お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する! 作:LUCIOLE
お茶目なお婆ちゃんに孫はたじたじですw
日曜日、僕は朝からお婆ちゃんの病室に来ていた。
「あ、そうだお婆ちゃんこれ」
昨日、空と取ったぬいぐるみを袋から出してお祖母ちゃんに渡すと、まぁまぁ!と大喜びで抱きしめていた。
「昨日、空と取ったからお土産」
「うふふ、ありがとうね」
思った以上に喜んでくれて、僕もほっこりしているとお祖母ちゃんからの逆襲がやって来た。
「所で空ちゃんは元気にしてた?」
「ああ、あいつはいつも元気だよ」
「あら、『あいつ』なの?」
ん!?
お祖母ちゃんを見るとにまにまと目が笑ってる。
「いや、いつも『あいつ』って呼んでたじゃないか」
「あら、顔が赤いわよ」
「赤くないから!」
とか言いつつ思わず顔を背けてしまった。顔は赤くないが、熱い気がする。
赤くなって無いよね?
「空ちゃんも大きくなったわよね」
「そ、そりゃあね・・・」
ふっと空の顔が思い浮かぶ。そして胸も・・・。
「今何センチくらいかしら?」
「そ、そんなの知らないよ!?」
なんと言う事を聞くんだよお祖母ちゃん!僕がそんなの知る訳ないじゃないか!
「そう?昔はコウちゃんと変わらなかったのにね」
「そりゃ、子供の頃はそうだけど今はそれなりに大きく」
「それなり?じゃあ160㎝位かしら?」
「流石にそんな化け物みたいなデカさじゃないよ!」
「化け物って、コウちゃん何の話かしら」
「な!?なにって・・・」
其処まで言って頭の上に手の平を翳してるお祖母ちゃんの仕草が見えた。
ーーーーーー!!!!
僕は勢い良く顔を隠した。両手で顔を覆って下を向く。間違いなく顔は赤い、いや燃えてるかも。
「で、幾つかしら?身長」
「・・・156㎝です」
「あら、そんなにはっきり知ってるのね?」
ーーーーーー!?
(もう殺して下さい・・・)
くすくすとお祖母ちゃんの笑い声が漏れ聞こえる。
「冗談よ。空ちゃん美人さんになったわよね」
「そ、そうかな?」
頭が沸騰しそうに成りながらも、もう当たり障りのない返事しかしないぞ、と考えながら別の違和感を感じた。
「あれ?お祖母ちゃん空に会ったの?」
「ええ、この間病院で偶然ね」
「病院って、空が!?」
空が病気になるなんてイメージがまったく当てはまらない。昨日だって元気そのものだったし。
「杜野のお爺さんの付き添いで来たらしいわよ」
「え!?ああ、おじいさんの・・・」
杜野のお爺さんは腰痛持ちだから、酷くなった時にたまたま付き添いに来たのだろう。
ホッと胸を撫で下ろしてるとお祖母ちゃんが、心配した?と楽しそうに聞いてきた。
今日はやられっぱなしで、戦況を立て直せる気がしない。
「今日はこれで帰るよ。14時と19時にインするからお祖母ちゃんもゲームするならその時間に合わせてね」
僕はそう言い残して、お母さんから預かったお菓子を渡すと、この不利な戦況からさっさと撤退するのだった。
今日も今日とてお祖母ちゃんの、リハビリが続いていた。
といっても、もう普通に歩けてるし左腕も動かせているのだが本人が納得がいかないそうだ。
「さて、ハルさん!今日はこの手のゲームでの壁の1つを乗り越えて貰おうと思う」
「壁?」
「そう壁」
一体何の事か分からないハルさんは頭の上に?を浮かべて小首を傾げる。
「今回はこの依頼を受けるよ!オズも良いかな?」
「私は構いませんよ」
オズさんは他のゲームで、経験済みなのだろう。特に質問等も無く頷いている。後、さん付けは無しで良いと言われた。一応抵抗したが、其の分指示が遅れるのでと言われたので。承諾している。
正直、確実に年上、それも大分高齢っぽいオズさんを呼び捨てにするのは気か引けるのだが、本人が指示が遅れるのでと譲らないので仕方なく、従う事にしたのだ。ただ、僕の精神的には余り良くないのだが。
「まぁ、慣れて下され」とオズさんは実に楽しそうだ。
「しかし、ハルさんは大丈夫でしょうか?」
「分からないけど、何と無く大丈夫だと思うよ」
昔、皆でキャンプに行ったときに猪を捌いてた事がある。何処から獲ってきたのかとか、どうやって獲ったのかとか疑問に思ったが、お祖母ちゃんのジビエ料理が美味しくてそんな疑問は吹き飛んだ。
目の前で血抜きをされた時はお母さんや女性陣が青い顔をしてたっけ。
「女性は男性に比べれば血に慣れてるとは言いますが」
「問題はもう1つの方だね」
VRゲームの最初の壁、ゲームの操作と言う人も要るが操作はやり続ければそれなりに出来る様になるからそれは気にしていない。
僕が問題にしてるのは敵を倒す事への抵抗だ。
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