素手と魔法と剣でなんとか旅をしていこうとする奴。   作:クロウト

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初仕事で初投稿です。


第四話 初仕事

 

朝 、陽光が差し込む快晴 。目が覚めたら 元の世界に戻っている ....

何て事は無く 、あなたが目を覚ましたのは メラの家のベッドの中だ。

ここから 、メラの言われた通り あなたの仕事が始まろうとしている。不安や燻られる冒険心で感情が混ぜ合わさっている中 、メラの呼ぶ声

が聞こえてきた。

 

『 よぉ 、仕事の時間だぞ 〜! 早く下降りてこ〜い 。 』

 

今の時間は朝の9時といったところだろうか 、元の世界では

8時30分に学校に着かなければいけなかったところがあるので

こうして見てみると、元の日本と比べても 学生だった時だと

少しホワイトだ 、と言えるだろう。

あなたは メラの呼び声に応えるようにして 、下の階にへ降りて行く。

 

『 うん、ちゃんと 起きれたな。 朝飯作ってるから それ食ったら

 外に出るぞ 。 』

 

 

メラからそう言われると 、朝食が並べられてある 卓にへ案内される。

卓には 綺麗な狐色に焼けてあるフレンチトーストとコーヒーが

並べられており 、こうして見てみると イケてる社会人が食う飯みたい

だなと あなたは思ってみる。

 

『 料理は俺の得意分野なんだ 、火を使う割にゃ 結構 家庭的なもん

 だろ ? ほら 、さっさと食え食え 。 』

 

メラはそれだけ言い残すと 、自分が作った朝食を食べ始める 。

もしかすると メラは 意外と 女子力が高いのかもしれないな と

あなたは思ってみながら 、メラに続くように 自分の口にその料理を

運ぶ _____ 。

 

あ、美味い 。口に入れた瞬間 あなたの脳内にはその考えが過ぎる 。

昨日の夜食の事と良い 、存外 人を見た目で評価しちゃ駄目なんだな

と、この世界に転生してから の初めての教訓をあなたは得たの

だった。

 

『 俺らの仕事は 村の外に住み着いてる魔物の駆除 ... 要するに、

  身辺警護 と似ているようなもんだな 。 』

 

『 まぁ、こんな 辺境の地じゃ 出る魔物も低級以外の ソレばかりだ

 が ... 用心だけはしとけよ 、俺らの世界じゃ 油断した瞬間に

首が刎ねるからな 。 』

 

 

首が刎ねる ... 、とは良く言った 冗談だな と 思ってみるが

メラの表情が 少し険しくなった事でそれが冗談では無い事を

示している 。

あなたに 一筋の緊張が走る 、 既にあなたは 一度目の

“ 死 “ の経験を経て この世界に降り立っている訳ではあるが 、

あの死ぬ瞬間の 、あの脱力感と朧げになる視界は忘れられない 。

トラウマ と言うよりかは 鮮烈に焼き入れられた 思い出と表現した

方が正しい表現の仕方なのだろうか 。

 

 

『 まぁ ... 初仕事 だからな んな 緊張すんなって 。どうせ俺らの村は

  こんなど田舎なんだ 、魔族にでも襲われねー限り 、んな大した

  事にはならねぇよ 。 』

 

 

あなたが無意識に緊張を顔に出していたのか メラがそう言って 、

あなたの緊張をほぐそうと 笑みを浮かべている 。

その言葉を聞いて 、あなたの心中は緊張に少しの安堵が入ってくる

だろう。 少なくとも 、“ 死ぬ事 “ は無い 。その考えがあなたの頭の

中を過ぎる 。 だが 魔物と闘う事実は変わらないのだ 、ドジを踏まぬ

ように頑張らなければ 、と 今度は良い緊張感を残そうとする 。

 

 

『 ..... 気合い十分ってとこか ? 、まぁ アンタ ... 魔力量 が

 相当多いみてぇだし ... 、そんだけの魔力量なんだ 、きっと

 何処かで すげぇ量の 修行をして来たんだろ ? 』

 

 

『 なら 、大丈夫だろ リラックスしてこーぜ ? な ? 』

 

 

 

 

過信 ... とまではいかないが、あなたは自身の魔法にはそれなりの自信があった 。 悪神からの加護で貰った特典は 酷く曖昧なものではあったものの 、魔法の練度が他よりも上がっている事は事実なのだ。

それならば 大丈夫だろう 、そうあなたは思い 確かにメラの言った通り

リラックスを行う 。

 

そうして行く間に 、朝食が食い終わり メラとあなたは各々の支度を

し始める 。

 

『 そう言えば ... 、お前 此処に来る時 、自分の得物とか 何も 持って無かった だろ ? 。魔法オンリーじゃ なかなか厳しいとこもあんだろ

おら 、俺の得物の一個 やるから ... 買い替える時までは大切にしといて

くれよ ?』

 

 

