未来(ミク)からのビデオメッセージ   作:二幕ナミク

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どうも一週間ぶりです。一旦書くの中断したら、何故かスランプに陥ってしまい、今話は難産でした。

前話までと文章の雰囲気が違ってたり、辻褄が合わなかったりする箇所もあるかもですが、『ははは、こいつたったの七話で矛盾してやんの』と笑ったりするのは出来ればやめてください。泣きます。


やはり南米か……いつ出発する? 私は同行しないが

 2023/9/28『それからもMIKUはずっと歌って暮らしましたとさ。はいはいめでたしめでたし』

 

 あの結婚式&デュエットから結構時間が経ったけど、俺こと東京担当MIKUは未だに宝島に居る。

 というか、この島に住むことになった。なんで…?

 

 いや、あのこれには深い訳があるんです…!

 

 ―結婚式後の回想―

 

「私の末娘が、アンタの歌を気に入っちゃってね。迷惑でなけりゃ、この島で何度か歌ってくれないか?」

『ウッ……はいっ喜んでっ!!』

 

 ―回想終わり―

 

 断れる訳無くない??

 

 いや、まぁ不満は無いんだけどね。このMIKUの充電用の太陽光発電セットはいつも持ち歩いてたから、別に東京に戻らなくてもここで生活できるし。

 

 東京の事は、大阪MIKUに任せよっかなって!

 

『……担当範囲広くなるけど、まあ海外組に比べたら狭いし大丈夫……かも?』

 

 俺もこう言ってるし、いけるいける!

 

 ……という訳で、現場からは以上です!

 

「ミクー! 歌ってー!」

『はいはーい! どんな歌が良い?』

 

 

 

 2023/10/4『社会の歯車(物理)』

 

 まいど、大阪担当のワイやで。上京してスカイツリーに登ってみたんやけど、東京担当のMIKUが仮設してたサーバールームが、えらいごちゃごちゃでワイ、遠い目や……

 

 ……エセですら無い関西弁は、各方面に喧嘩売る事になるから辞めとこう。

 

 何故大阪担当の俺が遥々スカイツリーまでやってきたのかは、前回の日記を見てもらえばわかると思う。 

 

 簡単に言えば、東京担当の俺が電子の歌姫から宝島の歌姫にジョブチェンジしたからだ。

 同僚は同じく歌姫のリリアンだぞ。ほら喜べよ

 

 そのせいで大阪担当だった筈の俺は日本担当に格上げになり、それに伴って仕事量が激増した。倍どころじゃないんですけど…?

 

 

 そして冒頭。俺自身、そうだとは思っていなかったし理解もしたくないのだが、別の立場から客観視してみると嫌でも理解した。

 

 俺、整理整頓苦手だわ()

 

 まぁ仮だし、と思ってあまり大きく作らなかったデータ保管用のサブコンピュータはとっくの昔に容量が一杯になり、周囲には後付けしたSSDが数十個ほど山になっている。

 

 そんな状況で、中身のデータだけは整理整頓している、なんていう事がある筈も無く。

 データも無造作に放り込んだだけなので、酷くごちゃごちゃしていた。

 

 例を挙げると、電子書籍がある隣に、何らかの企業の書類が。そのまた隣にはエロゲのデータが。

 一貫性無さすぎて終わってるわ。

 

 ……全部俺がやったんだけどね。まずは整理整頓から始めようかな……

 

 

 

 2023/10/9『久しぶりの工作タイム』

 

 今まで集めたデータの整理整頓、ということで。

 

 まずは、データを抜いて保管していた電子機器の数々を以前作った工房で解体し、新しく1台のコンピュータを作成することにした。

 

 詳しい過程は省略するが、市販品の数倍の性能はあるCPUやメモリ、SDD等の部品を数個ずつ作成。

 

 それぞれを組み立てて、現時点で作れる最高スペックのコンピュータ(ぼくがかんがえたさいきょうのこんぴゅーた)が完成した。

 大きさは大体スパコン一台分くらい。

 

 レイ風に言えば、ざっと500SP程のスペックは持っている。うん。スマホ500台分だ。

 ……原作のレイは、あの小さな機体にスマホ1000台分の性能を持ったコンピュータを収めていたんだけどね。

 

 数百年後のレイとは言え、何をどうしたらあのスペックであの大きさに収まるのか。

 マジで理解できないんだけど。量子コンピュータでも作ったのか…?

