IS もう1人の俺は戦争屋   作:悠連

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友達とは

 

「・・・・し、四季はホントに俺の友達なのか?」

 

「逆に聞いていいか、友達じゃなかったら何だ?」

 

「そ、それは・・・・」

 

俺の返答に一夏は口を閉ざしてしまう。

 

「教えてやろうか?・・・・この言葉に今までの一夏ならアッサリと食い付いて自分で考えもせずに俺の言葉を鵜呑みにしただろう。だけど今の一夏は俺を信じきれない、それも自分じゃない誰かの言葉を鵜呑みにしてるからだ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「そう、お前は自分で考える事をしていなかった。だから分からない事があると他の人を頼る、だからお前は俺に助けを求める、だからお前は自分にとって俺が何なのか分からない」

 

何か言い返そうと必死に考えているが答えが出ないのか複雑な顔をしている。

 

「一夏は俺の言葉を信じなくてもいい、これから言う言葉は一方的な宣告だ」

 

一夏は息を飲み俺の言葉を待った。

 

「一夏にとって俺は"都合のいい存在"それをお前は"友達"と呼んでいた。お前はそれが当たり前だと思い何も考えなかっただけだ」

 

「___違う、そんなの友達じゃない」

 

「違わないさ、元々"友達"っていうのは都合のいいモノだ。気が合えば"友達"で気が合わなければ"友達"じゃない、都合がつけば遊び、困れば助けを求める。分かりやすいくらい"都合のいい"存在じゃねえか」

 

「違う!互いに助け合うのが友達で!・・・・あ・・・・」

 

自分の言葉の途中で何かに気が付いたのか一夏が呆然とする。

 

「俺・・・・四季を助けた事も、頼られた事も、相談された事も、何も無い・・・・」

 

「別に俺は完璧超人じゃねえぞ、むしろ他の人よりも悩んでいるし困ってもいるし助けを求めているかもしれない・・・・ただ、一夏に相談しなかった、一夏に頼らなかった、一夏に助けを求めなかった、自分で考えて自分で解決しようとしただけだ」

 

一夏は俺の言葉を聞いて自傷するかのように笑った。

 

「は、ははは、何だそれ?四季が言った通り、俺はソレに気付きもせずに"友達"と思ってたのかよ。そりゃ見限られる訳だ」

 

「は?何て言った?見限るって何がだ?」

 

「千冬姉が言ってたんだ、俺達2人は四季に見限られているってな。だから俺を助けるし千冬姉への接し方が変わったんだろ?」

 

「___っく、アハハハハハハハ!!

お前だけじゃなく千冬さんまでアホな事を言ってるとは思わなかった!やっぱ2人は姉弟なんだな!」

 

一夏は笑う俺を見て呆けていたが気を取り直した。

 

「ど、どういうことだよ?千冬姉に殺されそうになった時に見限ったんじゃ・・・・」

 

「ンな訳ねえだろバカかお前?ほら、他の人の言葉を鵜呑みにして自分で考えてないからアホな事を信じンだよ!」

 

「な、なら千冬姉の勘違いなのか?接し方が変わったってのも!」

 

「あ~、違う違う。接し方が変わった理由が違うんだよ。べつに2人を見限ったとかじゃねえんだ、もっと簡単で単純でアホらしい理由だ」

 

ようやく笑いが収まった俺は手を振りながら答えた。

 

「な、なら何で?甘い幻想だったんですねって言ったんだろ?」

 

「うぁ~、恥ずかしい事を・・・・こんなアホな事は考えても分かんねえから教えてやるよ」

 

俺は一夏から目を逸らしながら口に出す覚悟を決めた。

 

「俺の初恋の人が千冬さんだったんだよ」

 

「・・・・・・・・はい?・・・・」

 

一夏は俺の言葉が聞こえなかったのか、理解できなかったのか、呆然としている。

 

「だから、ガキの頃から殺されかけるまで俺の好きな人は千冬さんだったんだよ」

 

一夏は言葉の意味が分かった所為なのか右手でこめかみを抑えている。

 

「そうかそうか、そんな事にも俺は気付かなかったと。とりあえずソレは置いといて初恋と甘い幻想が何の関係があるんだよ?」

 

今度は俺が右手でこめかみを抑える番だった。

 

「あ~くそ、これだから一夏と話すのは嫌なんだ。SAN値がガリガリと・・・・」

 

「おい!質問に答えろよ!」

 

「っるせえな!答えりゃいいんだろ!?好きな人に対しての一方的な思い込みだよ!千冬さんなら常に冷静で何でも分かって、何も言わなくても俺の事が分かる、そんな思い込みをしていた自分に嫌気が差したんだよ!だから千冬さんに対する接し方が変わったんだ!理解できたか朴念仁!!」

 

一気に捲し立てるが一夏は何を言ってるのか理解できていないのか困惑している。

 

「つ、つまり千冬姉の事が嫌いになったのか?」

 

「誰がそんな事を言った、自分に嫌気が差しただけって言ったろ」

 

「な、ならまだ好きって事なのか!?」

 

「初恋は初恋だ!っていうか本人に聞くか普通!?」

 

騒ぐ俺達を周りの人が見ている事に気付いて2人して黙った。

 

「・・・・とりあえず、お前が思う"友達"とやらになりたいのなら変わる事だな。言いたくないが今の一夏は頼りたくないくらいだ、せめて自分で助けられる位に強くなったらどうだ?」

 

「そ、そうだな。胸を張って四季が"友達"って言えるようになるよ」

 

「それが終わったら次はギャルゲーでもしてくれ。正直お前と話すのはしんどい」

 

「?ギャルゲーって何だ?」

 

また頭を捻る一夏に俺は溜め息を吐くしかなかった。

 

「弾に聞いて貸して欲しいって言え。それよりも千冬さんにどうやって説明しよう・・・・あの人もやっぱり面倒くさいな」

 

少し冷めたコーヒーをすすりながら俺は溜め息を吐いた。この姉弟にはよく溜め息を吐かされると思いながら。

 

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