第1問 過去と始まりとクラス分け
~モノローグ~
世界は科学と魔法に包まれていた。
惑星地球にも人間以外にも様々な種族が混在していた。
この物語はそんな世界で巻き起こるバカどものファンタジー
~プロローグ~
ある日、ある場所で年が10もあるか無いかの一人の少年が同じく年が10もあるか無いかの少女の前に跪いていた。
「誓います。僕はあなたをこの命に変えても守り抜きます」
少年は年齢に見合わない厳かな口調で誓いを読み上げた。静寂の空気の中、誓いの対象である少女はクスッと笑った。
「…???僕の誓い。なんか変だった?」
少年は小首を傾げて少女に尋ねる。その少女は首を横に振り、
「ううん、全然。むしろ嬉しいって言うか恥ずかしいって言うか…」
顔を赤らめて笑みをこぼす。
「……?」
意図が汲み取れない少年は未だに小首を傾げている。
「あ、いや、なんでもないから忘れて…」
少女は赤面のまま少年に言う。
「じゃあ、その誓いに1つだけ付け加えて」
少女が少年の顔を近づけ、じっと凝視しながら告げる。
「どんなことがあっても必ず帰って来て。明日香君と明理紗ちゃん、フェイトちゃんに銀次君、アルト君とわたしをいつまでも笑顔にさせて…」
そういうと彼女は少年の唇にそっと自分の唇を重ねた。
「……!?」
少年は突然の出来事に驚くが目立った動きは見せない。少しして少女が少年の唇から離れる。互いに茹でダコのごとく赤面している。
「……わかった」
少年は立ち上がり、少女に向き合って告げる。
「どんなことがあっても僕。吉井 明久は君も明日香君も明理紗ちゃんもアルト君も銀次郎君もみんな笑顔にして君も守るから…」
少年明久は一歩前に踏み出して…
「君はいつまでも笑顔でいてね。瑞希ちゃん」
少女瑞希をそっと抱きしめた。
第1問
その誓いから7年後。2人の少年が桜咲く道を駆けていた。
「ほらアル、急いで~あんまりちんたらしていると遅刻するよ~」
白に近い銀髪の少年が器用に後ろ向きに走りながら、後ろから駆けてくる深紅の額当てをした赤髪の少年に声を掛ける。
「うっせーよ、バカ明日香!なんでもっと早く起こしてくれねぇんだよ!!」
アルと呼ばれた少年は文句を言いながら明日香と呼ばれた少年に並ぶ。
「心外だねぇ、僕は君を起こそうと努力したよ。けど、アルト。君がいつまで経っても起きないからしょうがな~く増援を呼んだんだよ」
明日香は手をヒラヒラと振りながら横に並ぶアルトに話す。
「だからって麻璃さん呼ぶ必要ねぇだろがぁ!朝っぱらから正拳突きとシャーマンスープレックスのコンビ食らって見ろ!!俺じゃなかったら死んでたぞアレ!」
アルトが怒鳴りながら疾走する。
「アルト、そういうの平気でしょ?」
「てめぇ、1回死ぬか!?」
物騒な会話をしながらも2人を目的地へ疾走する。
そうこうする間に目的地。私立魔導高等学校文月学園にたどり着いた。
「遅いぞ!!風見!オーフィラス!」
校門前に仁王立ちをしながら2人を睨む人物がいる。文月学園の魔法実技兼補習教諭鉄人こと西村 宗一郎だ。
「おはようございます。西村先生」
「おいーっす、鉄人」
2人は互いにに挨拶をする(1人は問題有りだが…)。
「おはよう風見。あと、オーフィラス。西村先生と呼ばんか」
2人の挨拶に返答しつつもアルトの間違いを指摘する。
「すんません。鋼鉄教諭」
「直すつもりも無いようだな…」
アルトの返答に溜め息をつく西村教諭もとい鉄人。
「ところで西村先生。こんな所で何しているんですか?今日は生徒指導の日でも無いのに」
明日香がさりげない疑問を口にする。
