『カゲロウデイズ』それは簡単に言えば別世界であり、一度入れば出るまで外からの干渉はできない。
そして領域は一度展開すれば、多少の座標をずらすことは不可能ではないものの使用者についてくるというものではない。
宿儺は突然見知らぬ世界に来た時、周りを見渡し笑っていた。
「そうか・・・さすが、伝説に残されるだけはあるな。呪術として範囲を超えているな。」
すぐに呪術というものではないと気づいたのは宿儺の経験によるものなのかそれともただの勘なのかアザミにはそれはわからなかった。
宿儺はすぐに斬撃を放つ。それをアザミは軽々と避ける。
「俺は今、お前に期待しているんだ。さっさと本気で戦え。」
宿儺がそう言ったことでアザミは反応する。
「だったら、そっちも本気を出したらどうだ?」
「それもそうだな。」
瞬間、宿儺は高速で動きアザミの目の前にいく。アザミは顔を防御するも宿儺はアザミの腹に手をあてる。
『捌』
そう唱えると同時にアザミの腹は貫通する。
一方で切られたアザミは再生しながらその瞳孔を宿儺から離さない。
『目を引く』
大きな爆発が宿儺を巻き込む。
アザミは目を醒ます能力で強化した体で宿儺と戦う。
宿儺はパンチを繰り出すもアザミは目を障る能力を使いそれを防ぐ。
目を障る・・・この能力は闇のような黒い質量を作り出すもの。それは長く使っていたからか魔虚羅と戦っていたときよりもより精密に動かせるようになっていた。
宿儺の腕を闇でつつみ、そのまま引っ張る。
『解』
宿儺が斬撃を放つも闇の物質は切れることはなかった。
「まずは腕一本だ。」
『目を見張る』
瞬間宿儺は吹き飛びアザミの持っていた腕のみがアザミの手に残った。
「まあまあだな。」
宿儺はそういい腕を再生する。
アザミは「どっちが化け物だよ」と思いつつも、目を障る能力で宿儺を牽制する。
「死ぬなよ。黒方。」
宿儺がそう言い、動きを止める。
「■」
アザミは目を引く能力で開を相殺しようとするも押し負け、アザミの体の表面が溶けた。
しかし、アザミは何事もなかったようにものの1秒足らずで再生する。
宿儺はそれを見ていった。
「再生に関しては俺よりも上のようだな。」
「それはどうも。」
・・・アザミはそっけなく返すも内心は宿儺がドン引きするほど喜んでいたことはここだけの話である。
「それでそろそろ気づくことがないか?俺が術式を使っていることに。」
「・・・術式の焼ききれが終わった?」
そう宿儺はアザミの知らないときに領域を解除し、焼ききれを耐え忍んでいたのだ。
いつ領域を閉じたのか。
アザミには心当たりが・・・あった。
「腕を取ったときか。」
「正解だ。さすがに術式が焼き切れるのは少し危険だと思ったからな。さっさとやったやったんだ。」
そう言いながら宿儺は印を結ぶ。
領域展開 伏魔御廚子
斬撃の飛び交う空間。
宿儺は領域を放ち、アザミだったものを見ていた。
「期待はずれだな。」
たしかに再生能力は宿儺を軽く凌駕している。
しかし、それだけだった。単純な防御力の関係なのか、今のアザミは人の形を保っていなかった。
それでも再生だけはし続ける。
「黒方・・・お前は人間の延長線上の存在こと思っていたがどうやら違うらしいな。」
宿儺でさえ、もしアザミの状態になれば死ぬ。それなのに生きる。これはアザミが人間ではないことを示していた。
「興味はあるが。いかんせん勝負を挑んでくるには弱すぎるな。お前の敗因は呪術というものを理解していないところだ。」
宿儺はあきれた顔をして、腕を構える。
「じゃあな。黒方。」
宿儺の手には最大出力の炎があった。
だが、その炎が放たれることはなかった。
宿儺は”見せられていた”からだ。
アザミには呪力がない言って等しい。一般人を10とするとアザミは1ほどしか呪力をもたない。
非術師の呪力よりも少ない。ほとんど0の呪力。
それが宿儺に匹敵するほどの呪力量に増えていたからだ。
