お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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新装備の為にカニ狩りです。

でも、戦闘シーンは苦手なのです。




第12話 『キラー・アモアクラブ』

 

 今、3人は第三階層の北の町『チョードル』から北に有る岩場に来ていた。というかキラー・アモアクラブに追い掛けられた。

 

 近くのせせらぎに現れる大型犬程の大きさのアモアクラブを倒しながらキラー・アモアクラブの出現を待っていた訳だが、突然現れたキラー・アモアクラブに3人は逃げ出したのだ。

 

 そして、軽自動車程の大きさのキラー・アモアクラブに一撃与えたハルさんが囮となって大きな岩が並ぶ岩場の上を軽々と飛び跳ねる。

 

 「まるで、義経ですね」

 

 「義経?・・・ああ、八艘飛び」

 

 僕とオズさんは比較的移動しやすい所を通って一生懸命追い掛けるが、全然追い付かない。

 

 僕はこういう軽業師みたいな動きは出来ない。ジョブではなく、リアルな問題だ。そして、オズさんは鎧が重く動き難いのでやはり遅いときている。

 

 ズウウウン!

 

 先の方から何か大きな音と地響きがした。

 

 「上手くいったのでしょうか?」

 

 「多分。急ごう」

 

 2人がハルさんに追いつくと既に戦いは始まっていた。

 

 キラー・アモアクラブは出現場所の近くに有る岩場に誘い出せば簡単に倒せるのだ。

 

 アモアクラブは小さくてダメだが、キラー・アモアクラブのサイズに丁度良い岩の隙間が有り、其処に誘い出す事さえ出来ればきっちり填ってくれるのだ。

 

 更に岩場の隙間に挟まったキラー・アモアクラブの足を切り落として脱出を妨げる。

 

 そこに、僕が魔法で攻撃する。

 

 「行くよ!」

 

 僕の合図で一旦下がったハルさんを確認して、ファイヤ・ボールを叩き込んだ。

 

 「私もがんばらねば!」

 

 オズさんが岩の上から飛び上がり、槍を突き下ろしが弾かれた。

 

 「関節や甲羅の隙間を狙って!」

 

 程なくして、僕達3人は無傷でキラー・アモアクラブを討伐したのだった。

 

 ハルさんは少し難しい顔をして、手を握ったり開いたりしている。

 

 「ハルさん、どうかしたの?」

 

 「別になんでもないわ。まだ、体を動かすのに慣れないだけよ」

 

 「そう・・・何か違和感が有ったら言ってね」

 

 「シンちゃんは心配性ね、大丈夫よ」

 

 ハルさんがキラー・アモアクラブが填っていた隙間に降りるその身のこなしはとても慣れてない様に見えるので、杞憂なんだろう。 

 

 「随分簡単だったわね」

 

 ドロップを拾うハルさんが物足りなさそうに呟く。

 

 「簡単に倒せるならそれに越した事は有りません。少なくとも今は時間を掛ける所では無いのでしょう」

 

 「どういう事でしょうか?」

 

 聞かれたオズさんは僕を見て「本番はこれからという事なのでしょう?」とチロリと長い舌を出した。

 

 「まぁね、この蟹の素材を沢山拾って武具を作るよ!」

 

 3人は2日間、キラー・アモアクラブを倒しまくって、装備に必要な素材を揃えた。

 

 北の町『チョードル』の防具屋に素材とお金を渡して、1日待った。

 

 ハルさんはNPCの店員に丁寧にお辞儀をして武具の製作を頼んでいたのを他のプレイヤーに見られて少し恥ずかしかった。

 

 次の日、3人は早る気持ちを抑えて武具屋に向かった。

 

 ハルさんとオズさんは武器屋でハルさんは蟹鋏の双刃を、オズはシザークラブソードを作り、防具屋で蟹の防具シリーズを一式作った。

 

 僕はこの素材では丁度良い武具は出来ないので、後回しだ。 

 

 「それじゃあ、装備してみて」

 

 受け取った武具を早速装備してみる事にした。 

 

 「は~い」

 

 と、突然ハルさんの胸鎧が消え、アンダーウェア姿に成った。

 

 「なっ!?」 

 

 僕は驚いて、外套でハルさんを隠し、オズさんは咄嗟に後ろを向いた。紳士だ!

 

 「ハルさん服!服!」

 

 「あら嫌だわ」

 

 「早く装備して!」

 

 胸鎧を装備するのに、もたついたがどうにか装備して一応その場は落ち着いた。

 

 「ごめんなさいね」

 

 「いえ、こちらこそすみません」

 

 後ろを向いて俯き、更に両目を硬く瞑って顔を赤くしながら答えるリザードマン。

 

 僕もこんな姿のハルさんのインナー姿に流石にドキドキしてしまった。インナーと言っても普通の下着ではなく、下着と鎧の間に着るタンクトップとか厚手のスポブラみたいな物だが、やっぱり恥ずかしいのは恥ずかしい。こっちはリアル16歳の男で、ハルさんの見た目は14~5才の美少女なのだ。中身は実のお祖母ちゃんだけど・・・。

 

 胸が余り無いのが不幸中の幸いか・・・。

 

 「シンちゃん、失礼な事考えてない?」

 

 ドキッ!とする。

 

 なんで、本物そっくりとは云えCGの顔で其処まで表情や考えが読めるのか?これが年の功なのか?

 

 「してないから、早く装備変えて!」

 

 僕はもう一度、装備の方法を教えてハルさんの装備変えは完了した。

 

 装備したい未装備の武具をストレージから選んで、装備を選べば一瞬で変更されるので、一々現在の装備えを外してから装備しなくても良いのだ。

 

 ハルさんは赤い防具で女性用で、しかも狩人用の軽鎧なので装甲部分が少なくミニスカート状で露出が多い。そこで肘と膝までカバーした競技用水着の様なインナーに変更して貰った。色は紺。

 

 下着じゃないけど、あの装備で動かれたら僕達が目のやり場に困ってしまう。

 

 オズさんは蟹の甲羅の意匠を残した鎧で実に硬そうだ。肩から出ている足の爪と、肘から出てる鋏がそれっぽい。

 

 武器もハルさんの蟹の鋏を模した小刀にオズさんは待望の刀を手に入れたのであった。 

 




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