日清戦争後、宮永一族では妖力を集める機械を作ることができないか考えていた
「妖力を集める?」
「そう、強い兵士を育てるには妖力を取り込んだ方が良いからな。ゆくゆくは兵器に妖力を与え、妖怪化させる」
「そんな事ができるのか?」
「八百万の神が実在するのだ。兵器の神が居てもおかしくなかろう」
という事があり、機械の妖怪化を試みる馬鹿が集まり、それを面白がった上層部が機材と資金を与えた結果···禍々しいコアが出来上がった
「どうすんだよこれ! どう見ても呪物じゃねーか!」
「いや、何かに使えるかもしれんし···このコアを作るマザーマシンもできてしまったんだぞ」
天才という名の馬鹿どもが作った禍々しいコアをとりあえず自転車に取り付けたところ、力を入れて漕がなくても自転車が進む
「···ヤバくねこれ?」
「ヤベーだろ」
空気中の妖力を吸い込んで動くエンジンみたいなのが出来上がった
で、これならば蒸気機関でなくても重機が作れるんじゃね? と思った馬鹿どもは実際に重機を開発
自動耕運機と名付けられたそれは遥かに静寂な感じで動き始めた
というか明らかに馬力や動作がおかしい
見た目以上にパワフルであり、そこに意識が宿っているかのようであった
「よし、量産しよう」
「正気か?」
「国益や利益になるのであれば悪魔でも使うのが宮永流だ。最初は海外から侵略の尖兵的扱いであった天使を人間を奉仕することを最上の喜びとする現代天使に改良したのは我々だからな」
「あといつの間にか東源郷に重機や銃火器の工場ができていたが」
「そりゃ政府やライバル社から漏れる心配の無い工場なんて素敵やん」
そんな会話をしながら妖力コアと名付けられた呪物とそれを作る兵器工場が作られたそうな
「おい、このコアを並列で連結させたら凄まじい速度で計算が終わるぞ」
「燃料が無いのに動き始めたんだが?」
「決められたスペック以上の数値出してやがる」
今日も東源郷は平和ですね
日露戦争でロシアから富を奪うことができなかった
その事に不満を爆発させた市民の暴挙をホテルで眺める人物達がいた
「戦争は勝ったり負けたりするものですからね。いくら露助にダメージが与えられたかといって帝国は弱い···それを間違えてはいけんのですよ」
「うちの、宮永の技術水準は欧米にも負けんが、所詮アジアで一の帝国と言っても世界だと二等国家でしか無いからな。ロシアに勝ったといってもロシアも本気出しとらんからな。我々は地方の局地戦でも全力を出さなければ勝てない。方やロシアは欧州の睨みを効かせながらの攻撃だからな」
「今の政府もアカンですわな。アメリカがせっかく協力してくれたのに分け前を踏倒そうとしとりましたから。みなみ満州の開発なんぞ金のある者同士分け合えば良いんですよ。せっかくアラスカと南満州の共同開発計画がおじゃんですわ」
「アメリカの不信感は酷いものですよ。お陰でこちらからの貿易の契約の延長も見直されてしまいましたからね」
「政府もアカン、信用も落ちた、国民は暴走気味···どこかで血を流して信用を勝ち得ないとキツイですわな」
「まったくだ」
東京のホテルで広島産のワインを飲みながら男達は今後の展望を語る
「そういえば宮永財閥に重桜という子会社にすると聞きましたが?」
「ああ、民間軍事部門だよ。今後の事を考えると軍備についても意見できるアドバイザーが居たほうが良いとなってね。まぁ特殊な事情で軍に入れなかったり、宮永だからと出世街道を外れたり、長男だからと徴兵されなかったりした者の集まりだよ」
「それはまたなんとも」
「軍が認可しない兵器の開発も勧めているぞ。航空機や自動車、船舶···特殊兵器ばかりで気苦労が絶えないと聞くがな」
「面白いではないですか」
「結局宮永は初代の意見で独立国家を持つ夢は潰えていますからな」
