お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!   作:LUCIOLE

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日常回はこれまで!

リア充爆発しろw


第8話 『デート?』

 

 『ガイア』を使い過ぎると最悪植物人間になってしまうという僕の悪い冗談を聞いて顔を青くする空、流石に脅かし過ぎたかと反省して取り成す事にした。

 

 「大丈夫だよ、そんな事に成らない様に作られてるから」 

 

 「本当に?」

 

 上目遣いで、僕を心配そうに見ている。

 

 (うっ!?)

 

 「だ、だからそんなニュース見たこと無いだろ?」

 

 少しだけ安心したのか、コクリと頷いて商品をレジ袋に入れると、付箋に『コウタ』と書いて貼り付けカウンターの中に仕舞い込んでしまった。

 

 「え、なに?」

 

 僕はこれまでの長い経験で危険を感じ、逃げ出したくなったが、人質、いやプラモ質を盗られた!?

 

 「おじいちゃーん、私コウちゃんとデートに行って来るからー!」

 

 「いや、デートってお前店番・・・」

 

 思わず顔が赤くなる。

 

 ズダズダズダ!

 

 そして、店の奥から轟く足音に青くなった。

 

 「孝太ーっ!?貴様、わしの可愛い孫に手を出したな!」

 

 「出してない!出してない!」

 

 ゴーグルとマスクをしたお爺さんが左手にA-10のプラモデルを持っている。

 

 そのA-10には半分、迷彩塗装がされていた。

 

 (うん、迷彩塗装の最中だったんだな)

 

 思わず心の中で手を合わせる。おじいさんにでは無くA-10にだ。

 

 「さぁ、不安にさせたお返しに付き合って貰うわよ!」

 

 エプロンをカウンターに置くと、上着と僕の手を取り、尻尾の様に髪を振り、空は走り出したのだった。

 

 「ちょ、お返しってなに?」

 

 ズンズン歩く空に付いて行く、駅の商店街を抜け、車道に出る手前の角の店に入っていった。

 

 そこは馴染みのクレーンゲーム専門のゲームセンターだった。

 

 「空・・・」

 

 中に入って迷い無く奥の一角に来ると空は、難しい顔をしてケースの中を睨みつけていた。

 

 「これ!この子が取れないのよ、コウちゃん取って!」

 

 そこには如何にも空が好きそうな動物のぬいぐるみが鎮座していた。

 

 丸々とディフォルメされたハムスター。しかもデカイ。

 

 「いや、何度も言うが俺だって上手い訳じゃないんだぞ」

 

 「大丈夫、ちゃんとお金は出すわよ」

 

 「まったく・・・」

 

 僕は頭を掻くと空と場所を代わり、このデカイお賽銭箱に自分の500円玉を投下した。

 

 

 帰り道、空はホクホク顔でぬいぐるみを抱きしめて歩いている。そして僕も。

 

 いや、抱きしめてはいないしホクホク顔でもない。お婆ちゃんのお土産に取っただけだ。

 

 合計で1000円。6回目で1つ、余った4回で偶々2つ目が取れたのだ。正直運が良かった。僕の腕では最低2000円、最悪取れない事も有るのだが、アームの設定が強かったので助かったのと、顔見知りの店員さんに取り易い場所に動かして貰えたのが大きかった。

 

 「やっぱり上手いじゃん」

 

 「今回は偶々だよ。動かして貰ったし、それに空のナビも助かったし」

 

 少し照れてる様に見える空。

 

 「それでも私より上手いんだから、これからもよろしくね!」

 

 照れ隠しなのか、キシシとわざとらしく笑ってる。

 

 「まったく・・・」

 

 空のカオスなぬいぐるみ塗れの部屋を思い出す。

 

 「ねぇ、コウちゃんは帰ったらゲーム?」

 

 「そうだな、『NLF』は1日2回、1回3時間って制限あるから今から3時間、夜に3時間やらないと寝るのが遅くなるしな」

 

 「プラモデル、作ってる暇ないね」

 

 「誰の所為だよ」

 

 「あはは♪」

 

 「ベータ版だから今はこんな感じだけど、本サービスが始まったら自重しないとな~」

 

 「寝る時間を削ってまでゲームしちゃうみたいな?」

 

 空が顔を覗き込んでくる。

 

 「だな。でもその辺ちゃんとしないと怒られるし、ゲーム禁止なんて目も当てられない」

 

 「確かにね~」

 

 クスクスと子供を見る様に笑う。

 

 「今は良いけど、本サービス始まったらヒーラーを探さないとだし、システムも色々変わってるかもしれないし、時間は幾ら有っても足りないよ」

 

 「プラモデルも作らないとだしね」

 

 「だな、だからさっさと帰るぞ!」

 

 走り出す僕を空が慌てて追いかけた。




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