次の日、教室の中、目の前に一夏、若干寝不足だ、しょうがない、簪さんに何か悪い気がして夜眠れなかったのだから。
「_い、おーい、聞いてるか?四季ー」
一夏の顔が更に近づいて何か話している事に気づく。
「悪い、寝不足でボーとして聞いてなかった。で何だって?」
「ISに初めて乗った時は上手く使えてたのに次に乗ったら全然使えないんだけど何でか分かるか?」
一夏は放課後に篠ノ之さんとオルコットさんと一緒に訓練をしている、どうも結果が良くないようだ。
「お前が一次移行した時はオルコットさんと闘っていただろう?」
「ああ、そうだけど・・・・それがどうしたのか?」
周りに居る女の子達も頷いている。
「少しは考えてくれ、つまり最適化してた時のお前の集中力は戦闘時のモノだろ」
「なるほど!そういう事でしたの!?」
そばで聞いていたオルコットさんが大きな声を出した。
「ほら、オルコットさんが先に気付いたぞ、周りの皆も気付き始めるぞ」
「あの、詩乃崎さん・・・・私の事をセシリアとお呼び下さいませんか?私も四季さんとお呼びしますから」
あんなに毛嫌いしていた男にそんな事を言うとは思わなかった、本当にセシリアさんは変わってきている。
「ありがとう、セシリアさん。これからも宜しくね」
「はい四季さん、こちらこそ宜しくお願いしますわ」
「ああ~っ!!分かったぞ!そういう事か!!ようするに戦闘時の集中力をISは最適化したから同じくらいの集中力じゃないと上手く動かせないって事か!!」
まったく、このバカはタイミングが良いのか悪いのか。
「その通りだ一夏、上手く動かしたいのならスイッチを切り替える様に自分も切り替えれなければならないって事だ」
「なるほど、そういう事だったのか・・・・ホントに四季はモノ知りだよな~」
皆が感心してる中でやはり篠ノ之さんだけが黙っているが話はクラス代表戦に変わった。
「でも専用機を持っているクラス代表って一組と四組だけだから余裕だよ」
誰かが溢したそんな無責任な発言を聞き流していると。
「__その情報、古いよ」
恰好つけた鈴の声を聞いた一夏の顔が怪訝なモノになり教室の入り口に顔を向けた。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」
腕を組み、片膝を立ててドアにもたれかかっていた姿は西部劇に出てくるガンマンみたいだ。
「鈴・・・・?お前、鈴か?」
「そうよ、中国代表候補生の凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」
少しニヒルを噛んだ様にフッと笑いを漏らすが。
「なに恰好付けてるんだ?すげえ似合わないぞ」
「んなっ・・・・!?なんてこと言うのよアンタは!?」
俺も変だと思ってた、そして直ぐに素に戻ってしまう。
「鈴、後ろ向け」
「なっ何よ?急に?」
「いいから後ろ向けって、危ないから」
「だから、一体何が!?・・・・ち、千冬さん」
鈴の後ろには千冬さんが立っており明らかに鈴は怯えている。
「織斑先生と呼べ、もうSHRの時間だ自分の教室に戻れ」
「す、すみません・・・・また後で来るからね!逃げないでよ、2人とも!!」
そう言って鈴は二組へとダッシュで戻った。
ホントに変わらないなアイツは・・・・と思っていると迂闊な事を言った一夏が篠ノ之さんとセシリアさんや他の女子からの質問集中砲火を受けていた。
そして千冬さんの出席簿アタックも火を噴く・・・・この2人も変わらないな・・・・
あの後、篠ノ之さんとセシリアさんは授業中に別の事を考えていたのか千冬さんに三回叩かれていた何をやっとるんだか・・・・
昼休み、一夏に誘われて食堂に行くと天ぷらうどんを食べていた簪さんを見つけて手を振ると気付いたのか小さく手を振り返してくれた。
可愛い、と思いながら和んでいると鋭い声が耳を貫いた。
「待ってたわよ、2人とも!」
声の正体は鈴だった、手にしたお盆の上にはラーメンが鎮座していた。
「さっさと料理を頼んでコッチに来なさいよ!色々つもる話もあるでしょ」
「え"っ?知り合いを見つけたから俺はソッチに・・・・」
「い・い・か・ら!こっちに来る!」
ああ~、簪さんに辿り着けず引っ張られて行く~
あの・・簪さん、光の無い目で俺を見ないで・・・・俺の所為じゃないから。
「それで、アンタ達はどうしてIS学園にきたのよ?」
「俺は受験会場で迷子になって間違えて入れさせられた部屋にISがあって触れたら動いた」
でそのまま此処に来る事になってた、そう言った一夏の姿は何処か哀愁があった。
「俺は半年ほど海外に居たからな、久しぶりに千冬さんと会う約束をして会ったら拉致されて此処に来た」
その時の事を思い出した、俺も一夏と同じ顔になっているだろう。
「ふーん、2人とも中々ハードだったんだ。それよりも一夏がクラス代表なんだって?」
「お・・おう、成り行きでな」
ラーメンを食べ終わった鈴が一夏越しに俺を見た。
「何で四季がクラス代表じゃないのよ、せっかく叩きのめそうと思ってクラス代表を替わって貰ったのに・・・・」
「お前IS学園に来てから2人目の男性操縦者である俺が居る事を知っただろ?それが理由だ」
鈴は少しの間、考えて理解して声を上げたが既に俺の姿はない。
後ろから声だけが聞こえてきた。