次の日のSHR
「では、一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。一繋がりでいい感じですね!」
山田先生は嬉々としており、クラスの女子も大いに盛り上がっている。
一夏だけは青ざめて呆然としている。
「先生、質問です」
一夏は青ざめたまま手を挙げた。
「はい、織斑くん」
「俺は昨日の試合に負けたんですが、なんでクラス代表になっているのでしょうか?」
「それは_「それは俺が推薦したからだよ、一夏」
山田先生の声を遮り一夏に言い放った。
「えっ!?ど、どういう事だよ!?四季!?」
思った通り一夏は狼狽したまま俺の方を向いた。
「つまり現時点で世界に認知されている唯一の男性操縦者である織斑一夏、その男性操縦者が弱いままでは恰好がつかない。だから実戦経験が多くなるクラス代表に推薦したんだよ・・・・ちなみにオルコットさんも賛成してくれたよ」
「それに私は彼に決闘の勝者として一夏さんのコーチを頼まれた事ですし」
オルコットさんの言葉を聞いて前の席の篠ノ之さんが睨んでくる。
「し、四季がいるだろ!?別に俺が弱くたって・・・・」
「認知されている唯一の・・って言ったよね?それに一夏は弱いままでいいの?織斑千冬の弟は弱いって認識をされてもいいの?」
千冬さんを引き合いに出せば一夏の反応は決まっている。
「いい訳がない・・・・分かった、クラス代表になって強くなってやる!」
「本音を言えば今回の騒動に俺を巻き込んだ一夏への仕返しなんだけどねー」
「それは心にしまっていて欲しかったモノだな!」
一夏の叫びが教室に響いた。
_________________
「でもさ、俺はこういうのを望んだ訳じゃないんだ・・・・」
「織斑くんのクラス代表決定おめでとう!」
「おめでとう~!」
クラッカーが乱射されてグラスが合わさる音が響く、やはり一夏の顔だけは暗い。
「すごいね、女の子の行動力って・・・・」
俺は呆れていた、まさかパーティまで開くとは思わなかった。
「ああ、少し怖いくらいだな・・・・で、何で箒はそんなに不機嫌なんだ?」
「不機嫌になどなってない、お前みたいに喜んでもいないがな」
「・・・・本当にそう思うか?」
「ふん」
篠ノ之さんは鼻を鳴らしてお茶を飲む、一夏には嫉妬を理解する事は出来ないのに無駄な事を。
「はいは~い!新聞部でーす!話題の新入生、織斑一夏君と詩乃崎四季君に特別インタビューをしに来ました~!」
生徒の人ごみの中から眼鏡をかけた人が出てきた。
「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね、新聞部部長やってまーす!はいこれ名刺」
名刺を受け取ると早速と言わんばかりに端末を手にした。
「あ、すみません。こういうモノは織斑先生に話を通してからにして下さい」
「えっ!?何で!目玉の一つなのに!?」
「まだ、噂だけに留めて置くらしくて・・・・下手をすると潰されますよ・・・・新聞部・・・・」
最後の方は声を小さくして脅すと先輩は顔を青くして怯えた。
「そ、それは困るなぁ~。しょうがない今回は織斑君の独占取材で!」
一夏がメディアの恐ろしさを感じているのを横目で見ていると俺に近づいて来る女の子が、ロングヘヤ―にヘアピンを付けた・・・・思い出した!鏡ナギさんだ。
「?どうかしたの鏡さん?」
「え?名前知っててくれたんだ・・・・そ、そうじゃなくて!何であそこまでISの操縦が上手なの?ISに乗った事ないんじゃないの?」
私も知りたい!と言って周りにいた他の女の子も集まって来た。
「本当にISには初めて乗ったよ、似た様なモノによく乗っていて感覚を知っていただけで」
「似た様なモノって・・・・シュミレーターみたいなモノ?」
「まあ、そういう認識でいいよ」
女の子達は何かを決めたのか一斉に口を開いた。
「わ、私達に放課後ISの訓練をして下さい!お願いします!!」
「ゴメンね・・今、自分のじゃないけど専用機の開発を手伝っているから時間無いんだ。授業でそういう機会があれば必ず教えるから許して」
言い終わると皆が驚きで止まり震える声で話しかけた。
「ど、どういう事?まだ入学したての学生が専用機開発を手伝ってるの?」
鬼気迫る表情で聞いて来るから少し怖い。
「う・・うん、前も手伝った事があるから手伝っているんだけど・・・・」
また周りがザワザワとしだす、後ろで一夏にインタビューをしている新聞部の先輩にいたってはプルプルと震えながらブツブツと何かを呟いている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
そんな中で篠ノ之さんの反応は異質だった。
沈黙、ただ黙っている筈なのに怒気を隠しきれてない。
やっぱりISを開発して自分の日常を壊した束さんを許してないのか・・・・もちろん俺のことも・・・・
「だからですの!?」
いや、もう1人違う反応をする人が居た。オルコットさんだ。
「私のBT適応効率と稼働効率が跳ね上がった訳を知っていますね?教えて下さい!お願いしますわ!」
まさかセシリアさんが頭を下げて懇願するとは、彼女も変わったのだろう。
「うーん、俺が直接何かした訳じゃないよ。君が自分の意思で成長したい、変わりたいと思って全力をだし、ISがその思いに応えようとした、ただそれだけだよ」
「そ、そんな事が・・・・」
いま1つ信じきれないオルコットさんに教えてあげる事に。
「授業で山田先生が言ってたよね、ISはパートナーみたいなモノだって。全力でやっているパートナーを見れば自分も全力で応えようとするのは当然の事でしょ?」
皆が話を聞いて呆然としている中、何とか立て直した新聞部の先輩が写真を取ると言い出したので先に部屋に戻った。