すみません、少し遅れました
ほったらかしだったセシリア視点です
___セシリア視点___
男とは情けないモノだと幼い頃から思っていた。
世界が女尊男卑に染まる前からの認識だった。
父がそういう人間だったから。
いつも母の顔色ばかり窺い威厳も何も無かった。
あの姿こそが男の本質だと認識していた、だから私は気に入らなかった。
女尊男卑の象徴であるIS、ISを学ぶ場所、女性の中でも優秀な人間が集まるIS学園に"男"が居る事が。
でも、ホントは望んでいた。父とは違う、自分の意思を目に宿す強い男が居る事を・・・・そんな人と出会う事を・・・・
そして、出会った・・・・織斑一夏、かのブリュンヒルデ_織斑千冬の弟。
最初の印象は知性の欠片も感じられない男だったが、今にして思えば最初の時から私に対する態度が変わっていなかった。
彼はへりくだる事は無く、本当に対等な立場と思って私を扱っていた。
そして彼と対峙した時、私は理解した。この人が私の思い描いた理想の男性だと・・・・
・・・・しかし、心を占めた嬉しさや期待は後で楽しもうと思った。
この一週間、これまで生きていた中で最も恥辱に耐えたと言っても良い。
詩乃崎四季、ブリュンヒルデが連れてきた世界で2人目の男性操縦者と思われる男。
最初の印象は、私の男という認識を体現した男だった。
いつも周囲に気を配り、周りが望んだ対応をする。
情けない父の姿が重なり目障りに思った。
そして、あの時が来た。ISを使えないかもしれない!
それが普通だ!それが当たり前だ!これが当然の事だ!こんな情けない男がISを使えるわけが無い!こんな男がIS学園に居て言い訳がない!
その時、受けた事が無い殺気を受けて立ち尽くした、確かに教師である人の行動を否定するのは軽率であった。
が、その後の立ち上がった情けない男の顔は、私の想像もした事が無いモノになっていた。
・・・・嗤っていたのだ・・・・立ち尽くしている私を見て。
その嗤いを理解するのに時間が掛かった・・・・見下されている事に・・・・
これも経験が無かったからだが、直ぐに湧き上がった感情は理解できた。
怒りだ、情けない男が私を見下している。この事実に私は激怒して決闘を申し込んだ。
こうなれば直ぐに目の前の男は態度を変えて情けない姿に堕ちるだろうと。
しかしそうはならなかった、その男は逆にハンデが欲しいなら言ってみろと言った。
私は可笑しくなり戦争を引き合いに出して男を嗤った瞬間、視界が反転して額に衝撃が走り喉に冷たいモノが添えられた。
体勢を崩されて机に叩きつけられたと理解したのは織斑先生に助けられた後だった。
そして自分は訳が分からないままに殺される所だったと理解して身体が強張った、死の恐怖に身体が怯えて。
情けない雰囲気に変わった男を問い詰めると手加減されていた事を教えられた。
嘘だと言う暇もなく向けられていた銃口が本当の事だと告げた。
屈辱だった・・・・私が男の手で踊らされていた、それも踊り終わってから気付くほど相手の思惑通りに。
だから、嗤っていた?憐れな私の姿を見て?
この屈辱は決闘の時に必ず返すと思いながら一週間耐えた。
そして決闘が始まると私は地面に這いつくばって足で頭を踏まれていた。
今さらながら目の前の"代わった"男とは戦いの意味が違う事を理解した。
また"代わった"男は足を除けて助け起こそうと手を出した。
その手を弾き私は屈辱に震えながら対峙すると男は訳の分からない事を呟き空に上がった。
もう関係無い、目の前の男をズタボロにしてやらないと気が済まない。
だから私は宣言した、私が踊らせてやる__と__
最初の頃は私が一方的に優勢な状況と思っていたが少しすると異変に気付いた。
たった一度も被弾してない、ブルー・ティアーズによる全方位からの射撃に予測射撃をしているライフルすらも全て避けている事に。
プライベートチャネルが開き男の顔を見ると__失望していた__"代わって"いないのに見下されている気がした。
なんとしてもこの男を倒す為に初めてブルー・ティアーズの制御とライフルの射撃を同時に行うがそれでも当たらない、動きは既に読み切っている筈なのに何故か当たらない。
訳が分からず動きが止まった私にまたプライベートチャネルが開き男から聞きたくなかった言葉を言われた。
また私は踊らさせられていた気付かないままに・・・・いや、気付いていた・・・・ソレを認めずに癇癪を起していただけだ。
さんざん暴れた所為か、とても頭がスッキリして冷静になれた気がする。
・
彼は失望した様に近づいてくる・・・・未熟な私だが、せめて一撃、彼の失望した顔を変えられる一撃を・・・・!
身体と心は熱くなるが先までとは違い頭は冷静でいられる。
先程の一夏さんと同じセリフに同じ行動を、彼なら難なく対処するだろう、そんな信頼にも似た感情を抱いた。
次の行動を起こしながら私は初めての感情に胸を躍らせながら忌避していた接近戦用の武器を頭に浮かべた。
「見事」
彼の声が聞こえた時、ISに乗ってから長いが誰かに初めて褒められた様な気がした。
その後、落下中の彼にこの闘いの中で身に付けたブルー・ティアーズとの一斉射撃を放つと落下しながらPICを完璧に制御して身体を捻りビームの間を掻い潜った。
一瞬だけだが本気を見せてくれた気がした、そしてバリアに押された。
しまった!忘れていましたわ!と全部が声にはならず落下すると衝撃が身体を突きぬけ意識を手放した
「う、こ・・・・ここは・・・・医務室ですか」
気が付くと辺りが薬の匂いが充満していたので場所を特定出来た。
「負けてしまいましたわね・・・・おかしいですわね?あまり悔しいと感じてませんわ」
ふと、みると本国からの緊急連絡が山ほど来ていた。内容は今すぐ連絡をしろというモノだった。
「ハロー、一体どうなさいましたか?」
「それはこちらのセリフよ!?一体何があったの!?」
こっちの体裁もあるので少し誤魔化す事にした。
「模擬戦を少々しましたわ」
「本当にそれだけなの!?そんな訳ないでしょ!?」
「本当にそれだけでしてよ、だから一体何がありまして?」
監理官は息を飲んで口を開いた。
「貴女のBT兵器の適応効率と稼働効率が二つとも80パーセントを超えたのよ・・・・」
「・・・・・・・・・・はい?・・・・・・・・・・」