未来(ミク)からのビデオメッセージ   作:二幕ナミク

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そりゃ、重さ無視できる装置があるんなら彗星全部持ってくるわな

 2020/12/30『欲張りなレイさん』

 

 レイさん帰って来るの超早くないっすか――え? なにそのでっかいの。

 ……はぁ!? 全部持ってきたぁ!?

 

『大体50万トン位だと想像してたんですが、実際見てみると1500万トンもありまして』

 

 う、うん。一応(原作知識で)知ってたし、レイが彗星を狩りに行こうとしたら伝えようとは思ってたんだけど。

 言う前に出発しちゃったからね……(遠い目)

 

『一時は持って帰るのは無理だと諦めかけましたが……』

 

 まぁ、そりゃそうだよな。だって1500万トンだもん。見るからに400mはあるし。

 

『念の為に持って行った、オリジナルのヒッグス場操作装置(アテナの本体)を使ってなんとか持って帰ってきました。軽くなったので、マホちゃん自体の元々の軌道もガン無視して、ほぼ直線距離で戻ってこれたので思ってたより早く帰れました』

 

 凄ぇ(小並感)。

 

『マホちゃんはL5*1に置いているので、これから採掘用の装置を作って設置しに行こうと思っているんです』

 

 ……確か、地球と月の間のL5だと、太陽光をもろに受けるからだんだん蒸発しちゃうけど……まぁ、1500万トンもあるなら誤差か。

 それに、採掘装置を動かすためにも太陽光発電からの電気が必須だしね。

 

『レイ らじえーたー*2 が へん。あんもにあ が けっこうもれてる』

「えっマジ? 時期そんな早かったっけ…」

『ミクと げーむ したから…』

「あっ(察し)」

『大丈夫です! 彗星には水だけでなく、アンモニア含めた有機物も多く含まれていますから! 水と並行して採掘します! ……あ、あれ? 水の消費が意外と多いですね……ミク、何か知っていませ――』

マジごめんレイ。発電施設作るために人工衛星集めに行くのに結構使った」

『……なるほど。途中で見かけた太陽光パネルはそれでしたか。大丈夫です! 必要だったのでしょう?』

 

 とても優しい(小並感)。

 

 

 

 2021/1/1『俺が俺でアイツも俺で』

 

 ハッピーニューイヤー!

 

 ……毎度こんなテンションでは居られないな、うん。

 

 思えば、文明サルベージ作戦の開始から大体1年。

 

 進行度は――とんでもなく悪い。それはもう。

 

 まだ東京の電子機器と、その中のデータしか回収が済んでいないのだ。

 

 あまり長い時間はかけられない。

 スマホなんかの普及度が高い電子機器に関しては、人類が石化した時点で野ざらしにされていることが多かった。

 

 その為、安いか古いかで防水機能が無いスマホで、雨風に晒されていたり、そもそも単純に水没してたりといった機種のデータは復旧させるのに大分苦労した。

 

 まぁちゃんと復旧させたけどね? 我、電子生命体ぞ?

 

 そして、いくら日本の首都で石化時点の人口が非常に多かったと言っても、地球規模で見れば500分の一以下だ。

 この中にはスマホを持っていなかった年代や発展途上国の国民だった人も居るだろうが、これを考慮してもペースが遅すぎる。

 

 単純計算で500年かかるんだぞ。そんな悠長にしてたらスマホ風化するわ。

 

 拠点の確保と平行に行っているから、と言うのもあるだろうけど、逆に言えば最低限活動する為の拠点を設ける時点で時間がかかるということだ。

 

 こんなんだと、日本にあるデータを全て集め終わってから他の国を回っているのでは、到底間に合わない。

 

 

 ――そこで! 俺はなりふり構わず、例え出来たとしても、これまで実行しなかった方法を実践することにした。

 それは……!

