お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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4人パーティとなったハルさん達は、新人プレイヤークウと素材集めです。



16話に修正と変更点が有ります。

そして、呼称を変更しました。16話以前の分も少しづつ修正していきます。




第17話 『初陣』

 

 『NLF』本サービス開始3日目。僕達は相変わらずクウの装備の強化と連携の練習をしていた。

 

 今は最寄の村まで戻ってきていて、休憩と反省会をしている。

 

 基本はオズさんが前衛、ハルさんが回避タンク、僕が魔法で援護をして、クウが回復と後方警戒である。

 

 2、1,1の隊列で進む僕たちには更に問題が発生していた。さっさとクウを育てて第2異界に行くつもりだったが、4階層に中ボスが設定されていたのだ。

 掲示板の情報で、弱い事は分かっているのだが、クウには初のボス戦だ。本人は少し緊張しているみたいだが、其れ以上にボス戦が楽しみな様だ。

 

 「中ボスのキラークラブは外観が同じキラー・アモアクラブより大きくて強い。そして青い事からキラークラブGって呼ばれてるらしい」

 

 「昔の狩りゲーみたいですね」

 

 昔の狩りゲーってそれ、もう50年くらい昔の伝説の狩りゲーだよね?知ってる僕も僕だけど。

 

 「それで、その蟹さんは強いの?」

 

 「僕達が狩ったキラー・アモアクラブより強いけど、四王鬼程じゃないよ。ただ硬いらしい」  

 

 両手を上げて、やれやれという表情で僕は告げた。ただ硬いだけのモンスターって嫌いなんだよね。

 

 「でも、シン達なら余裕なんでしょ?」

 

 クウのレベルはまだ8なので、ソロでの討伐は無理だろうけど、20超えの僕達なら当然余裕だ。

 

 「まぁね。ただ予定を変更して、クウの武器を先に作ろうと思うんだ」  

 

 「私の武器?」

 

 「そう。知ってるとは思うけど神官が使えるのはメイスとかモーニングスターと言った刃の無い物なんだけど、何か希望は有る?」

 

 クウは自分の武器を見て、少し考えた。 

 

 「今使ってるメイスに慣れてるし、このままメイスかな」

 

 クルクルと回して、慣れをアピール。

 

 「うん、分かった」

 

 「順当に行けば、メタルメイスかヘヴィーメイスだが、何か他に有るだろうか?」

 

 「モーニングスターってのも有るわよ」

 

 「それ知ってます!トゲトゲの奴ですね!」

 

 「そうそれよ」

 

 攻撃力はメイスより高く、鉱石だけで作れるのだが、可愛くないと却下された。

 

 「強いのに・・・」

 

 ハルさんはモーニングスターを却下されて残念がってるが、でもまぁ今回のオススメはモーニングスターじゃない。

 

 オズさんも考え込んでいるが、既に僕は目星を付けていた。

 

 「うん、其処でね。第四階層でスパイクシェルを倒そうと思うんだ」

 

 「スパイクシェル?」

 

 初めて聞く名前にハルさんが、小首を傾げる。

 

 「新しく追加されたモンスターでね、シェルメイスっていう結構性能が良くて綺麗なメイスが作れるんだ」

 

 「まぁ!」

 

 ハルさんは手を合わせて喜んでいる。

 

 「今のクウにはピッタリだと思うんだよね」

 

 そして、クウは何故か照れてる。

 

 「あら、そんなモンスターが増えてたのね」

 

 「他にも、4階層以上では色々増えてますよ。そもそもベータ版では行けない所も多かったですからね」

 

 オズも色々調べてくれているのが心強い。何せクウは『NLF』初心者。ハルさんに至ってはゲーム初心者なのだ。

 

 「攻略組や情報組が既に色々情報を上げてて、クウと同じ見習い神官の人がフォト付きでアップしてたんだよ」

 

 「クウちゃんの為にわざわざ調べてたのね」 

 

 「クウの為だけって訳じゃなくて、単に新しい情報を見てただけなんだけどね」

 

 そう言った僕を何故かクウは複雑な表情で見ていた。

 

 「シンちゃんもまだまだね」

 

 「全くですな」

 

 何故か、ハルさんとオズさんが意気投合して、僕を残念な目で見ている。

 

 そんな視線を振り払って、僕達は第四階層に上がり、ギルドで討伐クエストを受けて、スパイクシェルを狩る事となった。

 

 

 「なによこれ!?」

 

 砂浜で蠢く巨大ヤドカリの群れにクウが文句をいう。

 

 スパイクシェルという名前だが、その正体は貝ではなく1m超えの大きいヤドカリだ。

 

 そして、クウはこんな性格だが足の多い生き物は苦手なのだ。勿論その事を僕は知っている。

 

 「何か言った!」

 

 「なんにも」

 

 クウの言葉に少し怒気が混じってる。まぁ、苦手なのはしょうがないが慣れてもらうしかない。

 

 「無理はしなくていいが、出来ればダメージを入れてくれ」 

 

 クウにはそう告げて、僕たち3人はヤドカリ狩りを楽しんだ。

 

 必要な素材は、スパイクシェルの貝殻50個だ。

 

 「よっ!」「ほっ!」「はっ!」

 

 砂浜で男女4人が次々とデカイヤドカリを倒している。

 

 時々、見た目に反した素早い突進を見せるが、僕達の敵じゃない。

 

 最初こそ恐々だったクウも、今では普通に戦っているが、少し引き攣った口元が可哀想だ。

 

 それでも、自分の武器の為なので偶に現れる他のモンスターを倒しつつ、30分程戦った。

 

 「クウ、そろそろ揃ったかな?」

 

 ガンガンとスパイクシェルを叩き、倒したクウはドロップを拾ってからアイテムボックスを確認している。

 

 「えっと、今ので8個~」

 

 30分頑張って、たったの8個だと嘆いているクウだが、初見で苦手な物相手に頑張った方だと思う。それに、僕達がパーティーだと云う事も分かってない様だし。

 

 「どうしたの?」

 

 「ううん、何にも」

 

 「何にもじゃないよ~、30分も頑張って8個しか取れてないんですよハルさん」

 

 全然足りないとハルさんに抱き付いて、よよよと泣いている。 

 

 「苦手なヤドカリを相手に、今のクウ殿が8個も取れたのなら十分だと思いますよ」

 

 優しくフォローを入れるオズさん。

 

 「え!?そうなのオズさん?」

 

 「そだよ、それに数ならもう揃ってる筈だよ」

 

 僕の言葉にクウは目を丸くして、何で?という顔をしている。

 

 僕達はお互いを見合って、クスクスと笑ってしまった。

 

 「頑張ってるクウちゃんを見ていたら、私達もついつい頑張っちゃった」

 

 「私もだ」

 

 「僕もついつい楽しくなってね」

 

 そう言って3人が、アイテムボックスから貝殻を取り出してクウに渡すとその合計は100を超えていたのだ。

 

 「取り過ぎだよ!」

 

 驚いて、その数に突っ込むクウ。取り過ぎたら絶滅しちゃうよ!とか言ってるが、ゲームなのでそれは無い。

 

 それに、余ったらハルさんとオズの装備を作るつもりだから問題ないしね。

 




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