お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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さぁ、第三異界、第七階層ボス、カリュオーン戦開始です!


第27話 『セルフイベント【世界の解放】開始』

 

 今日、この日僕達は第三階層ボスエリアの前に集まっていた。パーティから外されているツバメも既に来ている。

 

 「待たせたな!」

 

 最後にやって来たジークと【ストライク・エクシード】の面々が現れ、今回の面子が揃った。

 

 大手の【ストライク・エクシード】から2パーティ、【英知の聖杯】【清冷騎士団】【マインセル魔導学園】そして【銀のⅥ閃】【ヤドリギ】そして僕たち【春雷】の合計8パーティが揃った。

 

 何処も有名なパーティやクランばかりで、恐縮していまう。

 

 「うちのクランは2パーティ出してるってのに、そっちは1パーティとはな~」

 

 ジークがソニアに絡んでるのが見える。

 

 「五月蝿いわね~、こっちは運営で人手取られてるんだから仕方無いでしょう」

 

 「あの、此方【春雷】の編成メンバーの表です」

 

 「ありがとう、ツバメちゃ~ん」

 

 資料を持ってやって来た、ツバメを抱きしめ、ジークをジト目で睨んだ。

 

 「こっちはヘルプ頼んでるくらいなの!なんならそっちからも運営に人を出してくれても良いのよ」

 

 口を尖らせ、ジークの胸を突っつくソニアにジークはそそくさと逃げてしまった。

 

 「よう、漆黒の。調子はどうや?」

 

 そう話しかけて来たのは【銀のⅥ閃】のリーダー、キヒロさんだ。細身の狼獣人で、それ以外はスタンダードな戦士と言った感じの見た目だが、中身は真性のオタクさんだ。

 スピードを生かした戦士で、鎧も軽くて良いレア物を装備している。

 

 「はい、足を引っ張らない様に万全を期してます」

 

 「硬いな~、お互いこの程度のボスに遅れは取らんやろ?気楽に行った方が上手く行くちゅうもんやで」

 

 そして、見た目に反して方言バリバリのギャップキャラでもある。

 

 「言いたい事は分かるけど、先ずは挨拶でしょう」

 

 そう嗜める白と緑の服を着た、エルフ女性は【ヤドリギ】のリーダー、アロアさんだ。

 

 【銀のⅥ閃】は関西方面の方ばかりのパーティで、【ヤドリギ】はアロアさんが作った姉弟と友人だけで作ったパーティだ。

 

 アロアさんはベータ版でも活躍していたので知っている。そこに実妹のユイさんと、実弟のアキさんを足して6人パーティと成ったそうだ。

 

 僕達は挨拶を交わして、各々準備を始めた。

 

 「さて、そろそろかな?」

 

 『あー、あー』

 

 ワールドチャットで全世界にソニアさんの声が届く。

 

 『今回の依頼に参加してくれたクランやパーティの皆さん、ありがとうございます。そして、今回の為にボスエリアへの攻略の時間を譲っていただいた、多くのプレイヤーにも感謝申し上げます』

   

 『今回の依頼は全て第四異界、第四階層の中ボスへの入り口を塞ぎ、階層を二分する異層の壁を取り除く為の作戦です』

 

 『6体のボスに存在する全48部屋、その全てに同時に突入し、全てのボスに勝つ!この作戦が上手く行けば、壁を取り除き、第四異界中ボスへの道が開くと確信しております』

 

 『だからと言って気負う必要は有りません。我々なら必ず勝てると、やり遂げると確信しています!』

 

 『NLFの全てのプレイヤーの力を集結して、世界の壁を打ち破り、新たな世界を開きましょう!』

 

 「「「「おおーーーーーー!」」」」

 

 拳を突き上げ、作戦開始を宣言するソニアさん。その掛け声に各ボス前に集まっていた、他のプレイヤー達からの歓声が上がる! 

 

 「頼むぞー!」「俺達の分まで頑張ってくれーーー!」

 

応援に来ているプレイヤー達の討伐パーティ達への激励が場を埋め尽くし、否が応でも気持ちが昂る!

 

 「此処までの高揚感初めてだ、武者震いが来るぜ!」 

 

 「責任重大だよね」

 

 「・・・ですね」

 

 攻略組みの面々はお互いの顔を見合わせ、頷きあった。

 

 「凄いわね、こんなに沢山の人に応援して貰えるなんて」

 

 「はい!攻略に参加出来ない私も滾って来ます」

 

 珍しく硬い表情のツバメの頭をハルさんが撫でる。

 

 「皆が私達に期待してくれてるのが分かりマ~ス」

 

 「私、緊張して来ました・・・」

 

 タダカツさんは両手を上げ、やる気が溢れてるが、逆にココは両手を胸の前でぎゅっと結んで不安そうな顔をしていた。

 

