人形ノ詩 鴉ノ詩   作:白黒モンブラン

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chapter 01-07

 

「ちっ…面倒なモンを引っ提げてきやがって…!」

 

地響きみたく揺れるコクピット。装甲を掠める光線。

握った操縦桿のトリガーに指をかけ、ヴォルタは悪態をつきながら引く。

乗機である『キャノンヘッド』の右腕が動き、装備したグレネード『DF-GR-07 GOU-CHEN』の砲身から見た目に相反する様な、空気が抜ける様な音に合わせて榴弾が発射。

バッタの如くステップを踏んで独特な機動で描きながらキャノンヘッドへと襲い掛かってくる『IA-27:GHOST』に目掛けて飛んでいく。

が、それだけなら高機動を有するGHOSTは易々と躱して見せるだろう。

実際、GHOSTは飛来するグレネードを前に横へと跳躍して回避行動へ移ろうしていた。

だが、幾ら装甲と高火力火器で固めた重装タンクを操る彼は決して馬鹿ではない。

でなければ、ベイラム専属部隊『レッドガン』の四番手になっている訳がないのだから。

故に確実に仕留める為の布石を彼は既に打っていた。

 

《……!?!?》

 

回避先を読んでいたと言わんばかりにGHOSTの視覚外からミサイルが飛来する。

親機から分裂して撃ち出された子機のミサイルが残り僅かとなったパルスアーマーを剥がし、続く複数のミサイルが襲い小規模な爆発がGHOSTの装甲に着弾、爆発の連鎖を広げると同時にACS負荷限界が訪れ、無防備な状態が晒される。

そこに追い打ちをかける様に立てて続けに響いた発砲音。

同時に飛来した20発の散弾がGHOSTの装甲を食い込み、その衝撃に機体はとある方向へとノックバック。

そして──

 

《!?》

 

まるで吸い込まれた様に、容易に回避できたはずのグレネードがGHOSTに着弾。

巨大な爆発が空高くへと舞い上がり、爆炎の中で装甲が木端微塵に吹き飛ぶ。

四肢を失い、燃え上がる炎に包まれながらも藻掻くその様をヴォルタは目もくれる事も無く愛機を移動させる。

 

「まず一機…!後は取り巻きだけだが…」

 

警告を知らせるアラート。光った瞬間に合わせてヴォルタはクイックブーストを吹かして回避行動を取る。

同時かつ複数方向からレーザーが飛来し、その内の一発がキャノンヘッドの右側面を掠めた。

幸いにも直撃にはならなかったが、出力は高いのか掠めただけだというのにAPが減少しており、その事実を目の当たりにしたヴォルタの表情はより一層険しくなる。

 

(こんな時にイグアスがいりゃ、もう少し楽が出来たんだがなぁ…!)

 

この世界には居ない悪友、G5イグアスの事がヴォルタの脳裏を過る。

彼がここに居たのであれば、彼のAC『ヘッドブリンガー』が居たら…。

今頃キャノンヘッドの前に出て、パルスシールドを展開してリニアライフルを連射しながら相手の注意を引いていたであろう。

その隙にヴォルタがキャノンヘッドの火力を用いて敵を破壊する。

いつもなら、ルビコンではそうやっていたのだ。

だが彼はここには居ない。コクピットモニターに映る景色にその姿がないのが事実と言えた。

 

(言ってても仕方ねぇよなぁ…!)

 

この場にいない彼の事を言っても居ないものは居ない。

気持ちを切り替えて、ヴォルタはアサルトブーストを起動し、機体を一気に加速させた。

とは言え、タンク脚部の速度はそう速くない。こればかりは重装タンクの欠点とも言えるだろう。

しかしそんな事は最初から承知の上だ。

それにこれぐらいの欠点を腕で補えないのであれば──四番手の名が腐るというものである。

 

「捉えた…!」

 

機体のスキャンを起動させ、狙撃型のGHOSTを捉えると相手はキャノンヘッドの接近を察知して即座に退避行動へと移ろうとしていた。

レイヴンが言った通りだと思いながらもヴォルタは操縦桿のトリガーを絞る。

肩部の二連装グレネード『SONGBIRD』の砲身から連続して榴弾が発射。

一発は直撃し二発目は回避行動に映ろうとしていたのか直撃せず爆風だけがGHOSTの装甲を焼いただけに終わった。

ACSへの負荷はそれなりに与えたがこのままでは逃げられる。そう予感したヴォルタの行動は早かった。

 

「また追いかけっこになるのはお断りだ!」

 