「『毛利を助けよ』か」
「今の政府は毛利を継承していますからな。例え毛利が我々宮永を中央から排除したとしても」
「そこまで尽くす必要が今の政府にあるのですか?」
「逆に宮永が北海道で独立したらこの国はどうなる? 日本人同士で再び争うことだけは避けなければならない。今の政府が駄目でももう少し様子を見よう。それでも駄目であれば動く」
東京支部長 宮永金友の言葉の意味をその場に居た全員が理解する
今の政府の警告として軍事部門を立ち上げた
駄目であれば最小限の流血をもって転覆もやむ無しという意味である
彼らはそんな未来が来ないことを願うのであった
日露戦争の戦費の返済で日本がヒーヒー行っている頃、イギリスではドレッドノートが進水し、世界が仰天したことで日本が必死に整備した軍艦達が一気に旧式艦となったことで新型戦艦計画が立ち上がった
しかしながら弩級戦艦の計画等本場の欧州でしか手に入らないとした日本はイギリスから巡洋戦艦を購入し、その技術を転用して弩級戦艦を整備するほうが良いのではという話になっていたが、宮永財閥がこれに手を上げた
「うちでも造れますよ。弩級戦艦」
会場は失笑という状態になったが、軍艦の建造経験は駆逐艦しか無い宮永財閥に無茶だとか言われたが、宮永の技術力であれば不可能ではないとし、じゃあ造ってみろと言われた
なお軍部は失敗すると思われ、段階的に予算を出すとしたが、最初の予算は500万
国家予算が25億なので多いと言えば多いが、イギリスから購入予定の金剛型は2500万円である
どれだけ期待されてないかがわかる
1907年に金剛型の予算案に先立ち計画が立案され、名前を戦艦上総と決定されたため追加予算として6000万宮永財閥から投入されることが決定
これには戦艦の主砲や副砲を造る工場の建築費も含まれており、宮永財閥の威信をかけた一大プロジェクトとなる
まず計画でどうすべきかとされた時、長く使えること、改装の余裕のある船体にすること、魚雷攻撃に対抗できるようにすること、ブロック化させて浮力を確保すること等があげられた
ドレッドノートの砲塔配置を参考に様々な検証を模型やスパコンとかした妖力コア演算機を用い行い、1908年設計が完了
な〜ぜか石炭の液化技術という特許を数年前に獲得していた宮永財閥はそれを用いて液化石炭の需要拡大を目的としたボイラーを開発
妖力コア演算機を数百台動かし、様々な演算をさせたり、各所に妖力コアを埋め込んだこと、鋼鉄を東源郷でほぼ無限に取れるのを利用してコストダウンさせた結果
排水量3万トン
全長255.5メートル
最大幅32.2メートル
主缶 宮永弐式液化石炭(重油)焼水管缶10機
主機 蒸気タービン4基4軸
最大速度 28ノット
航続距離 12000海里
兵装 35.6cm45口径連装砲4基
15.2cm50口径単装砲12基
12.7cm連装高角砲12基
7.6cm単装高角砲6基
装甲 舷側 300mm
甲板 100mm
主砲防盾 300mm(前盾)、150mm(側盾)、115mm(天蓋)
備考 各兵装及び司令室合わせ妖力コア演算機38基搭載
建造費2500万
という化け物が建造開始から2年で進水
同型艦の戦艦下総も小樽で建造され、金剛型の予算案が通る前にこちらが完成した
ちなみにだが政府も海軍も完成すると思っておらず、形ができて兵装を積んだ状態でも金剛型の予算案を通すように動いており、追加予算は1000万だげであり、宮永財閥が2つの戦艦合わせて7500万に抑え込んだ
海軍は完成して引き渡された上総、下総を見て絶頂
ドレッドノート級時代には超弩級戦艦が颯爽と現れたかのごとく衝撃であり、以後軍艦に関しては宮永財閥の発言力が大きくなり、海軍も宮永財閥に建造を依頼するようになる