お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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新キャラ、『こもりここね』ちゃん登場です。


第20話 『小守心音』

 

 僕達は第三異界まで辿り付いたが、戦力不足を感じて戦力増強を話し合っていた。特に後方支援職が欲しい。

 

 「そこで、出来れば精霊使いを仲間に入れたいんだよね」

 

 精霊使いは回復も補助も攻撃も出来る後衛だ。ただ器用貧乏で、どれも専門職に少し届かないイメージが有る。それでも精霊を使った魔法は特殊で、居ると居ないとではやはり攻略の幅が違う・・・らしい。

 

 近々『ガイア』の二次出荷も有るので新人も増えるだろう。そこで新しいメンバーを取り合えず2人入れる事になった。

 

 「パーティに入ってくれそうなソロの知り合いで良さそうな人が居たら誘ってみてよ」 

 

 「う~ん、取り合えず分かったわ」

 

 「承った」

 

 「私は、そう言う人は居ないから、役に立てそうにないわね~」

 

 いや、お祖母ちゃんは基本病院だから仕方無い。

 

 「まぁ、急がないから。じゃあ今日もクエスト頑張りますか」

 

 「「「おー!」」」

 

 そして僕達は各所の遺跡を巡り、突発クエストをクリアしながら、素材とアイテムを集めつつレベルを上げていった。

 

 

 そして、今日僕はソロでインしている。

 

 折角の土曜日なのでお昼から遊ぶ筈だったのだが、お祖母ちゃんもオズさんもそして空も用事が有るらしい。全員の時間が揃わないし、オズさんに至っては夜も来れないとの事だったので、今日は突然の休息日なった。

 

 因みに、僕達は普段から休息日を設けている。これはお祖母ちゃんの為だけではなく、全員の健康の為にとオズさんが提案してくれたのだ。まぁ、公式でも推奨している事だ。

 

 面会時間は少なかったが、午前中にお祖母ちゃんの所に顔を出してから、空の店に行って久々に再販されたレア物を回収。そのまま商店街をぶらついて家に帰って来たのは昼過ぎだった。

 

 遅めの昼食後、ガイアを起動しようとしたら電話が入った。後、数分遅かったら出られない所だ。

 

 「珍しい・・・」

 

 コール画面には小守心音(ここね)と表示されている。

 

 「もしもし」

 

 「ひゃう!?あ、あの先輩ですか?」

 

 何故疑問形。

 

 「そうだよ。で、どうした?小守から電話なんて珍しいじゃないか」

 

 小守は中学の時に知り合った後輩だ。

 

 「その、あの、せ、先輩が『ニュー・ライフ・ファンタジー』ってゲームをやってるって聞きまして・・・」

 

 珍しい、小守からゲームの話なんて初めてじゃないだろうか?しかも『NLF』とは。

 

 「ああ、やってるよ。今も始める所だったんだ」

 

 「あ、そのすみません。お邪魔しちゃって」

 

 「いや、逆に始める前で良かったよ。それで?」

 

 「その、ですね。実は私もその『NLF』を買いまして・・・」

 

 「え!?」

 

 『ガイア』には年齢制限が有って、15歳以下は仕様してはいけない事になっている筈だ。事前の登録と生体認証できちんと管理しているので普通は14歳の小守はガイアを使えない筈だが。

 

 「実は、先日15歳になりました」

 

 「あ、そうなんだ。誕生日おめでとう」

 

 知り合いの、それも中学の時はそこそこ親しかった後輩の女の子の誕生日を知らなかった事に、何故か罪悪感を感じてしまった。何故だ?   

 

 「ありがとう御座います。それで、今日始めてゲームをやってみたのですが、何をして良いか良く分からなくて・・・」

 

 「ああ、なるほど」

 

 それで、僕に教えて欲しいのか。同級生で『NLF』をやってるのは少ないだろうし。

 

 「分かった、折角の新人さんだ。僕で良かったら色々教えるよ。今からで良いかな?」

 

 「はい、お願いします!」

 

 僕達はIDを交換して、お互いの特徴を教え合ってログインした。

 

 第一異界、第一階層、始まりの町アモア。

 

 既に懐かしく感じてしまう、この噴水の前には今日も多くの新人や冒険者が集まっている。

 

 僕はその中から、目的の人物を探して驚いた。

 

 アバターが本人そっくりだったのだ。ただ熊の耳が生えてる。

 

 後輩に似た顔の熊の獣人が其処に居たのだ。

 

 「小守か?」

 

 「せ、先輩!?」

 

 「ああ、やっぱりか。そっくりだな」

 

 「えへ、頑張りました」

 

 「うん、可愛いよ」

 

 ピコピコ動いてる熊耳が可愛さをアップさせている。

 

 「はうっ、えっと・・・名前はココです。熊獣人で精霊使いです。まだ見習いですけど」

 

 頭を下げる小守こと、ココの顔が何故か赤い。

 

 「よろしく。僕はシン、魔法使いだ」

 

 僕は手を出して、握手をしたがその時衝撃が走った!

 

 (なんだ、この感触は!?プニプニだが、確りした弾力も有って、しかも暖かい。何時までもプニプニしていたくなるこの感触、気持ち良い)

 

 むにむに・・・。 

 

 僕はその感触に、思わず我を忘れてしまっていた事に気付いて、パッと手を離した。

 

 「ごめん!」

 

 其処には顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに、そして少し残念そうにしているココがいた。

 

 「その、肉球が気持ちよくて・・・」

 

 「はうっ!?」

 

 「ああ・・・その、ごめん」

 

 「・・・・・・・」「・・・・・・」

 

 お互い黙ってしまったが、このままではいけない。

 

 小守・・・ココは大人しい性格だし、先輩らしく僕からこの状況を打開しないと!

 

 「先ずはフレンド登録しようか」

 

 僕は空中を指先でトントンと2回叩く様にしてメニュー画面を開き、メニューからフレンド登録を選んでおずおずと手を出すココと握手。そして、フレンド登録を了承するとリストにココの名前が現れる。

 

 「よし、じゃあ準備を始めようか」

 

 先ずは、ギルドと武具屋、道具屋を回って装備を整えた。

 

 さっきの事も有るので、少し奮発して僕の手持ちからも出している。

 

 「そんな、先輩に其処までして貰う訳には・・・」

 

 「良いんだよ、お詫びだし。それに僕達はそこそこ進んでるからこれくらいの出費は問題ないし」

 

 でも、と申し訳無さそうにしているココの頭を撫でて、新人は大事にしないとねと言うと、大人しくなってココは頷いた。

 

 (うん、髪の毛の毛並みも良いな、熊獣人)

 

 

 僕とココはゆっくり序盤のクエストをクリアしながら、『NLF』の基本を話して、実践して見せた。   

 

 即戦力は欲しい所だが、無理せずゆっくり楽しんで欲しい。  

 

 何より、今、僕達には前衛が居ないのだ。

 

 ・・・とか思ってました。

 




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