全く……世話のかかる女である。
箸の持ち方がおかしいから、食べ物をボロボロ零すのだ。
「良いですかアイさん? 箸はこのように持つのです」
アイの手を掴み、指を絡め、そして握る。
「ひ、ヒカル君! だ、駄目だよ!? 今ご飯食べているんだから、それにアクアもルビーも見ているんだから…………」
……いや、子供が見ているからこそちゃんとしろよ……。
「……はぁ〜。これではいつまで経っても、あーんから卒業できませんね?」
「………………卒業したくないなぁ……」
……いや、ご飯位自分のペースで食べてくれよ……。
とりあえず……今も拗ねた膨れっ面をするアイの口に、ゴーヤを突っ込む。
「モグモグ……ムゥゥ〜ゴーヤって、苦いね……」
「ゴーヤですからねぇ」
「でも、ヒカル君があーんしてくれたから……私、食べれたよ?」
「……うんうん、好き嫌いをしないのはアイさんの美点ですね」
しかし、双子は一心不乱にゴーヤチャンプルーを食べているが……ゴーヤ好きなのか?
「アクア、ルビー? そんなに慌てなくとも、御代わりはありますから……落ち着いて食べてください」
とりあえず、右手にアイの箸を持っては……アイの口へと飯を運ぶ。
その一方で俺は、左手に自分の箸を持っては……自分の飯を食べる。
……食べずらい事この上ないが、やってやれないことはない。
夕食も食べ終わったし、片づけをしていたらいつの間に双子は眠っていた。
今日は色々疲れていたようだし、一旦片付けは中断して双子をベットに運んだ。
アイはソファーで横になっているし、家にいるとき位はゆっくりさせてやるか…………。
洗い物も終わった事だし、今日は帰ろうとしたところでアイがむくりと起き上がった。
「ねぇヒカル君…………アクアとルビーは寝ているし、今なら大丈夫だよね?」
アイとは大運動会以降は全くやって無かったし、今日は双子も早く寝たから都合が良いな。
「……では、アイさんベットに行きましょうか」
「…………うん♡」
俺は深く考えないようにした。
やっぱり、アイは良い身体しているんだよなぁ~。
惜しむらくは、朝まで出来ない点だ。
23時を回っているから、もう帰らないとまずいし……。
何より、今日はメイの日だ。
「アイさん、私はもう帰りますから……戸締りはしっかりお願いします」
「ヒカル君、出来れば今日は泊まってほしいなぁー?」
「すみません。学業もありますので、今日はこれで最後です」
「んんっ」
キスをして舌を入れると、アイは嬉しそうに自身の舌を絡ませて来た。
口を離せば、銀糸もぷっつりと切れた。
「それではまた明日」
「うん♡ ……ヒカル君、またね」
アイの家を出て、事務所に向けてバイクで走る。
ようやく、事務所に着くと入口の所でメイがすでに待っていた。ちょっとした申し訳なさもあって、バイクを停められる場所に停めた後……メイに駆け寄って抱きしめる。
「……もぅ、カミキマネージャー遅いですよ?」
「すみませんメイさん。遅くなった分はこの後埋め合わせをしますので、中に入りましょうか」
「ハーイ。たっぷりと楽しみましょうね。カミキマネージャー♡」
……俺の一日は、まだ終わらないようだ。