既に再装填を終えた重ショットガンが重々しい発射音と共に散弾を吐き出した。

全弾とは言わずとも数十発がGHOSTの装甲に食い込み、同時にACS負荷限界が発生。

動けなくなったGHOSTに目掛けてキャノンヘッドが突進を敢行。

 

「どおぉらぁっ!!」

 

GHOSTの顔面とも言える部分にキャノンヘッドの脚部による体当たりが炸裂。

速度を上乗せした重装甲の体当たり。その威力にGHOSTの装甲が拉げ、一部が木端微塵に吹き飛び、それどころかGHOST本体が吹き飛び、そのまま森の中へと消えていった。

消えていった方向から青色の爆発が見えたのを視界の端で捉えた後ヴォルタはすぐさま機体を移動させる。

 

「あと二機…!」

 

取り巻きの数も、最初の襲撃で把握している。

多少追いかけっこをしなくてはならないものの倒せない相手ではない。

この程度であれば、後は楽だ。そう思ったヴォルタだったが──

 

『流石はG4と言った所か、重装タンクで良くやる。GHOST如きじゃアンタの相手にはならねぇな』

 

「…!」

 

突如として入った通信とノイズが混じった男の声。

その直後、GHOSTが居たであろう場所に凄まじい砲撃音と共に巨大な爆発が高らかに夜空へと向かって咲いた。

それを背景に一機のACがブースターからオレンジの炎を吹かしながらキャノンヘッドへと向かって来ている。

盛大に爆ぜた爆発の影響でその姿は上手く識別出来ないもののコクピットモニター越しで、僅かながらであるがヴォルタはそのACの姿を捉えていた。

 

(シュナイダー製の頭と胴、ベイラム製の腕にアーキバス製の足……混成フレームって事は独立傭兵か?)

 

ふと思い出すは、この世界に流れ込んできた独立傭兵という存在。

ACのパーツやMTなどが流れ込んできている以上、独立傭兵がこっちに来ていてもおかしくない。

一方でヴォルタは、向かってくるACのパイロットである男の声にある違和感を覚えていた。

 

(通信越しにしちゃ妙にノイズが掛かってやがる…通信機器の故障か?)

 

そう思い、機体のコンソールパネルを操作するも通信機器の状態は良好でエラーも吐いてなければ故障している様子もなかった。

向こうの通信機器が壊れてんのか?と思いながらヴォルタは軽く身構え、狙いを向かってくるACに定める。

こういう状況でACが出てくる。正直言って怪しいどころか、敵としか言いようがない。

 

『ベイラム専属部隊レッドガンの番号付きをやり合うなんざ早々にないからなぁ…』

 

嬉々、敵意、そして殺意。

 

『奴とやり合う前の準備運動には丁度良い』

 

ノイズがかかった声からそれを直ぐに感じ取ったヴォルタ。

操縦桿を倒し、フットペダルを踏んだ時。

 

『楽しませてくれよ…!』

 

敵ACが迫る速度が一段と上がり、キャノンヘッドが動いた。

 

「上等だ…」

 

狙いは自分以外の誰か。

おまけに自分を準備運動の相手程度にしか見ていない。

どこの馬の骨かは知らないが──

 

「準備運動じゃ物足りねぇだろ?なら、くたばるまで相手してやる」

 

舐めてかかってくる奴には──

 

「そう簡単に壊れんじゃねぇぞ」

 

レッドガン流教育指導(取り敢えずぶちのめす)が一番だ。




お、お久しぶりです(震え声)

いやはや、色々ありまして遅くなりました…。
はい…RDR2を買いまして、ガッツリはまっておりました。一応ちょこちょこ執筆はしていたんですけどね…。

というわけでGHOST相手にドンパチ決め込むヴォルタ。
そこに現れるACに声にノイズがかかった男。
さぁて、どうなることやらか…。
あ、出てきたACのアセンブリを表記しておきますねー。



HEAD:NACHTREIHER/44E

CORE:NACHTREIHER/40E

ARMS:AR-011 MELANDER

LEGS:VP-422

R-ARM UNIT:DF-MG-02 CHANG-CHEN

L-ARM UNIT:MG-014 LUDLOW

R-BACK UNIT:EARSHOT

L-BACK UNIT:45-091 JVLN BETA

BOOSTER:ALULA/21E

FCS:FC-008 TALBOT

GENERATOR:AG-T-005 HOKUSHI

EXPANSION:PULSE ARMOR

AC NAME:R.I.P/No.3
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