IS もう1人の俺は戦争屋   作:悠連

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なんとか今日中に更新出来た・・・・



優しくて平等な

 

「その通り!それじゃ今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!私が補佐するからすぐに終わるよん!」

 

「・・・・それでは、頼みます」

 

「堅いよ~。実の姉妹なんだし、こうもっとキャッチーな呼び方で__」

 

「はやく、始めましょう」

 

「ん~、まあそうだね。じゃあ始めようか」

 

2人が交わされる会話を聞いてると吐き気がしてくる。

 

箒が束さんを恨んでいる事は理解出来る。自分の全てをISに奪われたと言ってもいいだろう。だけど束さんだけを目の敵にしている事が気に入らない・・・・俺だって協力した、情報を伝えた、そして計画を立てた。

 

何も知らない癖に恨んでいる箒に吐き気がする。今の束さんの気持を考えるだけで吐き気がする。そして自分の為に何も言えない自分に吐き気がする。

 

「あの専用機って篠ノ之さんが貰えるの?身内ってだけで」

 

「だよねぇ、なんかずるいよねぇ」

 

ふと、群衆の中から嫉妬めいた声が聞こえた。嫌悪感に包まれていた俺は反応が遅れたが一番早く反応したのは束さんだった。

 

「おやおや、歴史の勉強をした事が無いのかな?有史以来、世界が優しく平等だった事など一度もないよ」

 

何も知らない人が聞けば選ばれない無能な人達には世界は優しくなくて平等なんてモノは無い。と言ってる様に聞こえるかもしれないが、言葉の裏には選ばれた優秀な人達にだって世界は優しくなくて平等なんてモノは無い。と言ってる事に気付いてる人は何人いるだろうか・・・・

 

「あとは自動処理に任せておけばパーソナライズも終わるね。あ、いっくん、白式見せて束さんは興味津々なのだよ」

 

あっさりと箒と紅椿のフィッティングを終えると束さんは展開した白式にコードを繋いだ。

 

一夏と話してる間もディスプレイにはフラグメントマップや文字の羅列が流れる中、束さんは雪片二型のデータを誰にも気付かれずコピーした。

 

綺麗にコピー出来たのか一瞬だけ俺を見て誰にも気付かれずにウインクしていると、何も思わずに日本のISに関する機密事項を話したらしく千冬さんに頭を叩かれた。

 

「あ、あのっ!篠ノ之博士の御高名はかねがね承っておりますっ。もしよろしければ私のISを見ていただけないでしょうか!?」

 

群衆の中からセシリアさんが篠ノ之博士を前にして興奮したのか、自分のBT兵器を更に高みに上げたいのかは分からないが自分から声を掛けたのは悪手である。

 

「はあ?誰だよ君は。金髪は私の知り合いに居ないんだよ。というか束さんの再開シーンにどういう了見で君はしゃしゃり出てくるのか理解不能だよ。うるさいなぁ、あっち行きなよ」

 

取りつく暇もなくバッサリと切られたセシリアさんは涙目で引き下がった。これでもマシな対応である千冬さんが傍にいるから返事をしたが普段なら完全に無視をする。

 

「ふー、変な金髪だった外国人はこれだから嫌いなんだよ。まあ日本人でもどうでもいいけどね。箒ちゃんといっくんとちーちゃんとシっくん以外は」

 

太古から優秀な人間は世界や他の人間に使われ酷使され潰されていく。__有史以来、世界は優しく平等だったことなんて一度も無い__束さんの他人への対応はこの言葉と繋がっている。

 

その後、紅椿の性能テストが行われ紅椿の性能に驚愕して魅了して中には嫉妬している人もいるが誰も言葉が出ない。そんな中で千冬さんの敵を見る目は印象に残った。ついつい殺されかけた時を思い出してしまう。

 

「たっ、大変です!お、おお、織斑先生っ!!」

 

いつもより慌てている山田先生に皆が注目している時に束さんと目が合うだけで考えている事が分かる。計画通りに進んでいると。

 

「そ、そ、それでは、他の先生達にも連絡してきますのでっ」

 

「了解した。___全員、注目!」

 

千冬さんとの話が終わったのか慌てたままで山田先生が走り去り、千冬さんは手を叩いて生徒全員の注目を集める。

 

「現時刻より特殊任務行動へと移る為、今日のテスト稼働は中止。連絡があるまで各自室内待機すること、以上だ!」

 

急な事態に生徒はざわざわと騒がしくなり行動に移れないのを見て千冬さんは一喝した。

 

「早く戻れ!許可なく室内から出た者は我々で身柄を拘束する!二度は言わん!いいな!!」

 

千冬さんの聞いた事がない怒号に怯えたのか生徒全員が慌ただしく動き出した。

 

「専用機持ちは全員集合しろ!織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰!__それと篠ノ之も来い」

 

「はい!」

 

専用機を持ってすぐに一夏と一緒に戦える事を喜んでいるのか、箒の声は明らかに浮かれている。

 

「・・・・詩乃崎、お前は用事とやらは終わったのか?」

 

「もちろん協力します。紅椿を此処に運んで来た事で用事は一旦終わりましたので」

 

「そうか、なら一緒に来い」

 

いつもと違う千冬さんに違和感を覚えながら俺は皆と一緒に後を付いて行った。

 

「では、現状を説明する」

 

旅館の奥にある大宴会場は照明を落とし室内の中央に大型の空中投影ディスプレイが浮かんでいる。

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働中にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型のIS『銀の福音』が制御下を離れて暴走したとの連絡があった」

 

少し言葉が抜けている。そのISはアラスカ条約で禁止されている軍用型ISだと言う事が。まあ、知っていても口には出せないんだけど。

 

「衛星からの追跡の結果、ここから二キロ先の空域を通過する事が分かりIS学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処する事になった。教員は訓練機で空域および海域の封鎖を行う。よって作戦の要は専用機持ちに担当して貰う」

 

そして集められた皆は自分達が対処する事に何の疑問を抱かずに千冬さんの言葉を聞いていた。

 

 

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