「ハッ・・・・やっぱガキだな、戦いの場で余裕はあっても油断するか普通ぅ?」
地面に縫い付けられたガキに呆れながら身構えた2人へと歩を進める。
「どうでもいいか。それよりも久しぶりに"稽古"をつけてやるから、かかってこいよガキ共!」
左手にISの一般的な拳銃を右手には同じくISの一般的なナイフを手にして2人を煽る。
「くっ・・・・いいなシャルル、行くぞ!」
言葉を合図に千冬嬢ちゃんの弟が真っすぐに、男装のガキが横に飛び出して2手に別れた。
「おおおおっ!」
弟の方が声を上げながら袈裟がけにエネルギー刃を振るうが少し後ろに下がるだけで目の前を通り過ぎる。
「ビビってんのかぁ?踏み込みも剣を振るのも何もかもが中途半端過ぎンだよ!!」
刃を返す前に前に出て柄を右足で踏み込み右のナイフで斬り付ける。
「があっ!」
「一夏!?くっ、コッチを向けえ!!」
相方のピンチを見てコッチに近づきながら手にした武装をライフルからマシンガンとアサルトカノンに換えた。
「へえ《高速切替》か、なかなか実用的なモノを持ってるじゃねえか」
回避機動を取りながら弟の方から距離を置く。
「くそ、誰がビビるか!悪いシャルル、俺に合わせてくれないか?」
「了解!絶対に合わせるから僕の事は考えなくていいよ」
助かる、そう言って先と同じように弟から距離を詰めてきた。牽制で銃を撃つが機体に当たっても止まらねえ。俺を斬る事しか頭にないって顔をしてやがる。
「それでいいンだよ!怯えてたら戦いにならねぇだろ!?」
俺を右から左に一刀両断するつもりで振る刀に身体を下に滑り込ませながら右手のナイフを添えて力の流れを上に逸らして避けると同時に左手の銃を弟の右側に向け出てきたガキに撃ち込む。
「っうあっ!?読まれてた!?」
ひるんだガキに踏み込みながら刃を逸らした右手のナイフを返す刀で叩きつけ、左手は右手とは逆の軌道を描きながら弟の顔面に突き付けてトリガーを引く。
「うわあっ!?」
「ぐっ!シャ、シャルル!?」
「余所見してんじゃねぇ!」
後ろに伸ばした左足を前に引きつけ、勢いを殺さずに左膝を弟の腹に突き刺し、息が詰まる声を聞きながら足を踏み換え体勢を立て直そうとしているガキに右回し蹴りを叩き込み弟ごと吹き飛ばした。
「がぁっ、ぐっ、っ__はあはあ」
「っ___っく、ふうふう」
「戦闘中に戦い以外の事を考える余裕があるほどテメェは強えのか!?ああ?」
2人は地面を滑りながらも痛みに耐えて体勢を立て直した。
「今度は待ってやらねぇぞ!」
「っ!さ、させないっ!!」
ガキは《高速切替》で左手にマシンガンを右手にショットガンを展開して弾幕を張るが両肩のシールドを前面に出して無理やり距離を詰める。
その途中でナイフと銃を持ち替えてボロボロになったシールドをそれぞれの視界を狭める為に押し出して身体を地面スレスレまで屈めた。
「おおおおおおお!!」
弟はシールドごと俺に攻撃するつもりだったのか気合いと共にシールドを両断したが開けた視界には俺の姿がない。
「なっ!?」
「残念!考えは悪くなかったがなぁ!」
左足を踏みこんで右膝を弟の顎に叩き込み上に勝ち上げた顎を左足で蹴り抜いた。
「ぐぅっ!ごあっ・・・・」
「一夏!っこのおおおおお!!」
「奇襲すンのに声出してンじゃねぇよ!!」
シールドを右に避けたガキが《瞬時加速》で突撃して来たのを右手に持ち替えた銃で撃ち抜くが止まらずに両手の武装を投げ捨てた。
「なに!?」
「これなら外さない!!」
左手の分厚い装甲が弾け飛び中からリボルバーと杭が融合した武装が露出する。
パイルバンカー《灰色の鱗殻》別名を《盾殺し》___理解した瞬間、ガキの必死な表情とは逆に俺は笑いがこぼれた。
「あああああああ!!」
「ぐうううぅっ!!」
《瞬時加速》の勢いを2段蹴りで宙にいた俺に避ける術はないが連射を喰らわない様に一撃目に合わせてPICを使い全力で後ろへと飛ぶ、その勢いは壁に叩きつけられて漸く止まった。
「はああああああっ!!」
「待てシャルル!そんな迂闊に距離を詰めたら!!」
ガキが追撃を掛けようと真っすぐ飛んで距離を詰めようとするのを見て弟が声を上げるが止まらない。
「あっ・・・・!?」
右手に刀を一本展開して突き出している《盾殺し》のリボルバーに突き刺して力の流れを上に逸らし、左手を壁につけて右足を腹に突き刺して吹き飛ばした。
「しゃ、シャルル!?」
「だ、大丈夫・・・・一夏の言うとおり迂闊だったね」
「っくっく・・・・クハハハハハハハハハハハッ!!想像以上だ!弟が盾を斬った時に合格にするつもりだったが気が変わった!試合の決着をつけねえと気が済まなくなっちまった!!」
会場がどよめきに包まれるが更にヒートアップしていく。
「構えな弟!次は得物の使い方を教えてやるからよぉ!!」
「くっ・・・・いや、上等だ!必ず一泡吐かせてやる!!」
弟が構えて隣のガキも両手に武装を展開し終わると同時に前へと駆け出した。
両者がぶつかる寸前で視界の端に二本のワイヤーブレードが映り左足で止まると同時に後ろへと跳んだ。
「おい、ガキ。なにしやがる?」
視線の先には身体を地面に縫い付けていた刀を無理やり抜いて機体に穴が空いている状態で立ち、両肩のワイヤーブレードを俺達に向けて___いや。
「一応聞いてやる、なんで俺を狙って撃ちやがった?」