いつの間にか大きな存在になっていた……。

 

 

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