昨日の第二ボタンの件がさぞお気に召さなかった所為で、俺はとうとうアイ以外にも子供を作る約束をさせられてしまった……。
いや、みんなを妊娠させるのは全然良いけど……今はだめなのよ。
やるとしたら、苺プロを辞めて俺のプロダクションに移籍してからにして欲しいと告げたんだ。
一応、子育てに関しても大丈夫なように対策も考えているし、うまくいけばそのままドカンと売れる! と、力説して事なきを得た。
まーそれまでの間は私も含めて皆さん若いんだし、思い出を作りましょう。
ちなみにその時に初めて、俺が苺プロを将来的に辞める話をアイが聞いたから案の定『ヒカル君が辞めるなら、私も辞めて着いて行くよ!』と当然の様に言ったので、俺も当然の様に『ドームの公演が終わった後なら良いですよ』と伝えた。
アイはやる気に満ち溢れたようだけど、4,5年は多分ドーム公演は出来ないと思う。何なら俺が斎藤社長の立場なら、ドーム公演をしなかったらアイが居続ける訳なんだし、無理にやる必要は無いからな。
ま、俺も事務所を立ち上げるにあたって、失敗は出来ない訳だからある程度保険はかけておきたいところだし、それも斎藤社長に話を通しておかないといけないし……。
……なんでこんなにやることがいっぱいあるんだろうか?
カミキさんは一人しかおらんて……。
嘆いていてもしょうがないから……とりあえずプロダクション設立に必要な資格と子供対策、その他もろもろをノートに箇条書きしておこう。
必要な事は書き出して、修正する! 大切なことだ。
そんなことを考えていたら、黒塗りのベンツが俺の前に止まった。
ベンツから出てきたのは、以前から付き合いのある女社長だった。
「やっほーヒカルちゃん」
「四条社長、お久しぶりです」
女社長改め、世間で有名な四大財閥の一つ……四条財閥の末っ子。兄弟姉妹の権力争いに興味が無いが、四条財閥の力でファッション会社を設立した。彼女は経営者としては凄まじい能力があった所為か、会社は設立してから常に黒字経営であり、最低でも億の売り上げがあるとかないとか……。
「ヒカルちゃん、高校卒業おめでとう。今からご飯でも食べに行かない?」
女性の誘いを断る奴は、男じゃねーぜ!
「ええ、是非ご同伴させていただきます」
「じゃあ運転よろしくぅー。私、ここまで運転して疲れちゃったかな〜」
おい、なんつー車を運転させる気だこいつ!!
「……では、僭越ながら運転させていただきます。よろしいですかレディ?」
「ほんとーヒカルちゃんのそういうところ私大好きだなー……ねぇ私の物になってくれない?」
「……なっても良いですが、そしたらあなたは私を捨てるでしょ?」
「ヒカルちゃんは私の特別だから、捨てるわけないじゃーん」
男癖の悪いこの女が、そんな事を言っても信じられる訳がない……。
「……私は今ヒカルちゃんしかいないよ? 他の
……怖い人だ。
「ヒカルちゃんとやった後にも他のと色々やったけど……全然満たされなかったんだよね♪ だから、ヒカルちゃん……責任は取ってもらうよ♡」
……俺の幸せは一体、何処にあるのやら?