621を買ったのがウォルターでは無くスネイルだったら 作:宇迦之たま猫
ちまちま書き進めたのでとりあえず投稿
AM10:25
アーキバス占領下にある旧汚染市街地区にて、2つのACが並んで立っていた。
1つは黒く塗られた中量二脚型AC、識別名INFECTION。
パイロットはVVIメーテルリンク
もう1つは薄青色に塗られた中量二脚型AC、識別名Failure Work。
パイロットはVIX C4-621
その2機の更に後ろに約20機程のMT部隊が並んでいる。
彼女等がここに居る理由は解放戦線からの依頼で襲撃して来た独立傭兵によって奪われた補給物資を奪い返す為、そして解放戦線の前哨基地を破壊する為である。
「621、準備は出来ているか?」
「ん…だい、じょぶ…です」
メーテルリンクが通信で621に問うと、621は舌足らずな声でそう答える。
「そうか、なら構わない。解放戦線は所詮烏合の衆、我々にとって敵では無い。安心して前線に出るといい」
621の返事を聞き、メーテルリンクは彼女が思っていた以上に落ち着いている事を察し、それ程心配する必要は無いかもしれないと少しだけ安心する。
「よし、これより作戦を開始する。私は予定通りMT部隊を先導し、敵の前線部隊を叩き陽動を行う!621、貴様は基地後方へと回りを解放戦線のACを潰せ!」
メーテルリンクがそう指示を出すと、621は頷く。
「ん……わかっ、た……まか、せて……」
621はそう答えた後、ブースターを点火し走り出した。
「さて、私も始めるとしよう」
621が走り去ったのを確認した後、メーテルリンクも行動を開始するのだった……
AM10:26 解放戦線 旧汚染市街地区 前哨基地 格納庫内
「─! 敵襲!?これは…多数のMT部隊に…アーキバスのAC!?識別は…ヴェスパー!?」
「なんだと!?……おのれぇ!!」
前哨基地の格納庫内では、バタバタと騒がしい音が響いていた。
そんな中1人だけ冷静な男がいた。
彼はこの前哨基地のACパイロットである。
(敵がヴェスパー部隊だと言う事は分かったが……どうしてこの場所がバレている?)
彼は情報を少しでも得ようと通信を開く。
しかし通信機からはノイズしか聞こえてこない……警邏していたハズのMT部隊は恐らく既に…
(チッ!警備部隊は壊滅したか!敵ACの数は1機…MTはおよそ20…こちらは私のAC1機、警邏していたMT部隊が壊滅した事を考えれば残るMTは15…数的には不利だが……勝機はゼロでは無い!)
彼はそう判断し、覚悟を決めると格納庫内にある全身をBAWS製フレームで纏めた愛機のコクピットへと入って起動させる。
(よし、行くぞ!)
AM10:27 解放戦線 旧汚染市街地区 前哨基地
VIX 621がブースターを点火して前哨基地後方へ回っていると、基地内から3機のMTが現れたのに気が付いた。
(ん……敵さん……じゃま……するの?)
621は速度を緩める事無く接近して、MT部隊の先頭にいたMTへ左手のレーザーダガーで切りつけるとコアフレームを一撃で切断する。
「ッ!?なんだこいつは!!」
いきなり味方のMTが撃破された事に動揺したもう1機のMTのパイロットが叫ぶと、621は右手のレーザーショットガンを撃ち、2機目を撃破した。
(つぎ……)
621はそう呟くとブースターの出力を上げて一気に加速、右手のレーザーショットガンをチャージして、分散するエネルギーを1本に束ねて鋭い刺突に寄って撃ち貫く。
3機目のMTはコクピットに直撃を受け、バチバチと火花を散らして崩れ落ちた。
そのタイミングで前哨基地から1機のACがブースターを吹かして飛び出して来る。
「──なっ、2機目のACだと!?」
解放戦線のACパイロットは十数秒前に出撃した友軍MTの残骸を、友軍MTを撃破した敵ACを交互に見て驚愕する。
「バカな……3機共出撃してから僅か10秒程しか経っていないんだぞ…!?この短時間で3機のMTを…!?」
敵ACがブースターを点火し、物凄いスピードでこちらに迫って来るのを見たパイロットは思わず叫んだ。
「化け物めぇ……ッ!クソッ、やってやる…企業の犬なんぞに殺されてたまるかァ!」
パイロットは叫び、中距離から両手の小型グレネードと両肩の四連ミサイルを敵ACへと撃ち込み始める。
「当たれ……ッ!当たれぇぇぇえ!!」
グレネードとミサイルが621へと迫る。
しかし621はクイックブーストを行い、その全て軽く避け切って見せた。
「バカな……ッ!?」
グレネードとミサイルが地面に着弾して爆炎と土煙が舞う。
「クソッ!!」
621はアサルトブーストを行い、瞬く間に解放戦線のACとの距離を縮めると右手のレーザーショットガンをチャージし、至近距離から撃ち放つ。
解放戦線のACは慌てて回避行動を取るが、ワンテンポ遅れてしまった為、ACの右腕が貫かれて音を立てて砕ける。
「この……っ!舐めるなぁぁぁああ!!」
しかし解放戦線のACはダメージを気にした様子も無く両肩の四連ミサイルと左手の小型グレネードを構えて放つ。
「くッ!?」
621は放たれたミサイルとグレネードを全て避けきると、左肩のミサイルポットからプラズマミサイルを放出して解放戦線のACへ撃ち込む。
「な……なんだそれはっ……うぐぁっ!?」
プラズマミサイルの直撃を受けた解放戦線のACは大きく体勢を崩す。
(あとは…)
621は右肩のレーザードローンを射出すると、レーザードローンは体勢を崩して動けない解放戦線のACを的確に撃ち貫いて行く。
「ま、待て!止めてくれぇぇえ!!」
「ん……だいじょぶ……も…おわり…」
621はそう呟くと、至近距離からチャージしたレーザーダガーによる斬り払いを放って解放戦線のACのコアを切断、撃破した。
(ん……終わった……?)
AM10:30 "元"解放戦線前哨基地
目的であった敵ACを撃破した621は、メーテルリンクの元へと向かう。
基地前方にて行われていた戦闘は既に終了しており、メーテルリンクがアーキバスのMT部隊を引き連れて待機していた。
621はブースターを吹かしてメーテルリンク達の下へと近づくと、コクピットハッチを開いてメーテルリンクに報告する。
「ん……せんと……かんりょー、しました」
それを聞いたメーテルリンクは頷くと、後ろに控えていた部下達に指示を出し始めた。
「ご苦労だった621。補給物資の回収が済み次第、我々も帰るとしよう」
メーテルリンクの言葉に621は嬉しそうに頷き、またコクピットハッチを閉めるのだった。
メーテルリンク
解放戦線のMT部隊が弱くてすぐに終わった為621を遠目に観察していた
そしたらアッサリ敵ACを撃破したのを見てしっかり戦える事を理解してニッコリ
アーキバスMT部隊
新しく入ったヴェスパーの隊長が子供だった為、色々と心配していたが杞憂だった
強くてかわいい妹分な隊長が出来て、俺達が護らねばならぬ…となんか画風が変わった
解放戦線ACパイロット
名も無きモブパイロット
前哨基地で唯一のAC乗りと言うだけあって実は解放戦線でも有数の実力者だった
しかし勇敢にも621へ決死の攻撃を行うも隔絶した実力差を実感、心が折れて命乞いをしながら死亡した
アリーナランク圏外
スネイル
報告を聞いてニッコリ