 「大丈夫よ、何度も練習してきたじゃい」

 

 そんなココの肩を叩いてクウが励ましている。

 

 「クウさん・・・」

 

 「やれるだけの事はやりました。後は気負わず何時も通り、全力を出すだけです」

 

 「だね。じゃあもう一度、持ち物の確認だけして置こうか」

 

 少し緊張した面持ちのオズさんと一緒に皆を集めて、最終確認を始める。

 

 

 今、ボス部屋へと続く石碑の前に8パーティが揃う。

 

 『それでは皆さん、準備はよろしいでしょうか?』

 

 突入時間となり、ソニアさんから、他のスタッフにアナウンスが変わった。

 

 「「「「おう!」」」」

 

 各地からの返信が入り、頷く。

 

 1分前、全ての準備を終え集まった精鋭達だが緊張が隠せない。

 

 『10秒前です。では皆様、健闘を祈ります!』

 

 【英知の聖杯】のアナウンスがカウントダウンを告げ、スタッフや関係者、ギャラリーが新しい扉へのカウントダウンを叫ぶ!

 

 「5!」「4!」「3!」「2!」「1!」

 

 ゴーーーーーーン!

 

 そして、今『NLF』の未来を開く鐘が鳴った!

 

  

 ボス部屋へと突入した僕達の前には、ここ数日の間何度も見た光景が広がっている。

 

 第三異界、ボスモンスター【カリュオーン】のボスエリア。

 

 模様が彫られた石畳の空間の奥、其処に汚いローブを纏い、二股の杖を持った小人の姿があった。

 

 「行くよ、皆!」

 

 そんな僕の声を待たず、クウが攻撃力アップと魔法耐性アップを、ココが属性ダメージ軽減の魔法を全員に掛けた。

 

 僕も言いながら、カリュオーンに速度低下、防御低下を掛ける。

 

 クウの唱える魔法の加護を受けながら、走り込む3人。

 

 タダカツさんは正面から盾を構えながら突っ込み、その後をオズさんが付いて行く。

 

 そして、ハルさんは隠密スキルで気配を消しつつ、後ろへと回り込んでいた。

 

 バフ、デバフを掛け終った僕達も魔法や弓で攻撃を開始して、前衛の為に隙を作る。

 

 「ファイヤ・ブレッド!」

 

 今の状態のカリュオーンは魔法耐性が高いので、僕の攻撃はただの撹乱だ。この隙に前衛3人が少しでも安全に接近させるのが目的なのだ。

 

 「宿れ、サラマンダー!ファイヤ・アロー!」

 

 攻撃力上昇と火属性ダメージ追加の魔法が掛かった矢を番え、ココも攻撃を始めた。

 

 クウは後半の為、MP温存なのだが毎回うずうずと堪えている。 

 

 僕達の攻撃を受けて、カリュオーンは杖を掲げ此方に魔法を放つ。

 

 「ファイヤ・ボール!」

 

 「ライトニング・ボール!」

 

 2つ同時に魔法を発動させ、ココとタダカツさんを狙った。

 

 タダカツさんを狙ったファイヤ・ボールを今回の為に新調した盾で防ぎ、ココを狙ったライトニング・ボールはクウが割って入り小盾で防いだ。

 

 「ありがとう御座います、クウ先輩!」

 

 今のクウの役割は僕達の護衛だ。魔法耐性の魔法が重ね掛けしてあるので、盾で防げばダメージは無い。

 

 そして、この攻撃の間にハルさん達が届いた。

 

 「行きます!」(シャープネス・エッジ!)

 

 スキルを使った事を悟られない様に小声で技名を唱え、背後から斬りかかる。

 

 カリュオーンからすれば、突然背後に現れたハルさんに完全に無防備な首を斬られた事になる。

 

 ハルさんは隙を見逃さない。更に正確に弱点を攻撃出来るパーソナルスキルを持っている。

 

 そして、今ではスキルも使いこなす様になってるのだ。

 

 シャープネス・エッジは武器の斬れ味を上げつつ少しだけ攻撃力を上げるスキルだ。

 

 これで、もっと攻撃的な職業なら戦士や騎士を超えれるのだが、職業が狩人なのが悔やまれる。それでも普通の狩人では出せないダメージを叩き出している筈だ。

 

 更に言えば今ハルさんが装備している武器は、属性ダメージも物理ダメージも並みより少し良い位の物だが、特殊効果が付属されていた。それは、攻撃を重ねれば重ねる程、属性ダメージが上がって行くと云う物だ。

 

 正し、攻撃の間隔が3秒以上空いたらその効果はリセットされる使用で、あまり使われないレア武器なのだが、ハルさんの手数の多さなら問題ないと使っている。

 

 (ダブル・スラッシュ!)

 

 そして、スキルも使ってその効果は更に上がるのだった。

 




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