一級呪詛師の青江さん   作:白白明け

7 / 20

やっぱり呪術廻戦は面白い!
と、思い書いてしまった文章の供養です。

皆様の暇つぶしになれば幸いですm(_ _)m


特級呪霊の青江さん
クソみてぇな学校


 

 

都内某所、名前も知らねぇ学校の屋上で俺様は下々(人間)の生活を憂いていた。学校や病院、大勢の人間共の思い出になる場所には呪いが吹き溜まる。光があるところには影がある。誰かが言ったカッコイイ台詞を思い出しながら、屋上のフェンスの上に立ち、陽キャ(いじめっ子)陰キャ(いじめられっ子)の日常を見つめる。

 

校舎裏。三人の男子が一人の男子を甚振り、一人の女子がそれを楽しげに見ている。

どこにでもある光景。将来、ふと思い出した時、「当時は少しヤンチャだったな」なんて感想と共に思い出されるだけの日常。俺様はそれに唾を吐き、モヤモヤした感情を抱きながら、足を一歩踏み出した。

 

フェンスの上に立っていた俺様は当然、屋上から落下する。

三人の陽キャ(いじめっ子)の背後。陽キャと女子の間に着地するが、俺様の見事な月面宙返り(ムーンサルト)に対する喝采はない。

彼らには俺様の姿が見えていない。

 

俺様は呪霊だった。

 

「俺様、学校にあんまり良い印象がねぇんだよな。中学は真面に行った記憶がねぇし、高校は何故か記憶が欠落してるしよぉ。青春(アオハル)からは程遠い学生時代を送ってたんだろーぜ」

 

かといって俺様が生前、虐められていた筈がないので、中学時代は退屈で、高校時代には思い出し無くない()()()があるのだろう。

 

「・・・どーでもいーけどよー、どーしてもっとスカッと生きられないのかねぇ」

 

いじめの現場を暫く眺めた後、飽きたので女子へと視線を向ける。

・・・胸は良い。それなりだ。だが、(つら)がブスだ。性格もブスなので、絶対に巫女服が似合わねぇ事だけは断言できた。・・・だが、胸は良い。とりあえず片手で揉みしだいておく。・・・まあ、ほんと、胸は及第点だ。

 

「きゃあッ⁉」

「なんだ、つばさ、どうした?」

「な、なんか急に胸に変な感触がした!」

「おいおい、なんかしたのかよ吉野ちゃーん」

「してないよ」

「じゃあ、つばさが嘘をついてるってことですかー⁉」

 

呪霊である俺様の姿は非術師()共には写らない。生前の記憶が朧気にある身からするとエロいことがし放題なワケだが、猿共を相手に盛るほどに変態ではない。先ほどのセクハラも只の興味本位。道端に落ちていたオナホを拾ってみた程度の興味でしか無かった。

 

「つまんねぇし、帰るか」

 

そう考えて立ち去ろうとした時、違和感に気が付く。

()()()()()()()()()()()()()()()

気のせいかと思いつつも確認のため、いじめっ子を押しのけいじめられっ子の元に向かってみる。

俺様に押しのけられて尻餅を着いた非術師()が狼狽する中で、非術師()共に虐められていた前髪がうざったい()()()()()()()の目は確実に俺様を捕らえていた。

 

かか、かかか。

 

しゃがみ込み、笑う。

 

「テメェ、俺様が見えてんな。なんで、最初は無視しやがった」

「・・・と、突然、現れたんじゃないか」

「かか、元々は眠ってた素質が、俺様の呪力に当てられたか?かかか、面白いじゃねぇか!糞ガキ、テメェ、名前はなんて言うんだ!」

「ぼ、僕の、な、名前は―――」

 

「吉野ちゃーん!何ブツブツ言ってんの!気持ち悪りぃーよー!」

 

俺様と“吉野”の会話を遮って、非術師()がしゃしゃり出る。不快に過ぎるので立ち上がり、しゃしゃり出てきた非術師()に対して術式を行使する。

 

()()ッ」

 

瞬間、非術師()は俺様の魅せた幻覚で正気を失い他のいじめっ子()(ども)に殴りかかって行った。

 

「あ⁉ああ⁉おっ、おっ、おばけえええええ⁉⁉⁉」

「ちょ、さ、佐山!いきなり何してんの⁉」

「お、おちつけ、おちつけって⁉ぎゃ、ぎゃあアアああ噛まれたあああああああ⁉」

 

実に滑稽。だが汚い。俺様は“吉野”に向き直り、再度、名を訪ねる。

 

「猿共からじゃねぇ。テメェの口から直接聞かせろ。名は、何だ?糞ガキ」

「・・・順平(じゅんぺい)。吉野、順平です」

「順平か。クソ面白みのねぇ名だな。だが、(つら)は良い。俺様はテメェみたいなうざったい前髪の奴が何故だか嫌いじゃねぇんだ。だから、呪わないでおいてやる。それよりもだ!見ろよ、順平‼」

 

俺様は呪った非術師()を指さした。二人を殴り飛ばした猿が、女子に襲い掛かっていた。

 

「お、お、おおな、ほおオオオ‼」

「嫌ぁああ⁈」

 

女子は抵抗しているが、『幻覚』により脳のリミッターが外れた猿相手に腕力で勝てる訳が無く、顔を殴られながら服を剥ぎ取られている。犯されるのも時間の問題だろう。

 

「滑稽で、汚いだろう。アレが非術師()だ。世の中には三種の“人間”がいる」

「三種の人間、ですか?」

「ああ、非術師である“猿”。術師である“人”。そして、俺様のような“呪霊”。全てが人間たり得る思考回路を持つが、人間たり得る呪力(チカラ)を持つのは術師と呪霊だけだ。故に猿はああして呪われれば踊るだけの“動物”でしかない。順平、テメェには“人”になれるだけの素質がある。どうだ、知りたいか?チカラが、欲しくはねぇか?」

 

仮面の下で笑う俺様に順平は迷いながらも頷いてきた。

 

「かかかかかかー!良いねぇ、良いねぇ、頷かなきゃ殺していたぜ。度胸も運も持ち合わせてるじゃねぇか。俺様に着いて来い。クソみてぇな学校なんかフケようぜ」

「は、はい」

 

「ちょ、た、助けて!助けてよ!よ、吉野!ねえ!助けて!助けてくれたら、今度、内緒で良いことしてあげるから!」

 

立ち去る俺たちに、まあ、俺様の事は見えてねぇから順平だけにだが、正気を失った猿に襲われている女子が助けを求めてきた。既にほぼ半裸に剥かれている姿はそれなりに扇情的(そそる)。だが、いかんせんに顔と性格がブスだ。

 

「俺様はスルー。順平はどうする?テメェがしたいなら、クソ冷やかしながら見ててやるぜ」

「いえ、僕も・・・タイプではないので」

「だよなぁ。かかかかかー!」

 

俺様と順平はその場を後にした。助けを求め続けていた女子の声は、背後から聞こえた数回の殴打音の後には消え、代わりに啜り泣く声が聞こえていた。

 

 

 





順平君のキャラデザが好きです。
アララギ君以来、目隠れ男子がカッコイイと思ってしまいます。
幸せに生きて欲しいものです。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。