カミキヒカルになりました。(本編完結)   作:だめねこ

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第56話

 ……ああ、憎たらしい。

 女好きの自分が、たまにどうしようも無く……憎たらしくなる!

 何故俺は、姫野に『お手伝いします』……なんて言ってしまったのだろう?

 ……姫野が美少女だからか?

 ……美少女だからなんだよなぁ……。

 これが男だったら、拒否していたはずなのに……

 ……アレか? 俺は地雷(訳アリ)女がもしや、好みのタイプなのか?

 振り返ってみると……セフレ以外の女性は、アイを筆頭にB小町メンバーや四条社長にスタッフちゃんとみんながみんな美少女・美女ではあるが……厄ネタ塗れである事に気が付いた。

 姫野に関しては大学生活は講義はあまり被らないけど……それでもほぼほぼ毎日顔を合わせていたし、セックスはしてないけど情が湧いちゃうのは仕方ないのかな?

 ……などと、自身の気持ちと姫野に対してのスタンスを考えつつも、カタカタとキーボードを打つ手は止めない。

 

 あの時、姫野のゼミの教授について教えて貰ったんだが……女性である事と年齢も30代である事が判明した故に、口説けば行けるだろうと安易に考えた自分が憎たらしい!

 この場合、口説くのならば、絶対に口説き落とさないといけない訳なんだがら、ある程度は事前に調べてからやるんだけど……あの教授はまずい!!!!

 恋愛なんて今の今までしたこと無いんじゃないかって位に堅物で、融通が利かずにおまけに努力家であった……。

 年齢30代教授になっているのも、勉強一筋で来たためであるし……その為の努力も怠らなかった堅物の教授を、俺は口説ける自信が全く無い!

 それに万が一……いや億に一、口説けたとしてもだ……。遊びを知らなかった教授は俺に対してどう行動するのかなんて、考えなくても分かる事だ。

 堅物で融通が利かない女性が、女たらしの人間に対してやることは唯一つ……去勢して終わりだ。

 ……そんな訳で、俺は教授を口説くのは諦めた。

 それ以外にも理由があるにはあるが……単純な話、中庭でピアノの遊びをしていてる俺だけど、実はテストは常に2~30位以内入ってる訳なんだから、客観的に見て周りからは天才だとでも思われているのも問題だ。

 実際に若くして教授になれるくらい優秀ではあるが……それとは別に、相手の才能に対してコンプレックスを抱いているように見受けられる。

 実際は俺も教授と同じく秀才タイプの人間であるんだが……こればかりはどうしようもない。

 ……となると、最後の方法が正攻法となるだろう。

 教授は融通が利かない……言い換えればルールは絶対に守るって事だ。

 そんな訳で眠い目を擦りつつ……頭に冷えピタを装着。そしてアイのカチューシャを借り……邪魔な前髪をちょっとしたオールバック風になるように整えては、死んだ目で代筆を行っていた。

 この時ばかりはアクアの正体を見破って置けば、代わりに卒論をやって貰えたかもってそんな有りえる訳が無い妄想が頭の中をぐるぐる回っていた。

 それを毎日4千字……目途とすれば、ひと月かからずにやれば終わらせることが出来るだろう。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 <1か月後>

 

 ……もう代筆による徹夜は終わったけど……久々にカフェで食べるカフェオレとサンドイッチを摘まんでは、『格別だなぁ〜』……なんて、リラックスしているときだった。

「カミキヒカルゥゥー」

 ようやく地獄から解放されたのに……遠くの方から姫野の叫ぶ声が聞こえて来た。

 毎度の事ながら、良く響く声で俺の事を呼ぶなぁ~と思うと感心せずにはいられないな。

「……姫野さん、どうかなさいましたか?」

「通りました! 私も通りましたよ! 卒論!! あなたのおかげですよ〜カミキヒカル♡」

「……それは良かったです。ええ、えぇ……本ッ当ッにッ、良かったですよ……」

 こっちは仕事の合間だけじゃなく家事・育児の合間にだったり、深夜にまでもつれ込んでいた訳だしな! しかもアイ達には事情を説明してこの一か月間はやっていないし、抜いてもいない……早い話が性欲を持て余しているんだよ(怒)

「そ、それでなんですけど……今日、お礼もかねて夕食はどうですか? 勿論、私の奢りですよ?」

 こ、こいつ……!? 甘えた声を出して誘ってやがる!?

 いや、単純にお礼がしたいだけだし、誘っているのは夕食の話だし、食べ終わったら必ずしもホテルに行くわけでは無いんだし……?

 それに……そもそも相手は姫野千佳だぞ?

 大学卒業後ならまだしも、卒業までまだ数か月ある。

 だ、大丈夫だ俺はまだ頑張れる……はず?

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