授業が始まり気弱そうな外見とは裏腹な爆裂ボディをお持ちの副担任の山田 真耶先生がISとIS学園について説明している。
平たく説明するとアラスカ条約で周りの国に抜け駆けすんなよっていう牽制なのだが裏では大きな国になればなるほどアラスカ条約?何ソレ美味しいの?状態である。
IS学園は自国で開発されたモノだから責任取って操縦者を育成する機関を作れ、技術も寄越せ、もちろん自費でな。
まあ、これも裏では技術の隠匿や色々あるんだが今は関係ないだろう。
一時間目が終わり休憩時間になると前の席の一夏が勢い良く立ち上がり鼻息溢れんばかりに俺の席に来た。
「四季!久しぶりぅっ!?」
一夏が興奮しながら来たのに対しボディブローをカウンターで合わせた。
「ん・・な、何を・・・・」
「男の相手する前に女の相手をせんかバカモノ、後ろ見てみろ」
一夏の後ろから熱い視線を送っているポニーテール武士娘がいた
「ほ、箒・・」
一夏も箒も何をするでもなく呆けているので助け船を出す事にした。
「篠ノ之さーん、このバカに用があるんでしょう?さっさと連れてって下さーい」
「え!あ、ああ恩に着る」
箒は一言礼を言ってコッチに来たが一夏はまだ踏ん切りが付かないのかチラチラと俺を見ている。
「別に逃げやしねぇよ、後でいくらでも話をしてやるから早く行け朴念仁」
そう言って一夏の背中を押して箒に押し付けた。
「っ~~~~!?」
「分かった、後で色々話すからな四季。それと最後なんて言ったんだ?」
一夏と密着して顔を赤らめている箒に一目もくれず俺と話す、やはりコイツは何処か間違っている。
「いいからサッサと行け休憩時間が終わるぞ」
2人が教室から出て行くのを見送ってから俺は着替えをトイレでする事にして制服を手に持って教室を出る事にした。
「すみません、職員室は何処にあるか教えてくれませんか」
「は、はひっ!一階にある!入口の近くにある!」
扉の近くに居たクラスメイトに話掛けると緊張の所為か言葉がカタコトになっている。
「ありがとう、お礼に緊張を解くおまじないを」
そう言って顔を近づけて耳に息を吹きかけた。
「ふわぁ~~~~」
女の子の力が抜けていく姿を横に見ながら職員室に向かった。
「ああ~っ!いいなぁ~!」
「う、羨ましい~!」
「ちょ早く起きなさい!感想を!感想を教えてお願いーっ!」
後ろからそんな声が聞こえてきた。
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「失礼します、織斑先生はいらっしゃいますか?」
「どうした詩乃崎、何かあったのか?」
職員室に入ると織斑先生がすぐに対応に来た。
「男子トイレと男子更衣室の場所を教えて欲しいんですが」
「そういえば伝え忘れてたな、トイレは職員用を使うといい、更衣室は教室を出て右に進み突き当たりまで真っすぐだ」
「了解しました」
「早く着替えて来い、もうすぐ授業の時間だ」
職員室を出て職員用のトイレに向かい着替えて廊下に出ると右後ろから視線を感じる。
周りの視線とは質が違う、こっちを探る様な僅かに敵意を感じる。
流石に姿を見せる様な真似はしてはいないが明らかに千冬さんよりは格下だ。
気付かない振りをしておくか面倒臭そうだし。
「やべ、時間がない急ぐか」
遅刻ギリギリで教室に滑り込み授業を受けていたが一夏のアホさ加減が露呈してしまった。
授業は何1つ分からない、先に貰っていた参考書を古い電話帳と間違えて捨てるわ。
千冬さんに殴られて当たり前である。
「うう~、ダメだ俺、付いて行ける気がしない~。何で四季は分かるんだよ~」
「力尽きたのは分かるが俺の席まで来てする事か?分かる理由は只の予習だ」
休憩時間になり椅子を俺の席に持って来てまで項垂れていた、うっとしい事この上ない。
「ちょっと、よろしくて」
話しかけて来たのは鮮やかな金髪を微妙に縦ロールをかけている女。
纏っている雰囲気がよろしくない「私は高飛車で高慢ちきです」って言ってる様なモノだ。
「んあ?」
こういう奴への対応は。
「どうかされましたか?マドモアゼル」
ちなみにマドモアゼルで皮肉っている、気付くかどうかは分からん。
「1人は教養があるみたいですけど、貴方何ですかその対応は私に話しかけられたのですから、それ相応の対応が態度というモノがあるのではないのかしら?」
気付かなかった、自分に教養が無い事を露呈してやがる。
「悪いな。俺、君が誰だか知らないし」
一夏の対応を見て怒りを露わにするセシリアと一夏の問答を見ていると更に一夏のアホが露呈した。
「代表候補生って何だ?教えてくれ四季」
流石に俺まで呆れてしまった。
「呼んで字の如くだ・・バカモノ・・」
千冬さんの苦労が手に取るように分かる、まあ千冬さんも家事などは全然ダメなんだけどね。
「お前でも分かる様に言うと"エリート"ってやつだ」
「そう!エリートなのですわ!!」
おお、魂が抜けかかっていたセシリアが復活した。
その後も2人の問答を見ていると、また一夏のバカが俺を巻き込んで来た。
「四季は試験で教官を倒したのか?」
またまた俺は呆れた、周りで「どうなの」って目で言っている連中にもだ。
「お前・・・俺がどういう状態で運ばれて来たのか見てるだろ」
皆の頭に移送中の凶悪な犯罪者の様な俺の姿が頭に浮かんだだろう。
「試験を受ける状態だったとでも?」
その後、教室の空気はお通夜みたいになった事は言うまでもない事だった。