ちがう! 『電子光虫』たちが勝手に! 作:ウェットルver.2
縮めてデジモ……遊戯王オフィシャルカードゲーム第9期において最弱の産業廃棄物なる汚名を返上できないうえにリンクモンスターには絶対に太刀打ちできない史上最弱の昆虫族カテゴリー。
ボクは「産業廃棄物呼ばわりは名誉毀損だろ常識的に考えて」とは思うが、ネット掲示板での悪名高さ(雑魚扱い)では本当に同期のカードの中では比類がないほどのゴミ呼ばわりなので、ぶっちゃけ悔しくて奥歯が砕けるかとも思ったよ。うん。
不動遊星の教えはどうなってんだ! 教えは!
禁じられたNGワードを平気で使ってんじゃねえか!
ああ、なんとも悲しいことに、今となっては救済措置となるカードが何種類か発売されたものの、その芸術性の高いコンボはヤボなカードによって簡単に破綻させられてしまう。
ゲーム大会環境では上位にあがれるレベルではないなどの理由で、あんまり大会優勝経験がないデュエリストの嘲笑の対象になりがちなカードではある。いまだに。
おかげで趣味全開のフリー対戦専用のデッキでしか出番がないうえ、さらに気心のしれた真のデュエリストでもないかぎりは対戦で使いたいとも思えない……空気を読まないパワーカードを連打されて電子光虫たちを嘲笑の対象にされるくらいなら、その礼儀を拳で返すよりも電子光虫たちを使わないほうがまだ無難とすら言える……のだが、ひとつ困ったことがある。
こいつら、ボクの来世についてきやがった。
「ボクは誘蛾灯かなんかなの……?」
再会のきっかけは今、まさにこの時だ。
今生の家族にデュエルディスクを買ってもらったら、そのデュエルディスクを起動したとたんに立体映像が物質化して、電子光虫のデッキに使っていたカードのほとんどが全自動で刷られてきた。ついでに脳味噌への電気ショックで前世の記憶を叩き起こされた。
ドヤ顔で鼻高々に自慢しているらしきカブトムシ、相棒の《電子光虫ライノセバス》の立体映像がボクの肩に乗ると、いけいけどんどんと羽音を強めてデュエルディスクの稼働音を強くさせる。
「ね、ねえ、ちょっと?」
ブゥーン、という内部の小型扇風機の音が、だんだんと、ヴヴゥーン、とか、グウウ゛ォーン、とか、聞いたことがあるような、聞きたくないような、聞き覚えがありすぎてやめてほしい騒音に変わってくる。
「なにしてるの?
バリバリ、ジャリジャリ、スピーカーからのノイズ音が激しく、より耳障りなものに変わりつつある。生成されゆくカードたちの名前には見覚えがある、頭文字なんか特に懐かしいものだけれども勘弁してほしい、だめじゃないけど、でも今は、
「あっ。」
バチッ、ボン!
と、内部電気が
だんだんとカード以外の立体映像が消失していく。
思わず肩の相棒に目線を向けると、申し訳なさそうに顔を逸らされた。
「……うっそだろオマエ。」
ボクはつぶやいた。
もう、それしかできなかった。
自分の息子が楽しくデュエルをする。
そんな姿を見たかったのであろう両親は、目の前の不可思議な現象……モンスターが意思を持ってデュエルディスクからカードを生み出す現象……に、目を瞬かせながらも、「はたして、これはメーカーに不良品扱いで取り替えてもらえるのだろうか」と話しあっていた。
リアル・ソリッドビジョン搭載型、最新式デュエルディスク
立体映像に質量を与え、モンスターに生命を与える世界最新の科学技術は、現実の電子回路へと干渉する(という公式設定がある)デュエルモンスター「電子光虫」により、たったの数秒で産業廃棄物にされてしまったーーーー
――――融合次元からの侵略。都市の崩壊。
やりなおせない未来が待ち受ける、ヌメロン・コードのない世界で。*1
(今年度はあんまり調子が良くないので他作品の進捗サボってまで気持ちのリフレッシュを兼ねて気分転換で新作投稿したので、誰がなんと言おうと)初投稿です。
(登場人物の内面性とか背景とか自由意思とかを敵味方問わず馬鹿真面目に考えながら完結を意識して創作しがちゆえ本作は雑にいきます)よろしくお願いいたします。
今回の話は?
-
いいね!
-
まだまだだね…