すみません、昨日は忙しくて更新できませんでした。
なので早めに投稿
「ありがとう、僕を助けてくれて」
「・・・・っぷ、ハハハハハハハハハ!!」
俺の笑い声が静かな浴場に響く。
「な、なんで笑うの?何か変な事でも言った?」
突然笑い出した俺にデュノアさんは困惑している。
「いや、理由としては感謝の言葉自体あんまり言われた事がないってのもあるけど、デュノアさんはホントに助かったと思ってるの?」
「うん、分かってる。僕には時間があるって気付いただけでしょ?」
「その通り、結局なにも解決してないんだ。デュノアさんの置かれている立場も予想される未来も何も変わってない。なのに感謝してくるんだもん可笑しくない訳ないでしょ」
あ~、可笑しい。そう言ってまだ少し笑っているとデュノアさんは怒るでもなく取り繕う訳でもなく黙っていた。
「___それでも、僕は君に感謝する。ありがとう、僕を助けてくれて___」
「っ___訳が分からない!言ったよね?結局まだ何も変わっていないって!まだ助かってないって!」
作り笑いなど一瞬で消え、後ろに居るデュノアさんを問い詰める声が自然と声が大きくなっていた。
「言ったよね?分かってるよ。僕が君に感謝してる事はそんな些細な事じゃないんだ」
「・・・・一体君は何に対して感謝してるの?」
落ち着いたデュノアさんに感化されて自分も落ち着き静かに質問した。
「どうでもいいと思っていた僕が母さんにどれだけ愛されて生きてきたのかが分かった事に対して」
「・・・・それは君を愛してくれた母親に言うべきであって俺に言うべき事じゃない」
「君が怒ってくれたから分かったんだよ。母さんは死ぬまで僕を愛してくれた、だから僕は今ここに居るんだって・・・・自分がどうでもいいって思いは愛してくれた人達への冒涜になる事に気が付いたんだよ」
デュノアさんの答えを聞いて再び沈黙に包まれた中で俺は口を開いた。
「・・・・無いモノねだりって知ってる?ほら、小さな子供が持ってないモノを他の子が持っているのを見て癇癪を起こすやつ」
「うん、知ってる。それが君の答えなの?」
「そ、ただの癇癪。欲しくても絶対に得られない子が世界には一杯いるのに、持ってるくせにソレに気付かない、ソレを蔑ろにしようとしている___」
「だから君は怒ったんだね。でも僕も気付く事が出来た・・・・・・・・失ってから欲しくなるなんて何てもどかしいモノなんだろうね」
俺の言葉に続くようにデュノアさんが付け足す。
「そんなモノだよ。何気ないモノほど持ってる人より持ってない人の方がソレの価値を知っている、どれほど尊いモノか理解している、喉から手が出るほど欲しているモノだ」
「そうか、そうだね。とても優しいモノだけど、とても悲しいモノなんだね」
「変な話だよな、相反するモノの筈なのに何故か納得してしまう。・・・・さて、のぼせる前に上がるか。デュノアさんはゆっくりしていってね」
デュノアさんに見えない様に腰にタオルを巻いて湯船から上がり脱衣所へと歩を進める。
「シャルロット、僕の本当の名前はシャルロット・デュノア。・・・・四季って呼んでもいいかな?」
「・・・・言い忘れてたな。どういたしまして、でいいのかな?シャルロット」
「うん、それでいいよ。ありがとう四季」
湯船から上がった筈なのに何故かのぼせそうだ。早いとこ涼まないとな。そう思いながら着替えて先に部屋に戻って休んだ。
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次の日、シャルロットに先に行っといて欲しいと言われて教室に入るとボーっとした一夏を見つけた。
「おはよう一夏。悪いな昨日は八つ当たりみたいな事を言って」
「お、おう。気にしなくていい、気にしてないから」
俺があまりに普通に話しかけてきた所為か明らかに嘘を吐いて取り繕っている。
「そっか、腹の傷はどんな感じだ?」
「そ、それも心配ねえよ。一週間で傷跡も消えるってさ」
「それなら良かった。あ、おはようございます山田先生__どうかしましたか?」
ドアから入って来た山田先生が俺の前に立つが目に光が無い。
「どうして・・・・どうしてなんですか!?年上は嫌なんですか!?やっぱり若さですか!?」
山田先生が両手で襟を持ち首をガクガクと激しく揺さぶる。
「あぅわわわわわっ、おっ落ちっついってっ下っさいってば!!」
揺さぶってくる山田先生の両手を無理やり取って少し怒った顔を作り山田先生の顔に近づけた。
「一体どうしたんですか?話してくれないと俺も手を離しませんよ」
「っ~~!でもでもっこうしてないことかもしれるかも・・・・」
更に顔を近づけると山田先生は顔を赤くしながらモゴモゴと何か言っている。
「えーと・・・・山田先生、しっかりして下さ~い」
話しているとドアが開き千冬さんと女の子の恰好をしたシャルロットが入って来た。
「とりあえず手を離せ詩乃崎。そして隣のデュノアについて何か言いたい事でもあるのか?」
「えーと、やっぱり女の子の恰好の方が可愛らしくてお似合いだね」
シャルロットの顔が赤くなるのと対照的に千冬さんの顔が怖くなっていく。赤くなるシャルロットを見てかクラスが喧騒に包まれていく。
「そういえば昨日、男子が大浴場を使ったわよね!!」
誰かが言った瞬間、ドアが弾け飛び背に昇竜を顕現させた鈴がISを展開した状態でいた。
「お前等ぁ、2人とも死ね!!」
「うええっ!?俺は昨日風呂に入ってないのにぃ!?」
憐れ、俺の近くにいた一夏までも巻き込むように龍砲を撃たれた。
「い、生きてる?何で?」
「あ、ありがとう。助かったよボーデヴィッヒさん」
直撃寸前の龍砲を止めてくれたのはボーデヴィッヒさんの《AIC》だった。
「ラウラって呼んでくれ、私も四季って呼ぶから」
「うん、分かったよラウラ。でもね、なんで俺に《AIC》を掛けてるのか教えてくれない?」
振り向いたラウラは何故か俺に《AIC》を掛けて動きを止めて近づいて来た。
あ、ヤバい。嫌な予感がすると思ったら両手を俺の頬に添えて顔を近づけてきた。
「えっ!?ちょ!まさかキ__」
2人の唇が触れ合う寸前、横から救いの手がラウラの頭を掴んで止めた。
「何をしているボーデヴィッヒ、答えろ」
「はい!四季に言われた通り自分の望む事を__はーれむ__というモノを作ろうとしています!!」
この空間にいる全ての人間が視線を俺に突き刺してきた。だけならいいが明らかに戦闘態勢を整えてる人達がチラホラと・・・・・・・・
「あーっ!!アレはなんだぁー!!?」
右手で宙を指さすと同時に左手でフラッシュバンを叩きつけて閃光に紛れながら窓から飛び降りた。
そう、逃げるのだ__自分の命の為に。
ラウラさんは狙っているのは四季だけじゃなさそう。
という訳で故意のキューピット役も兼任して貰います。