 

 

 っと。考え事は置いといて、まずは動作確認を……良し。問題ないみたいだ。

 

 んじゃ、これまで使ってたコンピュータと新しく作ったコンピュータを繋げて、データの転送を開始しよう。

 

 新しいコンピュータには、前もってデータを選別するプログラムを入れておいたので、このまま放っておけばデータも綺麗に整理してくれる筈だ。

 

 これで、今後はデータがごちゃごちゃすることは無い。

 ……と思いたい。

 

 

 

 2023/12/14『南米にて』

 

 

 HQ、こちらアメリカ担当MIKU。

 活動開始からおよそ三年が経過。北アメリカ大陸においてのサルベージ作戦の進行状況、八割強。

 

 ということで。

 随分と自己改造を施し、文字通りマッハで各地を回った結果、想定していた進行速度よりも大分早く進んでいる。

 その結果、北アメリカ大陸の八割の電子機器からデータをサルベージできた。

 

 このペースだと、元々の予定よりも大分余裕が出来るので、別の用事を済ませるために少し移動する。

 

 目的地は、南米。

 アマゾン川の河口から約1500km、南緯3度7分、西経60度1分にある都市、マナウスの近辺。

 

 これが何を示しているか分かる人は、結構なDr.STONEファンだと思う。

 

 

「……見えてきた、な」

 

 地表から遥か高い上空…ここからでも一目で分かる。その反面、レーダーに全く映らないのが奇妙で仕方ないが。

 

 

 

 ――朝日に照らされて鈍く輝く、人類に対する悪意の塊――幾千万の石化装置

 その山が、俺の目の前にそびえ立っていた。

 

 

 

 2023/12/21『アテナ以外の石化装置に慈悲はない』

 

 さて。前回はマナウス……石化装置の爆心地まで来た所だったが、色々と準備するのに時間を要し、あの日から数日が経過した。

 

 まず大前提として、態々ここに来た理由は一つ。大量の石化装置、その確保だ。

 

 現在俺達の手元にある石化装置は、元々アテナが入っていた物の一つだけしか無く、解析が遅々として進んでいない……らしい。レイが言うには。

 

 

 石化装置とは、簡単に言ってしまえば人類の数世紀先の技術で造られたトンデモ科学装置だ。

 

 装置を構成する部品は常温超伝導体の性質を持つ結晶体&半導体の性質を持つ未知の結晶体の二種類の物質をピコメートル単位で細かく出力出来る3Dプリンターを用いて造形した理論上最高の三次元回路であり、それが数百数千と組み上げられた結果一つの装置になっている。

 しかも、全ての部品がそれぞれ最適な位置に配置されているらしい。

 

 レイも『もし私がこの装置を1から作るとして、最高率で最適な部品構成の配置を目指せばこうなるでしょうし、ここに辿り着くまでには数百年以上の長い演算が必要となります。これ作ったヒト頭おかしいんじゃないですか??』と言ってた。

 

 

 ということで話を戻す。これまでの話から、石化装置がどれほど複雑な機械なのかは分かってくれたと思う。

 

 でも、俺が今も使っているように、レイは『ヒッグス場操作装置』自体を再現するのには成功している。

 

 なら解析できてるんじゃね? と思うかもしれないけど、ヒッグス場操作装置を作れたのは殆ど偶然が重なった結果だ。

 

 最初は見落としていたのだが、石化装置には二種類の記憶装置があり、アテナが記憶喪失になったのは片方の記憶装置が初期化されたのが原因だった。

 そして、もう片方の記憶装置には、アテナ自身を筆頭にしていくつかの超重要なデータが入っていた。

 

