僕はこの世界に転生してから色々調べた。
この世界は古代よりダンジョンからモンスターが溢れ出し、人類を滅亡の危機に追いやった。そんな中、天界から超越存在と名乗る神様達が現れ、人類に恩恵(ファルナ)を与えて、モンスターと戦う力を授けた。
恩恵を授けた者はその神の眷属となって、ファミリアを結成する。
中でも人類史上最強の眷属ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアは1000年以上君臨した。
その実力は並大抵のものではないだろう。
要は強者になる為には神様の恩寵を持つことがこの世界の常識らしい。
僕からしてみればただ外付けの力を身に着けただけの程度では真の実力者とは言えない。
実力とは自分の手で積み上げるものだ
それにこの世界のレベルやステイタスの概念も嫌いだ。
自分の実力が端っから決め付けられたみたいで、他人から「あいつはレベル〇だ」とか格付けされるだろう。
陰の実力者にとってはこれほど邪魔なものはない。
だけど僕は諦めない。
前世でも叶わなかった夢を果たせるならどんなものだって利用してみせる。
いつもの修行で盗賊を狩っていたある日、盗賊に捕まっていた白髪の赤目の子供を見つけた。
その子の顔は恐怖や不安などの感情では無い。
憧れ
まるで鏡に映った自分を見ているようだった。
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「ベル怪我は無いか!」
「お爺ちゃん大丈夫だよ」
村の惨状を聞いて、駆けつけて来た祖父は孫の無事に安堵するのであった。
「すまんベル 儂が急用で村を出たばかりでお前につらい想いさせたばかりに」
「気にしないで お爺ちゃん この人のおかげで助かったんだよ」
孫から視線を外すと黒髪の少年が立っていいた。
この辺の村では見かけない仕立ての良い服を着ているので、貴族か領主の子供だろうか
年はベルとそう変わらないだろう。だけど年相応さが無く、どこか醒めているようで落着きがある印象だった。
「儂の孫を助けてもらって、感謝する。」
「いいよ たまたま成り行きだったし」
「お爺さん。神様のゼウスでしょ。」
突然の正体バレに思わず動揺する。
「!?おぬし、どうしてそれを」
村に移住してから神威を抑えてたし、自分が神だって気づく人間はそうはいない。
ましてや主神クラスが一般人に成り済ませたら簡単に見破れない筈だ。
「そう警戒しないでよ。自分の目標を叶えるために一度会いたかったんだ。」
そう言うとシドは
「僕の名前はシド・カゲノー。陰の実力者になることが夢の男さ」
「ベルを陰の実力者に育てたいんだ」
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「それでベルをあの訳の分からない小僧に託したということか 好々爺。」
不機嫌そうな目で睨む漆黒のドレスを着た灰色の髪の女性は、甥が「将来僕は陰の実力者になるよ。だから心配しないでお義母さん。今はスタイリッシュ・盗賊・ジェノサイダーとして盗賊を皆殺しにして、奪ったお金を稼いでいるよ」と言い出す経緯を理解した。
いや理解したく無い。
あぁメーテリアになんて言えばいいんだ
ファミリア健在時、常に恐れられた女王様のアルフィアは過去一番の混乱に陥った。
その八つ当たりを目の前の狒々爺に向けるのであった。
当の諸悪の根源である陰の実力者もといシド・カゲノーは顔に傷を負った男と剣の稽古をしている。
対してるのはゼウス・ファミリアのレベル7《暴喰》のザルド
本来恩恵の持たない子供では勝負が成立しない実力差の筈だが、シドはザルドの剛撃を受けながらも、臆すことな
く、余裕のある表情で次の一手一手を繰り出し、牽制している。
決して強そうには見えない少年だった。。例えるなら自然。構えも、魔力も、剣筋も、なにもかもが自然。腕力も、速さも、特筆すべきものはない。いや、必要ない。ただ純粋な技量によって、その剣は完成していた。
ただ技量によって格上に食らいついているのだ。
だが、ザルドはゼウス・ファミリアの実力者。例え訓練でも格下相手でも遅れは取ることは無い。
相手が恩恵を持たない子供にしては異常過ぎる。
この子供は今まで戦ってきた相手の中で異質な何かを持ってる。そう直観した。
「稽古はここまでだ」
「はぁはぁ…僕の修行に付き合ってもらってありがとう。」
「気にするな。ベルを助けてもらった礼と俺達を治した礼もある。アルフィアも心の底ではお前に感謝しているはずだ。」
シドは修行の一環で魔力を扱う数々の実験を行った。
この世界では厳密にいえば魔力は魔法に対する行動にどれだけ長けているかつまりRPGでいう魔法攻撃力の概念に相当し、精神力(マインド)がMPに相当するのである。
めんどくさいので魔力と一括りにしよう。
魔力を他者の肉体に流したらどうなるかを実験してみた。
その実験として、体にベヒーモスの毒に侵されたザルドで試してみた。
以前ベルを助けたお礼としてと言ったら嫌そうな顔をしながら引き受けてくれたよ
実験は途中までとても順調だった。自分の身体じゃないから好き勝手できるぜ、と魔力をガンガン流し込み、ああでもないこうでもないと、実験に心躍らせる日々。
楽しかった。
この世界での魔力の神髄に近づき、己の実力が目に見えて高まっていくのを実感することは、僕にとって何よりの喜びだった。もっと緻密に、もっと繊細に、もっと力強く、魔力の制御は極限まで高まり、そしてついに、制御しきれた瞬間、ザルドを蝕んでた毒は消え、健常な体になった。
いや、魔力制御に夢中になりすぎて、解毒可能だったことにその瞬間まで気づかなかったのだ。すごいね、あんな腐った肉体から元に戻れるんだ。
この結果を受けて、もう一人不治の病に侵されたアルフィアで試した。
勿論ベルを助けたお礼と言って、同じく嫌そうな顔したよ
お義母さんを治せるんだと喜ぶベルを見たら、引き受けてくれたよ
結果は同様。
アルフィアを苦しめてきた病が消え、健康な体になった。
後の話だけど、これらの偉業を知られれば、ディアンケヒト・ファミリアの聖女と呼ばれるヒーラーが知れば、血眼になって、僕をスカウトするだろう。
僕は陰の実力者になるので、知られることはないけどね。
「改めて聞くけど二人は陰の実力者の協力者になってほしい。」
「いいだろう。それにお前の力は良く分かった。」
「お前に従うのは業腹だが、あの子の成長のためだ。」
結果陰の実力者は強力な仲間を2人手に入れることとなった。
ロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアを表の実力者とするなら
ザルドとアルフィアは陰の実力者ではないか?
ある意味シドに出会うのは必然だった。
アポロン・ファミリアと戦争遊戯することになったら助っ人は誰にするか
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ジミナ・セーネン
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ジョン・スミス
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スタイリッシュ・盗賊・スレイヤー
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アルフィア
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リュー・リオン
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七陰の誰か一人