今年も夏がやってきた。
どうせ去年と一昨年と同じく、アイドルフェスに参加やるんだろうと思っていたが……今年は違った。
「B小町もメディアや番組に出るようになったおかげで、知名度が上がって来た! ……なので今年の冬は、ドームにてライブを行うぞ!!」
……今更ながらに思うのだが、斎藤社長の能力とコネも俺とはまた別の意味で凄い。
俺がどんなにコネを使ったところで、ドームは愚か武道館ライブだって3、4年位は時間は欲しいところを……アイが居るからと言ってもそれを実現させるだけの能力は凄い。
こんな社長だから、ミヤコさんもついて来たくなるのかな?
……ま、俺も斎藤社長の事は嫌いじゃないし、やるだけの事はやるかな。
「ちなみに、アイドルフェスにも参加するんですよね?」
「ああ、勿論だ。アレだけでも今じゃあ収益が見込めるからな」
一昨年は、手配でいっぱいいっぱい。
去年はバイクで行ったり来たり……。
だが……今年は違う!
ハイエースがある。
機材も色々積み込めるし、人数があっても乗れるし、俺も寝れるし、何なら夏休みの宿題をこなせるはずだった……。
「カミキさーん。うちの機材は何処に置いとけば良いですか?」
「カミキマネージャー、私のアイドル衣装が無いです!」
「カミキマネージャー、お弁当の手配ってどうなりました?」
「ねぇねぇヒカル君? この衣装可愛くない?」
「あそこがB小町のスペースなので、機材はそこにまとめておいてください。ニノの衣装は、ハイエースの中段ボールに入ってる。段ボールの側面に、衣装って分かりやすく書いてあるからそこ見てください。お弁当の手配は最終確認済んでます。16時に到着予定です。特に遅くなるって連絡は、今の所は無いので大丈夫です。あと、アイさんは出番まで邪魔なんで、車の中で寝ててください」
「分かりました」
「カミキマネージャー、ありがとう」
「流石、カミキマネージャー」
「むぅぅぅ」
全く、去年より忙しいぞこりゃあ……。
……と、こんな感じでアイドルフェスは何とか乗り切っていた。
学年最後の文化祭は理事長に呼び出されて、またカミキアイのライブをやって欲しいと泣き疲れて、渋々受けてしまった。
そして、軽音部の皆さんにお願いしたところ……快く引き受けて貰えた。
しかし……みかんのうたとブルーハーツは、絶対条件であった。
いや、良いけどさぁー?
ロック過ぎなんだよなぁー。
でも、俺も好きだし……。
好きだから、軽音部の子たちは本気何だろうなぁ……。
そうだよなぁ……。
……女子がロックが好きで、何が悪い!?
結局は、”好き”が重要か…………。
……去年は全力で歌った。
……じゃあ、今回は”本気”で歌うか。
理事長には、終わったら謝るか。
最後ぐらいは……”カミキヒカル”として歌おう。
軽音部には歌う曲を伝えて、試しに歌ってみることにした。