アザミがなぜここまで呪力が増したのか。それは能力と縛りを利用した。
アザミはカゲロウプロジェクト原作の目の能力に加えて多くの目の能力がある。
現在、アザミが把握しているだけで120個ほど存在している。
そのうち、まったく使うことのなかった90個を生涯使わない。そういう縛りだ。
生涯・・・人の命は100年であり人の生涯の縛りはそこまで大きいものではない。
だが、アザミは老衰で死ぬことはない。不老不死の存在なのだ。だからこそ、呪力が桁が違うほどにあふれたのだ。
今もなお、宿儺の領域である伏魔御廚子の斬撃が切り刻んでいる。
たしかにアザミは呪力を扱ったことはない。だが、呪力が溢れでているという事実があるだけでアザミの身体強度は宿儺の斬撃を受けても再生が間に合うほどに強化されていた。
宿儺は笑ってみていた。
自分を超える化け物が今誕生していようとしているのだから。
「来い!黒方!」
アザミは目を見張る能力を使い、宿儺を吹き飛ばす。
そして宿儺が顔を上げると同時に宿儺の頭に拳がせまり地面にたたきつけられる。
『解』
宿儺は腕を切ろうとアザミの腕を狙うも傷が出来た瞬間に治っていた。
それもそうだろう。アザミは現在も領域で切り刻まれているのだ。ただの解ではどうもできない。
アザミは目を引く能力を使う。
ドゴオオン
宿儺は多少ダメージを受けるもすぐに再生する。
「宿儺よ。さっさと私を殺しておけばこうはならなかったのに。」
「どうだかな。」
宿儺はそういい、アザミの顔に手を近づける。
『捌』
瞬間、アザミの顔は切られた。
「お前は自分が切られないと思っていないか?」
宿儺にそういわれ、アザミは口を優先的に再生し言い返す。
「そういう宿儺こそ、私がこれで死ぬとでも?」
宿儺の後ろには黒い物質があった。
能力を組み合わせる。これは魔虚羅に使用した技。魔虚羅ですら体が跡形もなく吹き飛んだアザミの最高火力。
アザミにはネーミングセンスがないため、この技は他の目の能力と同じように目を背けるという能力という呼び名となった、この技は目を障る能力で作った質量を膨大なエネルギーとともに打ち出す。そういう技。
『目を背ける』
ドゴオオン
爆風が晴れた時、そこには大ダメージを受け、領域が崩壊した宿儺とすでに再生しきった傷のないアザミがいた。
アザミのもとに宿儺が斬撃を放つ。するとアザミは本来避けることしかできない宿儺の斬撃をはじく。
「・・・ヤマタノオロチと似た能力だな。適応だったか。」
アザミは宿儺に能力の正体をあてられるも驚くことはなかった。
この適応は魔虚羅から目を盗む能力で真似したものだ。
魔虚羅とは違いあくまで真似事であるので精度は悪いがそれでも相手の力に適応することができる。
適応と宿儺に近しい呪力量、そして生物としての様々な能力。
これは宿儺の負けを示していた。
ここに呪具などがあれば宿儺にも勝ち目があるのかもしれないが、この宿儺はあくまで偽物。呪力出力も呪力量も全てにおいて本体に劣っている。変わっていないところはせいぜい技術といったところか。
それでも宿儺の力を20等分に分ければ、15~16ほどの力を所有しているのだ。
最初は確かに宿儺が優勢だったかもしれない。だが、今はアザミに傷一つつけることができない。
『開』ならダメージがあるのかもしれないがすぐに再生されるだろう。
領域展開もすで適応済みである、このアザミに今の宿儺に勝ち目はなかった。
「・・・まあいい。おい黒方。次は全力で殺してやる。首を洗ってまってろ。」
そういう宿儺にアザミは近づきいう。
「黒方じゃない・・・アザミだ。覚えておけ。そして、殺せるといいな。」
宿儺に対し、アザミはあおっていた。
________________________________________
※ちなみに偽物の実力を15~16と書きましたがあくまで全盛期宿儺を基準に20等分なので、宿儺の指15~16本分というわけではありません。