アイとアクアのドラマ撮影が終わったが……時間はもう遅い為、今日は直帰する事にした。勿論、斎藤社長には連絡済みである。
はてさて、アイはアイドルでアクアは子役デビューをいつの間にかしていたが……ルビーだけが何もしていない唯の保育園児である。
正直なところ……俺はルビーがアイドルになることに対して、何ら反対するところは無い。
ルビーが困っていたら、そっと手を差し伸べて助けてあげればいいと俺は考えている。
アイはなんやかんやで子供に甘いから、ルビーの話に対して賛成はすれど……綺麗な面だけしか見せないのが一番厄介だろうな……。その一方でアクアは……どうなんだろう? 頭ごなしに反対なのか、理路整然として反対なのか……はたまた普通に反対なのか……。
これは、第一回家族会議を行わないとな……。
とりあえず、家に着いたことだし……みんなが眠いのは分かっているんだ。しかし、ルビーの人生がかかっているんだから、なぁなぁには断じてしない。
「えー皆さん、眠いところ申し訳ないのですが……。ルビーからドラマや映画撮影などなど、アイさんと並び立って仕事をしたい……だから、アイドルになるために協力して欲しいと言われましたが……どう思いますか? 私自身は、特に反対する理由は有りませんが……知っておかないといけないことがいっぱいあるので、悩んでおります」
俺がそう言うと……アイがハイハイと手を挙げた。
「ハイ、現役ソロアイドルのアイさんどうぞ」
「私もルビーと一緒に、ドラマや映画に出たいからヒカル君……何とかならない?」
こいつ……一回殴ってやろうかな?
「……あのですね。アイさん? アイドルになって良かった事と、悪かった事を言ってもらえませんか?」
「良かったこと? それは勿論、ヒカル君に会えたことだね! それで悪かった事は……グループメンバーに陰口は叩かれるわ、衣装は隠されるわ、高みーにはお気に入りのパーカーを目の前で破かれて泣かされたり……ニノには『死んじゃえ!』って言われたし、古参ファンが刺殺しに来るし、恋愛は出来ないし……も〜いっぱいあるよ。これ以外にも私とえっちな事したい人もたくさんいたし……あ、でも私はヒカル君一筋だよ!」
とりあえず、アイが可哀そうになったので抱きしめてあげた。
「……けど、今はヒカル君が六股したおかげでそーゆうのは無くなったよ。ヒカル君が六股したおかげでね!!」
アクアとルビーの目線が痛いが……これは俺がやらかしたことだから、甘んじて受け入れるさ……。
「その事に関しては言い訳しませんよ。必要だと思ったからこそ、やっただけですからね。ただ、アイさんに不快な思いをさせてしまったのは事実ですので……その点は申し訳ありません」
アイの頭を撫でまわしながらも謝罪して、反省する。
「……で話は戻しますが、こんなアイドルとしては適性が高いアイさんでも、涙なしには語れない辛い過去があるんです。ちなみに、アクアは今の話を聞いてどう思いますか?」
まさかここで振られるとは思っていなかったアクアは、驚愕の表情を浮かべながらも答えてくれた。
「……今の話を聞いた後だと、出来ればルビーにはアイドルになって欲しく無いな」
「何でよ!? 家族なら夢を応援してくれても良いでしょ!! 私は絶対にアイドルになって、ママと共演するんだからね!!!!」
ルビーはそう言うと……アイのお腹に頭から突っ込んだ。アイは苦悶の表情を浮かべながらも、声だけは押し殺してた。
たぶん、今の水月にクリティカルヒットしたぞ……。
これはアイに、天罰が下ったんだな……。
「……分かりました。では、アイさんがどうやってお偉いさん方からのお誘いを躱してきたのか……ルビーに教えてあげてください」
「ひゅ、ひゅかりゅきゅん……ひょっとだけ……時間をひょうだい」
アイがヒューヒュー言ってるけど……大丈夫なの、これ? 俺はアクアをそっと見てみたら……結構動揺しており、顔色が悪くなっていた……。