人形ノ詩 鴉ノ詩   作:白黒モンブラン

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chapter 00-46 silentline Ⅲ/Ⅰ

 

『おい、RaD。そいつはマジなのか!?』

 

『ああ。この識別信号はG2ナイル、ACディープダウンのものだ』

 

ラスティがセラフとの共闘を始め、レイヴンが城塞内部に侵入した頃。

居住区画に配備されていた二脚MT数十機、装備が異なる重四脚MTを五機がサーカスとキャノンヘッドの二機の高火力によって撃破された時に、チャティによってその知らせは届いた。

特にG4ことヴォルタは驚きを隠せず、その驚きっぷりに戦場付近で指揮を飛ばしていたフィオナと戦術人形達はどういう事だろうかと困惑していた。

G2…という事は生前、ヴォルタが所属していたレッドガンのメンバーであり、そしてナンバーツーである事を伺える。

そんな人物が何故かこの戦場に、この作戦に参戦しようとしている。

 

『一体何のために…?』

 

指揮官機であるヘリの機内で訝しげにつぶやくフィオナ。

だが今はその事で悩んでいる場合ではない。

頭を切り替えて、彼女は戦場に居る部隊にへと指示を飛ばす為に、機内に備え付けたオペレーティングシステムの画面へと視線を向ける。

真上から見た光景にはなるが、自分の部隊とフェンリルの戦術人形部隊が居住区画の半数を制圧している。

特にフェンリルの航空支援は大きい。彼らの活躍によって多くの砲台を沈める事が出来たのだから。

また一部突出している部隊もいるが、フィオナからすればこの程度は想定の範囲内と言えた。

が、同時に妙だとも感じていた。

 

『戦力に差があるとは言え、反撃が薄い。…全部隊及びフェンリルの部隊へ、通達。状況の変化に留意してください。ACや航空支援があるとは言え、鉄血がこの程度だとは思えません』

 

『流石はグリフィンの指揮官と言うべきか。無謀な作戦を展開した奴等とは違うのが分かる』

 

『!?』

 

突如として割り込むようにして飛んできた通信。

敵かと思われた矢先、その男の声に反応してヴォルタが口を開いた。

 

『何時もの様に通らねぇとか何とかを言っていた方がアンタらしいぜ、ナイル参謀』

 

ナイル参謀。

つまり、割り込むように通信を寄越してきたのはレッドガンのナンバーツー、G2ナイルだという事だ。

 

『お前たちの敵だったなら言ってたかもな、ヴォルタ。…久しいな』

 

『お互いにくたばった身にしちゃ、とんでもねぇ遠足先に来たもんだな?』

 

『違いないな。ミシガンでも呼ぶか?』

 

『勘弁してくれ。クソ親父まで来ちまったら、此処ら一帯、地獄に早変わりだぞ』

 

緊張感のない会話。

だが二人にとって久しぶりの再会である事は変わりないのも事実。

何となくそれを察したフィオナは敢えて静観に徹しつつ、機を待ちながら頃合いを見て彼女はナイルの駆るディープダウンへと通信を繋ぐ。

 

『こちらS09地区前線基地 第9支部指揮官 フィオナ・A・レイナドです。先ほどの会話からして疑う余地はないと思いますが、改めて聞かせて貰います。…貴方は精鋭部隊レッドガンのナンバーツー、G2ナイルで間違いありませんね?』

 

『こっちに来てからはレッドガンもたった二人しかいないがな。…それと言わんとしている事は分かる。こちらの目的を知りたいのだろう?』

 

『理解が早くて助かります。ACで援護してくれるのは大変助かりますが、そちらの目的が明確で無い以上、貴方を味方と見ていいのか、その判断がつきかねます』

 

『当然だな。とは言え、大した目的はない。独自の情報網でグリフィンがサイレントラインを仕掛けるのを耳にして、見に来たと言った所だ。恩を売るつもりで多少なりの手を貸すつもりでいた。明らかに無謀な作戦を展開しているのが一目瞭然だったからな』

 

『では今は?』

 

『うちの役立たずがいる事に居ても立っても居られなくなった。そういった所だ』

 

言い方はアレだが、誰の事を指しているかは言葉にしなくとも分かった。

少なくとも今、味方として判断していいとフィオナは思った。

 

『味方識別タグをG2ナイルの乗機ディープダウンに交付します。G2ナイル、居住区画に展開している防衛部隊の迎撃及びAC部隊の指揮をお願いします』

 

『良かろう。賢明な判断に感謝する、フィオナ・A・レイナド。…G4、前に出ろ!後ろは俺が受け持つ!』

 

想定外とは言え、G2ナイルを作戦に参加させたフィオナ。

だが息をつく間はない。

素早くオペレーティングシステムへと目を向け、目まぐるしく変わっていく戦況を確かめていく。

そんな時、敵集団の中から一つだけ突出している反応を見つける。

鉄血の下級モデルではない。それ以外に考えられるとしたら──

 

『ッ!?…総員、警戒!!ハイエンドモデルが来るわ!!』

 

再調査の中にはいなかった新たなるハイエンドモデルの存在。

グリフィンに対する切り札の一つが今、切られた。




遅くなり申し訳ございません。
遅くなった理由はと言いますと……コロナにかかって、くたばってました…。
以前の投稿から時間が空きすぎたのもありまして、今回は短めです、許して…。


という訳で、G2ナイル参戦です。
そしてハイエンドモデルも登場です。

さぁて…盛り上がってきたねぇ!

ではノシ
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