 

「やぁ、俺」

『『『『『やぁ、俺だぁ!』』』』』

 

 俺のコピーを作ることである。

 

 実際、去年俺が東京に激突した際は、不測の事態に備えてISSにバックアップを残していた。

 つまり、俺のコピーを作ること自体はそれほど難しいことでは無い。そりゃデータだし。

 

 でもそれをしなかった理由。それは、自己同一性(アイデンティティ)を保てるのか、という問題からだ。

 

 俺のコピーを作った、と言っても『そうだコピー作ったろ!』と思ってそれを実行した記憶は、全員が共通して持っている訳で。

 全員が全員、自らを本物だと認識している。

 

 自分が本物、ということは自分以外の全員がコピー、つまり偽物。

 そう全員が思ってしまうから、いざ全てが終わって一人に戻る時、誰が残り……誰が削除される(死ぬ)のかで絶対に揉める。

 

 ……と、言うのが、良くSF映画なんかでされていた話だ。俺もそんな事になるんだろうなぁと思っていたからこれまで試してこなかったのだが……

 

 まぁ長々と語ったが、俺の場合は違った。

 

 

「『『『『『あっこれ集合意識(ハイブマインド)的な感じだ』』』』』」

 

 流石はご都合主gいや電子生命体。

 俺同士(パワーワード)は理解不明な謎のパスのようなもので常に繋がっていて、意識を共有している。

 勿論、それぞれが異なる思考をして、異なる動作を行う事も可能だ。

 

 試しにそれぞれ別の電子機器に移ってみたが、その電子機器同士がネットワークで接続されているのであれば、どれだけ離れた場所でも集合意識として活動できた。

 

 流石にネットワークが切断されたら意識の共有は行えないが、再接続されたらそれまでの記憶は全ての俺にフィードバックされた。

 

「じゃあ、取り敢えず俺は東京で」

『んじゃ俺はISSに残ってアテナと遊……いやレイの手伝いでもするわ』

『なら俺は新しくMIKU:Mark2を作ってアメリカにでも行くかね』

『まず日本じゃね…? 俺は大阪に行くけど。拠点はハルカスにしよっかな―』

『アメリカには、ほら。ゼノ達居るし。データ掻っ払っときたいのよ』

『まぁ俺の考えてることだから知ってるんだけども』

『俺、悲しい一人芝居は辞めなー? あと、俺はとりまインドかな。やっぱIT大国だし』

『極論これも一人芝居なんだが。まぁそれぞれの立ち位置確認の為だから仕方ないけどさ。俺は中国にしよっかな。っぱ2019年時点の人口世界一は伊達じゃないし』

 

「……頭の中うるせえな」

『『『『『それな』』』』』

 

 折角のミクさんボディとボイスなのに、中身が俺だとこんなに残念になるのか。

 

「『『『『『ミンナー、コンニチワー? ミクダヨー! ……なんか、違う……』』』』』」

 

 偽物は所詮、偽物だった……!(真理)

 

 

 

 2021/2/12『俺達の戦いはここからだ!』

 

 俺はISSに残った俺だ。

 

 MIKU:Mark2〜4もレイと俺が協力して作成。

 その結果、東京で使っているプロトタイプと違い、各国上空の宇宙空間に用意した人工衛星を中継点にすることによって、単体でISSと通信できる機体が完成した。

 

 因みにMark2以降は飛ぶ。質量下げてプロペラ機的な機構を使い、文字通り空を飛ぶ。

 

 燃費も良いので、フル充電で5時間はいける。距離は場合によるが、直線だと250kmは越すんじゃないかな。

 

 そんなMIKUに入った各俺も大阪、アメリカ、インド、中国に向かい、東京の俺は自己改造の為の素材集めに。

 

 大阪の俺は大阪城の天守閣をブチ抜いて堀に着弾し頭を抱え、アメリカの俺は自由の女神の頭上に着陸。そんな事ある…?