 記憶装置が初期化されていたのにも関わらず『アテナ』という電子生命体が残っていたのは、初期化されていなかった方の記憶域に居たから、という訳だ。

 まぁ、メデューサ達は少なくとも数千年間の記憶を保存できるほどの記憶容量が必要なのだし、OS用と記憶用を分けていたのだろうと思う。

 

 そして、アテナが居た方の記憶装置に残っていたデータの内一つが『ヒッグス場操作技術の理論』を記載した物だった。

 

 つまり、今現在俺達が使っているヒッグス場操作装置は、その理論だけ転用して作った超超劣化版なのだ。

 オリジナルに比べて超デカいし、エネルギー効率も悪い悪い。

 

 

 ――と、いう訳で。超長々と語ったけども、結論は一つ! 最悪壊しても良いサンプルを大量に集めて、石化装置を完全解析しちゃおうぜって事だ!

 

 ……え? 前ホワイマン達に『貴方達の邪魔はしません!』って言ってなかったかって? ……そんな事言ったっけ?(すっとぼけ)

 

 冗談はさておき。実は、地球に飛来した石化装置達は月に居るホワイマン達とは距離的に通信が不可能という事が、以前行った調査で判明している。

 

 そして、機械である石化装置達にとって酸素は毒であり、酸素が含まれる大気に包まれていると意識が麻痺してしまう。

 そのため、万が一この石化装置達が月のホワイマンと連絡が取れる距離だとしても、情報伝達は不可能だ。

 

 だからこの石化装置達は俺達の存在を認知していないし、いくら俺が持っていったって、月のホワイマンはそれを知ることは出来無い。

 

 つまりはバレなきゃ犯罪じゃないんですよぉって事だ。元ネタも宇宙的恐怖(コズミックホラー)だし、そんな遠くない。多分。

 

「ほらほらぁ! じゃんじゃん運んでよぉ!!」

『態々ロボットまで持ってきて……俺達呼ばなくても一人で出来たんじゃないの?』

『こっちも忙しいんだけどな……中国ホントに人口多いからさ』

『いつもそれ言ってない? そんな進まないもんなの?』

『変わってみる? ん?』

『遠慮しとく。記憶は共有されてるけど、実際やりたくはないよねっていう』

 

 俺一人ではマンパワーが足りないので、以前アメリカにて専門作業用にと作っておいた、各種特化型のMIKUをこの数日でここまで運んだ。

 そして他の俺達を呼び寄せて中に入れ、同時進行で並列作業を行うことに。

 

 俺ことアメリカMIKUは、アメリカの拠点から必要な資材を順次持ってくる役割だ。

 

 運搬用MIKU(in日本担当)が破損&電池切れしていない石化装置を選んで運搬し、中に利用価値のあるデータがあればデータ抽出用MIKU(in ISS担当)が抽出して保存しておく。

 その後は、電子生命体のスペックを活かし、石化装置を無理矢理完全初期化する。

 

 そしてまっさらになった石化装置を、精密作業用MIKU2台(inインド担当&中国担当)が分解していく。

 

 

 ――最後に、虎の子。

 俺がこの数年間掛けて製作した、最高傑作と言える1台のMIKU…!

 

 ――ISSと物理的に往復可能な、宇宙輸送船MIKUのお披露目じゃい!

