IS もう1人の俺は戦争屋   作:悠連

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間に合わなかった・・・・



性能の差は

 

光の粉雪を振り舞きながら近づいて来る銀の福音の姿は天使と言うに相応しいモノだったが近づくに連れて背筋が凍りつき、同じように見惚れていたデュナメスに向けて叫んだ。

 

「見惚れるな!一面に広がっている光の全てがビーム兵器だ!一発喰らえば全部喰らうぞっ!!」

 

「な、なにを__がっ!?」

 

今まで敵対していた奴の言葉なんて信じる訳ないと思い、まだ呆けているデュナメスに『瞬時加速』で突撃して止まらずに海の中へと飛び込み深く潜ると海面が絨毯爆撃の比じゃない程の爆破に晒された。

 

「~~~~La~~~~」

 

爆破の衝撃で複雑な海流が起き、海流に身を弄ばれながらも何故か銀の福音の歌う様な声が耳に残った。

 

深度で言えば五百メートルは越えたかもしれない、爆破の影響で海中にうず潮が発生して巻き込まれた所為で一気に深海に引きづり込まれた。

 

「くそ、ホントに見境ないな。どれだけエネルギーを溜めこんで撃ったんだよ。これじゃ自然災害レベルだ」

 

視界が目まぐるしく変わった所為で軽く酔い、頭を振っていると視界の端でデュナメスが苦しそうにしていた。

 

「あ~、苦しそうだね。そりゃそうか、ソレはとてもじゃないけど宇宙とか過酷な環境では使えそうにないもんな」

 

深海は十メートル深くなるごとに一気圧ずつ増えていく、一気に五百メートルも引きずりこまれたら気圧は一気に五十倍になる。苦しくない訳が無い。

 

改めて良く見ると機体の脆さと危うさが分かる。中途半端にISを意識している所為か生身が露出してるし最低限の生命維持装置しかなさそうな感じがする。

 

「まあ、これだけ痛い目に合えば話くらい信じてくれるか・・・・」

 

近づいて機体を掴み、この場から距離を取りながら浮上した。

 

その途中、身体が強張ったが何をしても死ぬと思ったのか大人しくしていたが浮上して近くの島に投げ捨てると訳が分からないのか固まってしまった。

 

「どうしたの?見た限り五体満足だと思うけど・・・・?」

 

「ど、どうして助けた?」

 

フルフェイスを被った顔を此方に向けて小さく溢した言葉は疑問だった。

 

「適当に痛めつけて撤退させるだけで殺すつもりなんて無かったんだよ。あまりにもアンタ等三人組が憐れ過ぎてな。今なら分かるでしょ?これだけ性能の差を見せつけられたんだ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

デュナメスは沈黙しているが分かっているのか怒りで小さく震えている。

 

「聞いた事無いか?ISは現行兵器を全て凌駕する存在だって・・・・ただのビーム兵器を呼び出して操れるだけの存在だとでも思ってた?」

 

「理解したさ、圧倒的な防御能力とパイロット保護を両立している・・・・俺達が一発喰らえばアウトの攻撃でも耐えるんだろ?戦闘を始める前から優位性がハッキリと分かる産物だ。つまり、完全武装したSWATと丸裸のチンピラが銃撃戦する様なモンだ」

 

「半分正解、という事は・・・・どういう事か分かるよね?」

 

「・・・・俺達は篠ノ之博士を捕らえるまでの時間稼ぎの為に捨て駒にされたって事だろ・・・・!!」

 

悔しさを押さえながら振り絞った答えに俺は嗤った。

 

「その通り、アンタ等はガンダムって言葉に踊らされただけだ。そんなものガンダムなんてモンじゃない、ただの不細工で出来そこないのシロモノだ」

 

「・・・・っくそが・・・・!」

 

その言葉は組織に向けてなのか自分に向けてなのか、もしくは両方なのかは分からないが目の前のデュナメスがフルフェイスを取って投げると長いブラウンの髪が水に濡れて頬に張り付いた。

 

「・・・・あれ?アンタ女だったの?アリーの記憶ではアンタは男だったような気が・・・・?」

 

出てきた顔は輪郭が整っており、得物を狙い撃つ様な切れ目と整った顔のパーツが合わさっておりカッコいい美人だった。

 

「・・・・なるほど、だからアンタは俺の存在に動揺したのか。自分が憑依してしまった所為で女の人を壊してしまったから」

 

「黙れ」

 

声も改めて聞くとハスキーなだけで一発で女の人と分かる様なモノだ。

 

「はいはい、言った通り見逃すから適当に逃げて。それと、どうでもいいけどアンタこそ組織から縁を切った方がいいと思うよ」

 

横目で膝を着いているデュナメスを見ながら言って、空へと飛び出した。

 

________________

 

 

かなり夜も深くなった頃に銀の福音を見つけた。銀の福音は先程消費したエネルギーを戻すためなのか浮いたまま膝を抱えた状態で青く光る膜の中で眠っている。

 

「ようやく本当の目的に移れる。ったく、無駄に数だけ多くて見つけづらい・・・・タチが悪いったらない・・・・」

 

束さんの所に行くと近くに顔のパターンが三種類のクローンが山ほどいて思わずゴキブリを連想してしまった。文字通りゴキブリを殺す様に全員殺して後始末すると思ったより時間が掛かってしまい気付けば深夜になっていた。

 

「まあ。タイミング的には悪くないか・・・・」

 

バイザーに映っているのは砲専用パッケージを装備したラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが狙いを定めている姿で他の四人は奇襲するつもりなのか散開している姿も見える。

 

「かなり遠回りになってしまったがコレなら計画の修正が出来るかも。あとは一夏と銀の福音の想いの強さ次第かな・・・・」

 

戦闘が予想される場の遥か上空で俺はラウラの真上に来るような位置で漂っていた。これなら学園のレーダーを誤魔化せるし、注視しなければ気が付かない。

 

準備が整ったのかラウラが両肩の二門あるレールガンから銀の福音に向けて次々と砲弾が発射されたのが戦闘開始の合図になった。

 

俺から見ても上手いと思った。ナノマシンのおかげで速度が速くても精密射撃が出来るラウラ、機動力で相手の機動力を押さえるセシリアさん、弾幕を張って回避先を絞るシャルロット、三人による三方からの射撃。

 

銀の福音の意識を三人に釘付けして離脱を選択した瞬間に規格外の性能の機体で接近戦が得意な箒とパッケージで連射可能な衝撃砲と拡散砲を持った鈴が海中から奇襲を掛ける。

 

鈴は全身にエネルギー弾を浴びながらも鬼気迫る程の連撃で銀の福音の肩翼を奪った。それでも激しい抵抗をする銀の福音に箒が斬りかかるが掌で掴まれ動けない箒にエネルギー弾を浴びせようとした。

 

エネルギー弾が放たれる瞬間、箒は前転する様に一回転しながら踵から展開したエネルギーの刃で銀の福音の残った翼も斬り落とした。

 

「まあ、順当な結果か。でも、最後の箒がした動きは真逆だけど俺がする動きに似ていた気がする・・・・」

 

そう呟いていると下から強烈な青い光が雲を貫いて辺りを照らした。

 

「まさか、そこまでするのか・・・・お前の想いもたいしたモノだよ!!」

 

光の中から青い光を放つ六枚の翼を持った銀の福音が姿を現した。

 

「まさか・・・・『第二形態移行』・・・・!?」

 

誰かの驚愕に染まった声を拾いながら俺は急降下を始めていた。

 





ロックオンTS化って言っても中身は男のままで身体の元の持ち主を壊してしまった所為でトラウマに・・・・

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