お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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『NLF』本サービス開始!

ブックマーク16名!しおり11名!

読んでくれている人に感謝!!

今年もよろしくお願いします。


第16話 『ニュー・ワールド』

 

 『WELCOME TO NEW LIFE FANTASY』 

 

 日本時間の13時丁度、『NLF』の製品版のサービスが開始された。

 

 予め連絡を取って、僕達もログイン!いざ!新しい世界へ!

 

 フィーン。

 

 電源を入れると、微かな機械音が鳴り、システムが立ち上がると強制的に睡眠状態になり僕はログインした。

 

 ベータ版と同じ、最初に降り立った始まりの町アモアの噴水前には沢山の冒険者で溢れている。 

 

 僕は最初にIDを使って個人チャットで空と連絡を取る。

 

 「空、噴水広場横の赤い屋根の喫茶店で待ってるから。僕は黒髪で黒いローブの魔法使いだよ」

 

 「了解!」

 

 少し不安な声色だったが、大丈夫だろうか?

 

 とは言えあの大人数の中で、空を探すのは無理なので待ち合わせの場所で待つ他無い。

 

 そして、ハルさんとオズさんにも同じ様に連絡する。

 

 「何時もの喫茶店で待ってます」

 

 「は~い」

 

 「うむ、分かった」

 

 こうして、僕は喫茶店で入り口の見える一番奥のテーブルで3人を待った。

 

 最初に入って来たのはオズさんで、その後ろではハルさんが手を振っている。

 

 ただ、オズさんはハルさんに気が付いていなかった様で、後ろから押されて驚いている。

 

 そして、少し経って初心者用のローブを着た女の子が入ってきた。

 

 その娘はきょろきょろしながら店内を進み、僕を見付けると表情が明るくなって手を振って近寄ってきた。

 

 「お待たせ!」

 

 明るく、微笑む可愛い女の子。

 

 髪の色は違うけど、顔は本人に良く似ている。

 

 「やぁ、始めまして。かな?」

 

 「ふふ、そうね。始めまして。神官見習いのクウよ」

 

 クウ。自分の名前、空を読み替えたのか。そして本サービスから初心者には『見習い』が付くようになった。レベルが10を超えると、自動的に見習いが取れ神官になる。その頃にはチュートリアルの3階層を突破し、本番の4階層に辿り着くだろうという事らしい。

 

 「僕はシン。魔法使いだ」

 

 取り敢えず、席に座って自己紹介をする。

 

 「始めましてクウちゃん。私は狩人のハルよ」

 

 「クウ殿。私はリザードマンの戦士オズだ。よろしく頼む」

 

 其々握手をして、クウを仲間に入れる事を承諾してもらう。

 

 「空ちゃんよね、久しぶり。御一緒出来てうれしいわ」

 

 「はい、ありがとう御座います。あの、春香お婆ちゃんで良いんですよね?」

 

 「ええ、此処ではハルですけどね」

 

 「はい、これからよろしくお願いしますハルさん」

 

 お辞儀をして、にっこり笑うクウは、もう一人の仲間、オズにも目を向けた。

 

 「あの、オズさん。私はゲーム自体まだまだ初心者ですが、よろしくお願いします」

 

 クウはオズにも礼儀正しく頭を下げている。

 

 「確りしたお嬢さんじゃないか、こちらこそよろしくお願いします」

 

 オズとも握手して、これでクウの仲間入りが決まった。お互いにフレンド登録して、パーティー登録も済ませる。

 

 クウ、見習い神官、Lv1。

 

 見た目はそっくりだが、髪色はミルキーブロンドで、何時も結んでいる髪の毛を下ろしてる。

 

 「そういう髪型も似合うんだな」

 

 「え!?」

 

 思わず呟いた言葉に、クウが驚いて顔を赤くしている。それに釣られて僕もなんだか恥ずかしくなったので、話題を変える事にした。

 

 「さて、今日から少しの間クウのレベル上げを手伝いつつ、ベータ版との差異を確かめ様と思うだけど、良いかな?」

 

 「私は構わない。取り合えずクウ殿には四王鬼との戦いに付いて来れるレベルになって貰うのだろう?」

 

 「四王鬼?」

 

 「ああ、第七階層に良いるここ第一異界のボスだよ」

 

 「私達はもう次の第二異界に行けるけど、クウちゃんはまだでしょ?」

 

 にこやかに微笑むハルさん。

 

 「なので、クウには悪いけど戦闘メインでレベル20になって貰いたい。観光は第二異界に行ってからだ」

 

 僕もにこにこでクウの手を取って、喫茶店を出て突き進むのだった。 

 

 「ちょ、ちょっと、待って!」

 

 顔を赤くして、引っ張られるクウと楽しそうに付いて行くハルさんを見て、やれやれと言った感じで溜息を吐いたオズさんが続くのだった。

 

 「さぁ、先ずは装備の変更だ!」

 

     

 初期装備を全て売ってしまい、現在の所持金で買える物の中で一番性能の良い物を最低限揃えて僕達は冒険者ギルドに向かった。

 他に必要な回復薬や毒消し、携帯食料等は僕達の物を渡せばいい。

 

 本当は余った素材も渡して売って貰い、残った素材とそのお金で買える物の中で一番良い物を揃えて貰うつもりだったが、それはきっちり断られた。

 

 「ほえ~、ここが冒険者ギルド」

 

 他に比べれば、一際大きな木造3階建ての冒険者ギルドを見上げて、クウが声を上げる。

 

 「ええ。ここでお仕事を貰うのよ」

 

 ついこの間まで、初心者だったハルさんが更に初心者のクウに先輩風を吹かせてる。

 

 その状況をオズさんと2人、ほっこりと見ていると照れながら怒られた。

 

 クウに合わせた簡単なクエストを何度か繰り返し、『NLF』の基本操作を覚えながら1日目の制限時間が来てしまった。

 

 「今日は此処までですね」

 

 オズさんは最後のアモアシープを斬り倒し、止めをクウに譲っている。

 

 ゲームとは言え、此処までリアルな『NLF』では、敵を倒す事に躊躇するプレイヤーも少なく無いのだが・・・。

 

 「よし!倒せました」

 

 クウは最初こそ躊躇しながら戦っていたが、あっという間に慣れた。

 

 血飛沫のエフェクトは無いが、羊の頭をメイスで勝ち割る女子高生・・・。

 

 (最初のちょっと怯えたクウも可愛かったんだが、一瞬だったな)

 

 アモアシープから素材を回収して、ハルさん達には先にログアウトして貰い、僕はクウと一緒に防具屋で防具を作って貰う為に町に戻った。

 

 「うん、これに決めた!」

 

 「やっとか~」

 

 制限時間ぎりぎり、クウは作る防具を決めて素材を渡して注文をした。これで、明日の朝には防具が完成しているので、新装備で第四階層に行ける。

 

 「ごめんね、待たせちゃって」

 

 「良いよ。しかし、女の子の買い物は時間が掛かるって本当なんだな」

 

 「そうね、でも選択肢が少ないから今回は早いほうだよ」

 

 其れを聞いて僕は密かに心の中で天を仰いで誓った。

 

 迂闊に女の子の服選びには付き合わない!と。

 




最後まで読んでくれて本当に有難う御座います。
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