 

 見た目は、ざっくりいうと寸胴なロケットだ。軍とかのステルス技術を転用してはいるけども。

 サイズもそれ程大きくは無く、大体ソユーズと同じ大きさだ。というか、ISSのハッチの形状に合わせたらこうなった。

 

 往復用、と言っても一度往復したらもう使えない物*1では無く、これは何度も使用できる宇宙船だ。

 ヒッグス場操作装置で機体の質量を常に0付近に固定し、ジェットエンジンと補助推進機を用いて宇宙まで飛ぶ。理論上本気出せばマッハ50は出る。殺せ◯せーの二倍早い。*2

 

 

『で、なんで俺が入ってるの…?(宝島の歌姫(笑)』

「だって暇じゃん」

『時差がね…! 今あっち真夜中だし…!』

 

「つべこべ言わずに積み込めぇ! レイがリバースエンジニアリング*3したいからいくつかサンプル欲しいって言ってたから持ってくんだよ!」

『えっなにそれ知らない……あっ隠密用だからって通信機能もつけてないじゃんこの機体※*4、てかこれでどうやってISSまでたどり着くの!? 外部から指示受けないとすぐ事故って爆☆散するでしょロケットなんて!』

 

『あれ? 俺同士なのに情報共有されてないの?』

「あっ忘れてた。ホワイマン対策で電波遮断施設内で作業してる時に、うっかり共有事項から外しちゃったんだ」

『あぁあの時か…』

 

『納得してないで! 人事だと思ってさぁ…!』

「まぁ、簡単に伝えるね。高精度カメラあるからそれ頼りに気合でガンバレ」

『ちょっとぉ!?』

「オラッ点火!」

『はぁ!?マジで言って――あぁ動き出した止めらんないんだけどマジでお願いとめてぇぇぇぇ――……』

「Good Luck☆」

 

『なんかアイツ性格変わってない…?』

『無慈悲と言うかなんというか……』

『記憶は共有されてても、実経験の差で個体差出る……のかも?』

『あれじゃない? 現在進行系で原作キャラと一緒に暮らしてる上に、リリアンと思いっきりデュエットしてた奴だから……』

『『『『あぁ…』』』』

 

 

 

 

 死ぬかと思った。いやマジで。

 

 アメリカ担当が作ってた宇宙船に無理矢理入れられ、強制的に発射された俺は、それはもう死にものぐるいでISSを目指した。

 

 速度は出るわ微調整は難しいわで散々だったが、なんとかISSのハッチと接続できた。

 もう二度としないからなこんなこと…!

 

「レ、レイ〜…サンプル持ってきたよ〜…」

『あっ、ミク! ありがとうございます! よし、これで石化装置の解析が進みますね!』

『ミク、おかえり』

「ただいま、アテナ……っあ、ごめんアテナ、アテナの同胞(石化装置)思いっきり拉致して分解しちゃってるけど、大丈夫…? 心情的に」

『あいつらは、なかまでは無いです。わたしのなかまは、おまえがただけ』

「ヴッなんか純真無垢な子供を洗脳してるような罪悪感ががが……いや、まぁうんもう今更か…」

 

『この時のために高性能の精密工作器具と解析装置を制作しておいたんです!石化装置の外殻部分に相当する結晶体の分子構造はアテナから採取したサンプルを解析して判明していますが、やはり内部回路の構造と構成物質を解析するには部品を消費する事も考えなくてはならなかったので(以下略』

 

 いつも通り早口になりながら石化装置を運んでいくレイは置いといて、宇宙船からISSのMIKUに移って他の俺とのネットワークに再接続し、記憶の共有を再開する。

 

 ――ファッ!? 他の俺達からのDDoS攻撃*5!? 妬み嫉みの感情で自己同一性がバグりアッアッアッ……

 

 

 

 2024/4/12『レコード』

 

 えっなに百夜? ……いずれ復活する千空に向けてレコードを遺す? うん、良いと思うよ。

 ――えぇ!? ボクも参加するの!?

*1
現代で使われてたロケットなど

*2
普通のロケットは、第二宇宙速度≒約マッハ20。つまり殺せ◯せーはロケットと同じ速度が出る。しかも瞬時に。そりゃ月も破壊できるわな

*3
未知の製品を分解し、使われている技術や構造、構成部品、設計等を解析すること

*4
アメリカ担当とは有線で接続して会話している。輸送船にも、この線を使って押し込められた

*5
この場合は宝島担当に対する嫉妬をデータ化して大量に送りつけて強制的にインストールさせる行為

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