分身したネルソンを一気に倒すデルタ。
横から3人のネルソンが現れ、それを倒す。
そして背後からネルソンが剣を振るってきたのをスライムの籠手で防ぐ。
何か違和感を感じてデルタが下がる。
「何かおかしいです。」
「なるほど。」
「聖域の中心に近づくほど、貴様らは力を失う。誘い込まれていることに気づかなかったのか?」
「そっちは逆に力を得ると。」
(まぁ知ってたけどな。)
「もう少し近づいてから仕掛けたかったが、このあたりでも十分だろう。」
再度ネルソンが分身する。
「獲物がいち、にい、たーくさん」
(見てるだけなのも暇だし、二刀流で斬るか。)
「馬鹿な、魔力は制限されているはず。なぜまともに戦える!」
デルタがとことん分身下ネルソンを倒す。
「本当に自力で覚醒したというのか。だが、その手法はとうに失われているはず。」
「さて、どうだろうな。」
ナイトも二刀流で、分身したネルソンを斬る。
思わずネルソンが後ずさる。
「まぁ、まま良い。この程度は想定の範囲内だ。見るが良い。これが全力だ!」
再度ネルソンが分身する。
デルタが雄たけびを上げながら、スライムの塊を叩きつける。
(「あれま」としか言いようがないな。)
引き続きデルタが暴れる。
(デルタのカバー範囲が広すぎてやることがない。)
「ねえ、あれって本当にシャドウの仲間なのかしら?」
「どういうことですか?」
「戦い方が全然違うわ。」
「私が見たシャドウの剣は、究極の技術だった。でもあれ、技もへったくれもないただの暴力じゃない。強いのは分かるけど、あれで良いのかしら。」
「生物の進化論的にも、多様性とは大事なものだ。」
世界が割れる。
最初の場所に戻ってきた。
「なぜだ?100を超える分身を、なぜこうも簡単に、」
「まず一に、研究者が戦えると思わない事。次に、マルチタスクが全くできていない。年寄りには合わないシステムじゃないか?」
だんだんと距離を詰める。
「オリヴィエ?そうだ!オリヴィエ。」
「オリヴィエ、来い!来い!来い―!オリヴィエー!」
するとオリヴィエが現れた。
「さて、そろそろかな。」
「ナイト様。調査は終わりました。いつでも出口が作れます。」
「把握。あとは任せるとするか。」
「総員帰還せよ。」
魔力を強固に練っておく。
「ま、待て、帰る?逃げるつもりか?ほ、ほんとに?」
「残る必要がなくなった。それだけだ。」
「このまま、に、逃がすと思うのか?」
「別に来ても良いんだよ?」
ネルソンがオリヴィエの後ろに隠れる。
聖域から出たように見せかけて、スライムクロークを起動する。
デルタが唸り続ける。
「デルタ、行くわよ。」
「デルタ」
「ひゃい!ごめんなさいなのです!」
「皆さんもどうぞ。」
「私はついていきますよ?」
「あんなハゲの隠れ家に残る訳ないでしょう?」
「ま、まぁ良い。アルファとやらの顔は覚えた。奴の血があれば雫も完成に近づくだろう。高松への言い訳は、そうだな。聖域に誘い出し、罠にはめ、正体を暴いたとでもすれば良いだろう。それならむしろ手柄に、」
聖域のスクリーンが出てくる。
「中枢に鼠が紛れ込んでいるだと⁈ふんっ、憂さ晴らしに殴って…」
「オ、オリヴィエ、ついて来い!」
聖域の中心に移動した。
「ほう、アウロラを連れ出したか。」
「フハハハハ、残念だったな。その扉は貴様らには開けん!そこの小僧も災難だったな。」
「ボク?」
「どこの迷子だか知らんが、魔女にたぶらかされたせいでお前は死ぬことになる。このオリヴィエに切り刻まれてな。」
オリヴィエとシャドウが向き合う。
「ダメよ。彼女は、」
「分かってる。強いね。」
「逃げないと。」
「なんで。」
「恨むなら私ではなくその魔女を恨むが良い!それと、愚かな自分をな!」
オリヴィエが何度も斬りかかり、それを最小限の剣で受ける。
「なんだその顔は、どうして貴様は笑っている!」
シャドウが自分の頬に手を当てて確認する。
「あぁほんとだ、笑ってるね。」
「立場をわきまえない人間ほど不快なものはないな。貴様がまだ生きているのはただ運が良かっただけだ!」
オリヴィエが斬りかかる。
それを受け、左肩に刺さる。
「馬鹿な!なぜ貴様はまだ生きている!」
「対話のない戦いは単調だ。」
「なに?」
「彼女には心がないんだ。ボクの問いに、彼女は答えない。」
「何を言ってi…」
「なら、もう良いか。」
スライムクロークを解除し、オリヴィエを刺す。