「いや、今日は生徒1人1人に配属クラスの小表を配っているんだ」
「1人1人ってわざわざ面倒くせぇことするな…」
「学園の方針だ。文句も言ってられん。おお!そうだ!!」
明日香の質問に解答し、アルトの評価に返答する鉄人が何かを思い出した。
「それはともかくオーフィラス!貴様、振り分け試験で監督官の教師を殴るとは何事だ!」
とアルトを怒鳴りつける鉄人。するとアルトも思い出したかのように眉間にシワを寄せる。
「だってよーあのクソ野郎。瑞希が熱で倒れてもろくな対応もしないどころか瑞希を運んでった明久を屑呼ばわりしたんだぜ!許すわけにゃあいかねぇ!」
思い出すのも嫌なようで吐き捨てるような口調で憤慨するアルト。
「確かに吉井のしたことは素直に評価できる!しかし、それを侮辱されたことで暴力を振るったとなると吉井の立つ瀬も無いだろうが!」
鉄人は明久の功績を認めつつもアルトの行為を叱責する。素直に生徒のことを評価できることが彼の長所の1つである。
「まぁいい、オーフィラス。これがお前の所属クラスだ」
とアルトへの叱責を終えた鉄人がアルトに小表を渡す。
[アルト・オーフィラス…Fクラス]
「まぁ、当然っちゃ当然だな」
アルトは受け取った小表を見て呟く。
「まぁ、このクラスで1年頑張れ。次、風見」
アルトを励ましながらも明日香の方を向く。
「風見。俺は去年1年を見てお前は勉学だけで無く魔法においてもこの高校の天才の1人だと分かった」
鉄人は先程とは違う様子で明日香と向き合う。
「いやいや、先生。おだてたって何も出ませんよ?」
当の明日香は至極お気楽な口調だ。
「わかっている。ただ、俺が言いたいのは…」
と言いながら鉄人は明日香に小表を渡す。
[
「――どうしてこうなった…?」
鉄人は疑念と困惑を含んだ口調で明日香に尋ねる。
「えっ!?…なっ…!?明日香お前…!?」
幼なじみのアルトでさえも驚愕する。彼も明日香の才能を知っており、振り分け試験を真面目に受けてかつ彼ほどの実力ならば最上位クラスのAクラスに行くものだろうと思っていたからだ。
「やだなー2人共。僕、試験当日は問題をかなりミスっちゃったんですよ~。だからこの結果は当然なんです」
そういう明日香ではあるが明日香はテストなどの学業では慎重であるという定評があるのでそうそうミスをするはずがない。いったい、何をどうミスしたらFクラスに入る点数になるのかと考えさせられるぐらいだ。
「なぁ風見。お前どうしてこんなことを…?」
明日香の真の実力を知る鉄人は明日香に疑問を投げかける。
「決まってますよ。僕も明久のやったことを正当に評価したまでです」
当の明日香は笑いながらそう語る。
「それは俺も同意する。だからってお前がFクラスに行くことは無いだろう」
未だに納得の行かない鉄人はさらに続ける。
「良いんですよこれで。それに僕もアルトや明久達と一緒が良いですから」
より一層笑顔を深めて明日香は話す。
「まぁ、お前がそれで納得しているのならそれでよしとしよう」
鉄人は不本意ながらも納得したように呟く。
「では、俺は仕事に戻る。お前らも早く教室に行って授業の用意をして来い」
締めるような口調で鉄人が2人に話す。
「うーっす、じゃあ、また」
「お疲れ様です。西村先生」
2人は挨拶を適当に教室へ向かった。
「やれやれ、あいつらも去年と変わらんな。だが、今年のFクラスは魔召戦争のに成り得るな…」
2人が去った後鉄人は生徒名簿を見ながらそう呟いた。
モノローグ&プロローグ&第1話終了です
え?バカテスのSSなのに主人公とヒロインがほとんど出てないって?
しょうがないよね!作者の文才がないんだもん。