IS もう1人の俺は戦争屋   作:悠連

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不測の事態

 

1週間後の試合当日、場所は第二アリーナ

 

第1試合の組み合わせは織斑一夏と凰鈴音、作為的なモノを感じるがお互いに万全の状態で戦える絶好のチャンスだろう。

 

俺は千冬さんの計らいでピットでモニター観戦するが第二アリーナでは立ち見する人が居るくらい一杯一杯で2人の対戦の注目度が窺える。

 

しかし、俺は前日にあった連絡の方に気を取られていた。

 

「明日、計画通り無人機を送り込むね~!大丈夫だと思うけど不測の事態には宜しくねシっくん!」

 

一方的に送られてきた連絡だったけど俺とアリーと束さんの3人で立てた計画だ全てが分かる。

 

しかし、一夏の状態と取り巻く状況が悪いのが少し心配だ。

 

空中で向かい合った2人が何かを話しているがプライベートチャネルなので何を言ってるか分からないが互いに頷き合うと戦いが始まった。

 

一夏が機体特性を生かした先制攻撃の為《雪片弐型》のエネルギー刃を展開して一直線に突っ込んだ。

 

展開した《雪片弐型》は掠るだけで絶対防御を発動させる効果があり相手に多大なダメージを与える事が出来るから多少強引な攻めは有効だろう。

 

ただし、相手が格下あるいは最低でも同等でないと通じない。

 

鈴は動かず両手に持った大型の青龍刀を連結してバトンの様に回し、見ため通りの重さと遠心力を加えた一撃を一夏の攻撃に合わせた。

 

結果は言うまでもなく一夏の攻撃が弾かれて体勢を崩し、鈴がその隙を逃さず一夏に追撃をしようとする。

 

一夏は弾かれた勢いのまま鈴と距離を取り攻撃を避けるが鈴に距離を詰められて重くて激しい連撃の前に防御で手一杯になってしまう。

 

ピットでは鈴のあまりに隙のない攻めにセシリアさんですら口を閉ざしている。

 

一夏は体勢を立て直そうと無茶苦茶な機動で何とか鈴から距離を取った。

 

が、鈴は一夏を休ませる気など無いのか肩の非固定浮遊部位を向けると中心がスライドして空気が圧縮される音が一瞬し光ると一夏が何かに殴り飛ばされた。

 

「なんだあれは・・・・?」

 

「《衝撃砲》ですわね、私のブルー・ティアーズと同じ第三世代兵器・・・・」

 

しかし篠ノ之さんは途中から聞いてなかった、一夏の勝利よりも身を案じている様に見えた。

 

地面に叩き付けられた一夏は多少ふらつきながらも次射を何とか避けるが何度も避けれる訳もなくジワジワと追い詰められていく。

 

手がない訳じゃない、千冬さんが教えているはずの《瞬時加速》があれば・・・・

 

一夏は何とか体勢を立て直し衝撃砲を撃つタイミングを読み次射が放たれるタイムラグの間に一瞬でトップスピードまで加速して鈴との距離を詰めて一太刀入れようとした瞬間、上空から巨大なビームが遮断シールドを貫いてアリーナの中央を爆発させ、全身装甲の黒い機体が降りてきた。

 

________________

 

 

「・・・・しまった、忘れてた・・・・」

 

色々あった所為か自分でも予想以上に2人の試合にのめり込んでいて計画の事が頭から抜けていた。

 

思わず溢した一言に一瞬だったが千冬さんに睨まれた。

 

「織斑君!凰さん!今すぐアリーナから脱出して下さい!すぐに先生達がISで制圧に向かいます!」

 

しかし事態は急を要するようで山田先生が焦って対応するのを見て俺から視線を離した。

 

どうやら2人は観客の避難が終わるまで相手をするらしい、まあ計画通りだろう。

 

どっちにしろ遮断シールドが解けない限り戦う事になる。

 

「先生!わたくしにISの使用許可を!すぐに出撃できますわ!」

 

「そうしたいところだが、これを見ろ」

 

セシリアさんの言葉に織斑先生が見せたブック型の端末には第二アリーナのステータスチェックの数値があった。

 

「遮断シールドがレベル4に設定?しかもアリーナの扉が全てロックされて___あのISの仕業ですの!?」

 

「そのようだ、これでは避難する事も救援に向かう事も出来ないな」

 

おかしい、計画は遮断シールドさえあれば事足りるので扉をロックする必要はない。そもそも、こんな事は計画に無い__不測の事態__

 

思うと同時に周りを見渡すが1人足りない、よりにもよって計画の要である篠ノ之束のウィークポイントが___

 

考えるよりも先に身体を動かしロックされている扉へと向かい懐から隠しナイフを取り出して眼鏡を外して__

 

___眼を開いた___

 

眼に映る扉の線にナイフを通すとロックされていた扉がアッサリと斬り開き通路を駆けた。

 

走っている途中、観客席の扉も斬り付け脱出を促すが足は止めない。

 

バカが行ったと思われるピットゲートの扉も斬り開き中に入ると遮断シールドを貫通したビームが放たれようとしていた。

 

自分でも何を言ってるのか分からなかったが怒鳴りながら走り、左手でバカの襟首を後ろから掴み2人の位置を換えるように後ろに振り回し俺が前に出て、放たれたビームを"視た"。

 

頭が急激に熱くなりながらもビームの線を"視て"線に合わせてナイフを横一文字に薙いだ。

 

斬り裂かれたビームの隙間に2人の身を滑り込ませて俺は庇うように覆いかぶさった。

 

一拍後、光の奔流と音の爆発が襲い、ほんの少しズレて熱に襲われて俺は意識を手放した。

 

 





魔眼が遂に出た、こんな使い方しかできなくて申し訳ないです
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