第3話「独創の技」
クレアが入学してから2年が経ち、シドも学園に入学した。
(ちなみに、俺も日々、『スライムクローク』の確認として、学園を適当に歩いている。)
(学園を散策していると言っても、学生でもなんでもない侵入者だが、スライムスーツの色をカメレオンのように変色させているので、ぱっと見では気づかれない。ただ、至近距離だとスライムに通している魔力で気づかれる可能性があるため、生徒や先生とは常に距離をとっている。)
(なので、その弱点をなんとかするべく、シャドウが一人の時に隣をすれ違って、周りから魔力がどう見えているか等を呟いてもらっている。)
(でも、そろそろ小遣い稼ぎが始まるからしばらく確認できなそうだ。)
そして、ナイトは遠くの木々が生えた所に目を向ける。
そこには男女が向かいあっており、その周りには野次馬が集まっている。
その男女の一方はシド•カゲノー。もう一方はアレクシア王女だった。
(『シド』には興味ないけど、ストーリーが原作通り進んでいるかどうかを確認するにはちょうど良いから見ておくとするか。)
遠目からでも分かるほどシドは震えていた。
やがて、震えながら頭を下げて手を前に出した。
そして、差し出されたけ手をアレクシアが指先で握る。
(まぁ、序盤ではあるし、流石に原作通り進んでいるか。)
(そろそろ結論出さないとなぁ。)
(安全に、原作通りストーリーを進めるようにく動くか、)
(原作知識を元に、好き勝手に陰の実力者するか。)
(好き勝手するとしたら、王女誘拐が終わる頃には決めてないとな。やりたい事が1つ出来なくなる。)
そうして日が経ち、ある日の朝、何やら騒がしくなっていた
(もう王女誘拐されたのか。スライムクロークの改良に明け暮れて、時間の感覚が無くなっていた。)
ゼノン先生を含む数人がシドとモブ友のジャガとヒョロを取り囲む。
「あの様子、シャドウ様は大人しく騎士団に捕まるおつもりで?」
「今のシャドウはあくまで、『シド•カゲノー』だ。大人しく捕まるしかないだろう。」
ナイトがクロークを解きながらベータに答える。
「わわわ、ナイト様⁈」
「気づいてなかったのか?」
(最近、周りから魔力がどう見えてるか確認できてなかったけど、技として完成しつつあるようだ。)
「も、申し訳ございません!」
「いや、良い。敵に気づかれないための技だ。『敵を騙すなら、まずは味方から』とも言う。」
「流石です!ナイト様!」
(それよりも。さっきのは俺に話しかけたと思ったが、独り言だったのか?万が一、教団員が近くにいたらまずいと思うのだが、それは気を張りすぎか、)
「計画の方はどの程度だ?」
「はい、現在78人が王都近辺に集結しており、さらに集結させています。」
「うむ、シドが釈放され次第、その夜に決行とする。また、決行前にシャドウの部屋で最終確認を行う。」
「了解しました。」
そして、シドが釈放される日がやって来た。
(列車から降りて来た見た目はボロボロのシャドウとクローク状態ですれ違う。)
「また後で、」
そして、見張りの2人をすれ違いざまにスライムで刺す。
夕方、ナイトはシドの部屋に向かった。
「シャドウ、今宵は陰の世界だ。」
ナイトがクロークを解除して、学園の制服に色を変える。
(制服なら窓の外からの目線をそんなに気にしなくて良いからな。クロークのままでも良かったけど、原作ではアルファが制服なってたし、クロークの時の視界悪いし、)
「ナイトか。だんだん魔力が分かりづらくなってきたじゃん。」
「シャドウが小遣い稼ぎしている間、上手くいってるか分からなかったからけど、上手く魔力を隠せているようで安心したよ。」
「ところで、ナイトが来たと言うことは、何かあるの?」
「ディアボロス教団アジトを襲撃するだってさ。」
「どんな感じで?」
「シャドウガーデンの114人が散らばって、同時に襲撃。」
「114人⁈エキストラでも雇ったの?」
「捨て猫拾いが続いた結果。これでもシャドウガーデン全体の一部。」
「そうか。」
「作戦の詳細は、後で部屋に来るベータから。」
「分かった。」
(さて、陰の実力者コレクションの準備を手伝うとするか。)