お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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第11話 『VRMMOの試練』

 

 この間、アモアラビットを倒してたしリアルで猪を捌いてたので血と動物は問題無いだろう。だがゲームには獣以外のモンスターも居る。そう、人型のモンスターだ。

 

 『NLF』ではまだ盗賊や野党と云った人タイプの敵は実装されてないが何れ実装されるかもしれない。そうでなくても人型のモンスターは居るのだ。

 

 ゴブリン、コボルド、オーク、これら定番のモンスター達、他にもアンデット等に抵抗が有る人は多い。女性は特にだが男性でもそれが原因でやめる人も居るくらいだ。況してや『NLF』は実体験の様なリアルなゲームである。

 

 「ある・・・のだ・・・って、お祖母ちゃん!?」

 

 そんな僕の懸念を無視してハルさんは木々の上を枝から枝へと飛び跳ねていた。

 

 「おお~流石狩人ですね」

 

 (いや違う!)

 

 狩人にそんなスキルは無い。

 

 「ハルさん、危ないよ!」

 

 と言ったそばから足を滑らせバランスを崩した。

 

 落ちない様に手をバタつかせふらふらと体を前後させている。

 

 僕とオズさんは慌ててハルさんの下へと走り出したが、付いた時には前後に手足を伸ばして姿勢を安定させてた。

 

 「は~、びっくりしちゃった」

 

 小声でそんな事を言って舌を出している。

 

 「それはこっちのセリフだよ!」

 

 注意しようとしたら、しーっと唇の前で指を立てられた。

 

 ちょいちょいと前方を指差す。

 

 見れば草むらの向こうに動く気配が有った。

 

 身を屈めてオズさんも注視するその先に小さな人影が有った。

 

 「居ましたね、コボルドです」

 

 今回の依頼のターゲットだ。『アモアコボルド3頭の討伐』森の安全確保の為に常時受け付けてる間引き任務だ。

 

 「今回は1人1匹倒すのが目標だから、良いね」

 

 2人は黙って頷いて返す。

 

 オズさんを指差し左を。ハルさんには右のコボルドを狙う様に指示を出して僕は呪文を小声で唱えた。

 

 ばっ!と草むらから一斉に飛び出すと僕は『ファイヤ・バレット』を真ん中のコボルドに放った!

 

 燃え盛り転げまわるコボルド。その右側では額にナイフの刺さったコボルドが小刀で首を斬られて倒れていた。

 

 そして、突然の奇襲にうろたえた左側のコボルドが今、オズさんの槍に貫かれて絶命した。

 

 奇襲という形であれ、あっという間にクエスト終了だ。

 

 「呆気なかったわね~」

 

 ハルさんは足元を見て何かに気が付いた。

 

 「シンちゃん、これ何かしら?」

 

 ハルさんは落ちているドロップアイテムを指差している。

 

 「なんだろう?」

 

 横に並んで同じ様に足元を見ると、コボルドの毛、牙とは別に鉱石が転がっていたのだ。

 

 「これ、魔石だよ」

 

 「魔石?」

 

 今後はどうか知らないが、ベータテスト版だとレアなドロップだ。

 

 「なかなか出ない素材、毛や牙より貴重品なんだ」

 

 ハルさんは魔石を拾うと、覗き込んだ。

 

 コボルドの魔石は青銅色で少しくすんだ色をしている。

 

 「他の素材も拾ってね」

 

 『NLF』ではドロップはちゃんとその場に落ちていて、それを手で拾いストレージに入れる事で所有物となる。放置していればその内消えてしまうので、気を付けないといけない。

 

 そして、パーティを組んでる場合はその人数に合わせてドロップが増える様になっている。詰まり大人数で倒した方が欲しい物のドロップ確率は上がるのだ。

 

 ただ、誰かが欲しい素材が有るからと最大の6人パーティで取りに行ったのに、躍起になれば躍起になるほど出ないもので、先人達はこれを『物欲センサー』と呼んだ。本当に厄介なシステムである。

 

 (まぁ、実際そんなシステムは無いのだが)

 

 「良い素材が出て良かったですね」 

 

 「ありがとうございます」 

 

 ドロップを回収して戻って来た2人だが、オズさんは少し難しい顔になっていた。

 

 「どうかした?」

 

 「私の動きはやはり遅いですね」

 

 いや、戦士なら仕方無いと思うし、悲観する様な動きじゃなかったんだが・・・。

 

 「ハル殿には遠く及びません」

 

 うん、それは僕も思ったと言うか驚いた。

 

 ハルさんは木の上からナイフを投げて額に命中させ、木の上から飛び出すと一気に駆け抜けてコボルドの首を斬り落としたのだ。

 

 普通あの2撃でコボルドは倒せない。つまりクリティカルヒットが出た事になるのだが、このゲームでのクリティカルヒットは乱数でも確率でもない。

 真に一撃となる攻撃を急所に与えられたかどうかだ。つまりハルさんはリアルに急所を狙って其処に寸分違わず攻撃を当てたのだ。

 

 「でも、やっぱりまだまだね~狙いがずれちゃって」

 

 ・・・・・・・・・何か言ってるけど聞かなかった事にしよう。

 

 僕達は冒険を続けていった。

 

 ハルさんは毎日時間一杯ゲームが出来るわけじゃない、だけどゲームが出来る時は必ず一緒にログインした。

 

 「そろそろお金も溜まったし、装備を変えようか」

 

 それは僕達が第三階層に辿り着いた頃だった。節約して初期装備でやってきたがそろそろ変え時だ。此処までの素材で出来るだけ良い装備を整える。そして第4階層に向かうのが手堅いと思っている。

 

 「あら、もう変えちゃうの?」

 

 第三階層目までは練習を兼ねたチュートリアル階層でサクサクと進んだがこの先からはそうは行かない。

 

 「うん、『NLF』は第四階層目から強さが変化するんだ。だから此処で出来るだけ良い装備に変えて次に挑もうと思う。それに此処の階層で作れる装備は結構良い物が作れるんだ」

 

 そう、この階層には強さの割りに良い素材を落すモンスター、アモアクラブが居る。そして、その上位種のキラー・アモアクラブが稀に出現して、こいつの素材は次のレベルでも使える有用な物なのだ。

 

 「キラー・アモアクラブですか・・・」

 

 オズさんはキラー・アモアクラブを知っているのか。

 

 「この装備で戦うには心許無いですね?」

 

 「まぁ、普通はそうだろうけど問題ないよ。その為に最初に少し良い装備を買ったんだしね」

 

 「シンちゃんには何か策が有るのかしら?」

 

 「まぁね、キラー・アモアクラブは硬いけど攻略法が有るんだ」

 

 この情報は、先発組みなら誰でも知っている様な情報だが初見の2人、特にお祖母ちゃんが知る良しも無い事の筈だ。

 

 だから僕は少しだけ、得意気にキラー・アモアクラブの攻略方を話した。

 




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