「アンタはどうなの!?」
「・・・・何が?」
昼休み、一夏達と食堂に向かってる途中で鈴に屋上まで引きずり出され問い詰められた。
「学年別トーナメントで優勝したら織斑一夏と付き合えるって話は知ってる!?」
「ああ~、そう言えばそんな噂を聞いた様な聞いてない様な・・・・」
正直言ってデュノアさんの件でそれどころではなかったから。
「もういい!それよりどうなの!?」
「どうなの?って聞かれても鈴は一夏の事は"もういい"って言ってなかったっけ?」
失恋を思い出した人のように鈴のテンションがガックリと落ちた。
「うん・・・・そうなんだけど、じゃなくて!他の男子はどうなのって聞いてるの!?」
「なるほどね、一夏は了承したかもしれないけど俺は勿論。たぶんデュノアさんも知らない話だと思うから先に2人に約束しとけば良いんじゃないのか?」
まあ、デュノアさんは女の子だし厄介事もあるから無理だろうけど。鈴を見ると両手の指をモジモジさせて何かを言おうか言わないか迷っている。
「まさか自分が優勝したら俺に付き合えって言うつもりか?」
「っ~~~~~!?そ、そうよ!!私が優勝したら付き合いなさいよ!!」
顔を真っ赤にしながら鈴は捲し立てた。
「くっくっく・・・・別にいいよ。だけど俺とアリーに本気で勝つ気でいる?」
鈴は前の授業で俺と山田先生の戦いを見ている。それにアリーの存在も知っている鈴に挑発とも取れる発言をした。
「あ、当たり前でしょ!アンタ達の恐ろしさくらい百も承知よ!それでも私が勝ってみせるわ!!」
「フハハ、上等!受けて立つ、俺達を楽しませて、俺達相手に勝ってみせろ、そしたら俺達は鈴の全てが欲しくなるよ」
宣言してる途中で口調がアリーと混ざるが鈴は更に顔を赤くして違和感に気付かない。
「・・・・話はそれだけ?終わったのなら一緒に飯を食わないか?」
「い、いいわよ!ちょうどお腹も減った所だしね!」
鈴と一緒に食堂に行くと何かがあったのか中がやけに静かだ。
人垣が自然と割れて出てきたのはボーデヴィッヒさんだった。ボーデヴィッヒさんは食券を買って並んでいる俺を睨みつけて近づいてきた。
「何か用かな?ボーデヴィッヒさん」
「貴様はアレと違うのか?」
「?何と違うのか教えてくれないかな?」
「つまり___」
ボーデヴィッヒさんは右手にナイフを取り出して真っすぐ首を狙って来たのを俺は左手を内側に滑り込ませて外に逸らして密着するほど距離を詰めた。
「っ!?」
距離を詰める途中でボーデヴィッヒさんは左の手刀を首に突き刺そうとするがアッサリと右手で掴んだ、焦ったボーデヴィッヒさんは前に出た俺の左足を踏みぬこうと右足を上げた瞬間、片足になった左足を俺は右足で刈り掴んだ左手を引っ張り半回転させて後ろから抱き締める格好にした。
「なっ!?__くっ・・・・」
「んー、ISを乗る軍人なら相手との実力差くらい考えないと。正直言って温過ぎる、期待はずれだな。本当に千冬さんの教えを受けたの?」
ボーデヴィッヒさんが動揺したのが後ろからでも分かる。
「っ___黙れ!!」
「はいはい、俺の飯も出来たから"遊び"は終わり。サッサと教室に戻るなり好きにすればいい
・・・・これ以上何かするなら言った通り"遊び"は終わったから次はアッサリと黙らせるね」
ボーデヴィッヒさんを解放して出てきた昼食を持って席に向かう途中で横目に見ながら薄ら笑いを浮かべた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
俺の後ろを鈴がチョコチョコと付いて来た。歩いてる途中で一夏とデュノアさんを見つけてソコに向かった。
「どした一夏、頬が赤いようだけどボーデヴィッヒさんにでも殴られたか?」
「う、うん。何か弟である事を認めないとか言ってたような気がするけど・・・・一夏?」
デュノアさんは俯きながら拳を握りしめていている一夏を心配している。
「悔しいのなら見返してやれよ、胸を張って織斑千冬の弟だって言ってやれば」
「ありがとう四季、その通りだ。そうするよ」
そのまま通り過ぎて空いてる席に座ると正面に鈴が座った。
鈴は俺の顔を見てニヤニヤしている。何でコイツは俺の顔を見て笑ってんだ?
「何だよ、そんなに俺の顔が変か?」
「い~や~、ホントに四季は優しくないけど優しいよね~」
「はい?」
「改めて見ると、また違うなぁ~って思っただけ」
ホントに一体どうしたんだろう?もしかして鈴も変わったのかな?そう思いながらニヤニヤしている鈴と昼食を食べた。
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コイツ等は一体どうしたのだろう?
放課後、簪さんと先輩に一夏の特訓に付き合うのを理由に抜け、一応だけど第三アリーナに向かうと鈴とセシリアさんとボーデヴィッヒさんが模擬戦というには激し過ぎる戦いをしていた。
鈴はボーデヴィッヒさんとの相性が余りにも悪くて防戦一方で、セシリアさんは味方がいる状況に慣れてないのか上手く援護も攻撃も出来ていない。
その隙を上手く突くボーデヴィッヒさんが俺を見て薄ら笑いを浮かべた。苛立ちを覚える事はないが横に来た一夏は別だった。
「やめろボーデヴィッヒ!くそっ!シールドの所為で中に入れねえ!!」
シールドで思い出した、あの時のアレを使えば簡単に止める事が出来るな。そう思い眼鏡でディスプレイを開き投影されたキーボードを叩くと三人が地面に叩きつけられた。
「こ、これはぁ!!」
三人とも驚愕の声を上げるがセシリアさんの声だけがやけに耳に響いた。