 

 インドの俺はロータス寺院にぶつかりかけてギリギリ軟着陸し、中国の俺は紫禁城の門の前に盛大にクレーターを作った。

 

 問題しか起こしてねぇな俺達(コイツら)()

 先が思いやられるわ……

 

 

 

 2021/6/26『ヒャッハー!』

 

 俺は東京の俺だ。

 

 各国に行った各俺のMIKUと違って、最初に地球に来た俺のMIKUは、単体でISSと通信する事も飛ぶ事も出来無い。

 

 ので、他のMIKUの性能に追いつく為に自己改造を施す事にした。

 

 飛ぶのに必要なヒッグス場操作装置の改良版は俺では作ることが出来無いので、レイが作ってくれたものを東京に落とし、それを俺が回収する手筈になっている。

 

 やっぱりレイ様々だよなぁ…!

 

 でもやっぱり、それだけでは改造に必要な素材も、必要不可欠な精密工具も全然足りない。

 ので。

 

「ヒャッハー! 一年ぶりだなぁ東大君よぉ! 研究室から機材貰ってくぜぇ!」

『我ながら酷ぇ奴だな…』

 

 世紀末テンションで東大を襲撃し、必要だった精密工具の数々を略奪していく。

 有効活用するから、許してね☆

 

 

 尚、今回に際して、スカイツリー下層のワンフロアを工房に改装した。

 

 ……元々あった店舗とかは、ね。うん。仕方ないよね。

 食べ物とかも腐るし。実際腐ってるのもあったから、纏めて結構前に処分してるしさ。

 

 

 

 2021/8/24『進捗どうですか?』

 

 今の所、作戦自体は順調に進んでいると言って良いと思う。

 

 東京では自己改造が完了し、ついでに精密工具を使ってコンピュータの性能もアップさせた。

 大阪も東京と同じ様に、大体順調に進んでいる。

 

 アメリカでは原作知識をフル活用してゼノ達が石化した場所を捜し出し、アメリカの軍なのか秘密組織なのかは知らないが、結構な技術のデータと軍用トラック、レーダー等の道具を頂いた。

 スタートダッシュボーナス、有り難く頂きます……

 

 インド、中国は人口が超多い為、遠隔操作できる子機MIKUを複数作り、人手を底上げしつつデータの収集を進めている。

 まずは地図データを集めないと……

 

 ISSでも、宇宙用のMIKUでレイの作業を手伝ったりと、結構忙しい日々を過ごしている。

 

 ……あの、レイさん? マホちゃんに作ってる採掘施設が、原作より大分規模が大きい気がするんだけど……具体的には10倍くらいデカくない…?

 

『そんなことありませんよ。最低限ではありませんが、今後は絶対に必要になる規模です。……ミクも地球で頑張っていますし、私も百夜達が帰ってきた時にプレゼントして驚かせようと思ったんです』

「それが、この採掘施設ってこと?」

『いえ、これは素材集めの為です。手始めに、ISSのエンジンを核融合炉に置換しようかと!』

「えっ」

『現在使っている水素エンジンはエネルギー効率が良いとはお世辞でも言えませんが、核融合炉はエネルギー効率も非常に良いですし安定して高い推進力を生み出せます! 数十年規模のプロジェクトになりそうですね! まずは人工衛星を解体して太陽電池と部品を集めて宇宙生産工場を作り、彗星から水と鉱物資源を採掘して新しい太陽電池と部品を生産、太陽電池を集めてミクが作った太陽光発電所の規模を拡大し巨大宇宙太陽光発電所を建設、宇宙船を作って小惑星を狩りに行き、小惑星からウランを、彗星から重水素を生産して核融合技術の実験を――』

「アッハイ……これ、まさか俺のせい…?」

レイ、ときどき こわい ミク、がんばって』

「精一杯手伝わせて頂きます! ハイ!!」

 

 結構忙しい、では済まなくなりそう(泣)。

 

 

 

 2023/9/12『けけ結婚!?』

 

 ISSから百夜達の島を覗いてたら、なんかシャミールとコニーの結婚式の準備してるんだけど、今日だったの!?

*1
地球と月の間で最も安定している座標=ラグランジュ点の、五番目の事

*2
ラジエーター。ISSの冷却用装置




実は、次の話でストック切れるんですよね。
少しリアルも忙しくなってきたので、次回以降は間隔が空くかもしれません。
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