今の内に投稿を・・・・
「それでは作戦会議を始める。意見がある者は挙手するように」
「はい」
手を挙げたのはセシリアさんだった。
「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」
「いいだろう。ただし、これらは二カ国の最重要軍事機密だ。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」
「了解しました」
送られた銀の福音のスペックデータにはやはりと言っていいのか軍用型の文字が無い。当たり前だ、軍事用にするにはコアのリミッターを外さなければならない。
リミッターを外す人間は束さんしか居ない。そしてコアのリミッターを外した人間は千冬さんしか居ない。最低でもセカンドシフトしていなければリミッターを外す事は出来ないからだ。
しかし、コアネットワークから束さんが得た情報からはリミッターが外されたらしい。だからこそ計画の一部に入れたのだが。
「この機体は現在も超音速飛行を行っている。最高速度は時速2450キロを超えるとある。アプローチは一回が限界だろう」
「一回きりのチャンス・・・・という事は一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」
山田先生の言葉に全員が一夏を見る。そして皆に迫られた一夏は及び腰になって慌て始める。
「織斑、これは訓練ではない実戦だ。もし覚悟が無いなら無理強いはしない」
千冬さんが放った言葉は一夏の闘志に火を付けるには十分過ぎた。
「やります。俺がやってみせます」
「よし、それでは作戦の具体的な内容に入る。現在、この専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」
一夏の真剣な顔に納得したのか千冬さんは作戦内容を決め始めた。
「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが適任かと。ちょうどイギリスから強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られて来ていますし、超高度ハイパーセンサーもついています」
「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は」
「二十時間です」
「ふむ、それならば適任__」
だな、と言おうとした千冬さんの底抜けに明るい声が遮った。
「待った待ーった!その作戦はちょっと待ったなんだよ~!」
天井からサーカスのピエロの様に一回転して着地して千冬さんに詰めよった。
「ちーちゃん、ちーちゃん!もっといい作戦が私の中にナウ・プリィティング!!」
「・・・・出て行け」
頭を押さえる千冬さんに束さんは更に話しかける。
「聞いて聞いて!ここは断・然!紅椿の出番なんだよ!!」
「なに?」
千冬さんだけでなく部屋の人たち全員が束さんの言葉に注目した。さっき見た紅椿の性能を思い出しているのだろう。この為に紅椿の性能を見せたと言ってもいい。
「紅椿の展開装甲を調整すると・・・・ホラ!これでスピードはばっちり!」
メインディスプレイも乗っ取ったらしく、銀の福音が映し出されていたディスプレイには紅椿のスペックデータが表示されていている。
「説明しましょ~そうしましょ~。展開装甲というのはだね、この天才の束さんが作った第四世代型ISの装備なんだよ!」
束さんの第四世代型ISという言葉に皆が驚愕してる中で束さんは一夏が首を傾げているので第一世代から全てのISについて説明した。
世界が躍起になって開発研究している第三世代型を置き去りにして束さんは第四世代型を開発したと言っているのだ。
「分かりやすく言うと雪片二型の展開装甲を紅椿の全身アーマーに転嫁しちゃいました~!という事で第四世代型の目標である即時万能対応機って奴を完成させちゃいました~ブイブイ!!」
部屋が沈黙に支配される。世界が金に時間に人材をつぎ込んで躍起になって開発している第三世代型ISの開発。それが無意味だと言ってるようなモノだと考えているのだろう。
「___束、言った筈だぞ。やり過ぎるな、と」
「そうだっけ?えへへ、つい熱中し過ぎたんだよ~」
この言葉は嘘である。始めからこれくらい規格外なISを作るつもりだったから。
「・・・・詩乃崎の機体はどういうモノなんだ?つい最近できたモノではないだろう」
「う~ん、シっくんの機体は最近までISじゃなかったんだけどね~。最近ISにしたから言うけど___アレは別モノ。今の世界がしているアプローチでは絶対に辿り着けないモノだよ。この技術を世界に教えたら人が大量に死んじゃうね~、最低でも今の世界人口の半分は死んじゃうかな~?まあ、どうでもいいけど」
今度こそ誰もが言葉を発する事が出来なかった。今度の沈黙の原因は分かりやすい__恐怖だ__そんな規格外な機体を乗っている俺に対してか、開発した束さんにか、人が死ぬ事を何の感慨も無くアッサリと言った事についてかまでは分からないけど沈黙した事は事実だ。
「大丈夫ですよ。使い方さえ間違わなければ危険な事なんて一つもありませんから。分かりやすく言うと誰でも小型核兵器を所持してるみたいなモノですよ」
俺が言ってもまだ青ざめた顔は変わらないので、更に畳みかける。
「今の女尊男卑な世界だから知られれば半数は死ぬって言ってますけど、知らなければ何も起きません大丈夫ですよ。それよりも作戦はどうしますか?もう束さんの案を採用しますか?」
「し、四季の機体なら楽勝なんじゃないのか・・・・?」
あまりに壮大な話だった所為か認識が薄い一夏が一早く反応して俺に話した。
「手が無い訳じゃないけど、言ったよね?使い方を間違えれば人が死ぬって、今の機体状態でそんな速度出したら爆散して俺が死ぬと思う」
俺が言った言葉を聞き、全員の視線が俺に突きささる。そして何故という疑問が大半を占めていた。
「・・・・そうか、今回の作戦は織斑・篠ノ之の両名による目標の追跡及び撃墜を目的とする。作戦開始は三十分後。各員、ただちに準備にかかれ」
沈黙に包まれた中で異論を唱える人は誰もいなかった。
女尊男卑な世界でGNドライブが知れ渡ったら大げさかもしれませんが半分くらいアッサリと死にそうな気がしたのでISを使っているからこそ分かる恐怖を書きました。
許して下さい。