カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第39話

 歌が特段上手い訳では無いアイでも、アイドルとしての才能は天下一品。……だから、誰もが魅了される。

 

 じゃあ、同じく歌が別段上手い訳でも……ましてや、役者としても2流の何者でもない俺(カミキヒカル)が出来ること……。

 

 ……なんてことはない。

 

 言葉一つ一つに、感情を……魂を込めろ……!

 

 ……凡人が出来るのは、唯それだけだ。

 

 ……大丈夫、俺なら出来る!

 

 なぜなら俺には、誰にも負けない強い信念がある……!

 

 

「今日は文化祭ライブに来てくれてありがとー! じゃあ早速だけど……一発目は、SEX MACHINEGUNSのみかんのうた!」

 

「ーーーー!!!!」

 

 腹から声を出したおかげか……俺はもう震えて無かった。

 

 

 

 

 

 

「続いて2曲目は、軽音部が大好きなブルーハーツのTRAIN-TRAINだ!! この歌を聞いて欲しい人が俺にはいる!!!!」

 

 去年のライブ動画の再生数からも、話題性はあった。

 

 それは俺が、アイに化けたからだというのもあったし……そこそこ自信もあった。

 

 なら、今年も同じくアイの厄介ファンがこれを見るのは間違いない。

 

「TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも…………」

 

 

 

「早くも3曲目だけど、次はビーストウォーズのED FOR THE DREAM! 俺にはこの歌を聞かせたい人がいる!!

 

 アイで狂ったファンがいる……ならば、愛で戻してやれば良い……!

 

 だが、愛が分からない人もいれば……愛を誤解する奴もいる。

 

 ならば、教えてやる……!

 

「さーて、4曲目は宇多田ヒカルのThis is Love。俺は……例え言葉は通じなくても、魂の伝達は可能だと信じている!

 

 

 ……白けてんのか、見惚れているのか分からないが……。この静まり返りに、若干の不安があるけど……このまま最後の5曲目。

 

「みんな、最後までありがとう……! ー文化祭はまだまだ続くけど、この曲で最後になります。CR吉宗3より、そこにあるかも知れない……~大江戸みっくす~俺には、これを聞かせなきゃいけない奴がいる

 

「君に逢いたい時だって どこか逢えない気持ちがある……」

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 文化祭ライブは歌い終わった後は、大歓声って訳じゃ無く……拍手で終わった。……なんとも言えないけど……軽音部の人たちはやり切った顔しているし、とりあえずは良しとしよう。

 

「あ、カミキ君? 理事長が呼んでいるから、理事長室まで来てね」

 

 舞台裏で休んでいたら、呼び出しを食らってしまった。

 

 やっぱり、アイモードじゃなかったから怒られるよなぁ……。

 

 はぁ……。怒られるのは、嫌だけど……筋を曲げたのはこっちだし、謝りに行くか……。

 

 

 理事長室に着いたけど、気が重い。

 

 

 以前、リョースケが突撃してきたときより気が重い。

 

 

 でも、ドアの前に立っていてもしょうがないし……覚悟を決めるか……!

 

 俺が覚悟を決めて、ドアを開けた。

 

 そこで目にしたのは……理事長と校長が、涙を流しながらも笑顔で出迎えてくれた事だ。

 

「「カミキ君! ライブ良かったよ!!」」

 

「ええ、私も年甲斐もなく感動しましたよ」

 

「二人にそう言ってもらえてよかったです。ただ、理事長……約束したことと違うことをしてしまい、申し訳ありません」

 

「いや、良いんだカミキ君。このライブ動画のコメント欄を見てくれ、賛美の言葉でいっぱいじゃないか」

 

「いやはや、本当にカミキ君のおかげですよ」

 

「いえ、私ひとりだけではありません。軽音部や先生方の協力があってこその結果です。むしろ皆さんのおかげです。私は唯本気で歌っただけです」

 

「本当に、我々は良い生徒達に恵まれましたな校長先生」

 

「そうですねぇ……理事長」

 

「ああ、呼んでしまい悪かったねカミキ君まだ、文化祭は終わって無いから存分に楽しみなさい」

 

「では、失礼します」

 

 ふぅー緊張したけど、これ結果が伴ってなかったらやっぱりアウトだよなぁ……。

 

 そんなことを考えてたら、今更ながらに震えがやってきた。

 

 やっぱり……アイドルは凄いんだなぁ。

 

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