そう言われると 、メラは 家に立て掛けてある 簡易的な武器庫 から

鞘に収まっていない 抜き身の 普通の剣とはサイズが一回り大きい

大剣のようなものを貰い受ける。 あなたはその大剣を手に取った

瞬間 、両手から来る ズシリとした 鉄塊の重さにビックリしたが 、

あなたは 何故か その重さが 何故か しっくりとしたような ものであり

片手 でも 両手でも 充分に振るう事が出来てしまった。

 

 

『 ソイツは “ *1だんびら “ つってな 、俺の親父が

昔っから使ってた大剣なんだけどよ ... 、

譲り受けたまでは良いんだが 、俺ってば腕力だけは

どーしても 無理なもんだから 、腕っぷしが良さそうな お前にあげたんだけど .... どーやら 、正解っぽいな 。 』

 

 

だんびらと呼ばれるその大剣を良く見てみると 、両刃全てが 鉄の塊で

構成されており 貴族が使うような 金色の装飾が彫られた高級そうな

刺剣でも無いため 、どうやら この大剣は本当に 実戦で相手 を

斬り伏せるのを 重視した ... 言わば “ 泥臭く生きる剣 “ とでも

呼ぶべきだろうか 。

 

このだんびらを見る限り 、メラの親父さんは 相当な戦士だった事が

伺えるだろう。 こういう無骨なデザイン と言うのは 男のロマンを

引き立てるものだ 、綺麗な金色の装飾なんぞ 飾りでしか無く 。

この大剣のように 無骨さと威力で 語るカッコ良さは 全男子を

魅力するものだろう 。

メラの親父さん とは趣味が合いそうだ ... 、あなたの頭の中では

そのような 淡い期待が寄せられていた。

 

フィジカルギフデッドの恩恵が相まって居る事から 、そのだんびらを

容易に背中に預ける事が出来 、だんびらと共にあった 革のベルトで

だんびらを自身の背中に固定 。いつでも背中から柄を掴み 、構えられ

るようにする 。

 

 

『 クク ... 、アンタのその姿を見てると 親父を思い出すな ... 。 』

 

 

どうやら、あなたがだんびらを担ぐ姿を 自身の親父と重ね合わせて

いる メラが あなたを見て 、何処か満足そうな顔をしながら あなたに

そう告げる。

あなたも 戦士という職業に一端の夢を馳せていたので 、その叶う筈も

無い 夢を叶えてくれた 悪神には 少しだけ 感謝をしておこう。

 

 

『 うし 、頼もしい 前衛も出来た訳だし ... それじゃあ 出発すっか』

 

 

そう言いながら 、外に出る メラに続いて あなたも 意気揚々として

玄関の戸に手を掛けて 一日ぶりに見る 外の世界にへと 身を躍り出す。

自然に囲まれた エルフの集落は すでに一度見ている筈なのに、二度目

すら 綺麗に 新鮮な景色に写って見えた ____ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー 《 数十分後 : エルフの集落外の 森の中 .... 》

 

 

あなたとメラは エルフの集落を発った後 .... 、周辺の魔物を駆除する

為 、群れを成している魔物 .... 若しくは 魔物が巣食う住処を探して

いた ところ ..... 。

 

『 見つけた 、 』

 

 

メラがそう言いながら 、森を少し抜けた先にへと 指を指すと

口に 鹿らしき獲物を咥えたまま 、群れを成して行動している

青い体毛を蓄えた 通常の狼より 一回り大きいサイズの狼達が

そこには居た ... 。

 

『 アイツら .... 、村の狩場の鹿を食いやがって ... 。 本来の生息域は

  もっと奥の岩石地帯の筈だろうに .... 』

 

メラがその青い狼の群れを見ながら、 ブツブツと呟くと メラは

何処からか 自分の獲物であろう 、赤い宝石のようなものが埋め込められた 杖を自分の片手に持ってくる。

成程 、こう言う芸当も魔法使いは出来るんだな とあなたは関心して

メラの事を見てみる 。

 

『 群れっつうー もんは ボスを狩れば 協調性を喪って すぐ バラつき

 が 出てくる 。 アンタは あの鹿を咥えている狼を倒してくれ 、

残りの雑魚の処理は 俺がする。 』

 

 

メラはそう言うと 、自分の片手に控えていた 杖を 狼の方に向ける 。

そして 自分も 背中からだんびらをベルトの鞘から引き抜き 、

戦闘態勢に入る 。

 

そして 、 闘いの狼煙は メラの詠唱と 湧き出る業火の火球と共に

挙げられた _____。

 

 

         ファイアボール

     ーー 《 火球を出す魔法 》 ーー

 

 

 

ドォォン!!!

 

 

メラの杖先から放たれたその火球は 確かに狼の群れの中の一匹に

直撃 、その火球が合図と言わんばかりに あなたは だんびらを片手に

持ち 狼の群れの中にへと 突っ込んでいく 。

狼は突然の火球の突撃に困惑の一途を見せるが ボスらしき 白い角を

生やした 狼が 冷静さを欠けずに 咥えていた 鹿を あなたに向かって

ぶん投げる 。 視界を塞ぐつもりだろうか 、そこまで頭が回る狼だと

したら 群れを成しているボスなのも納得は出来る。

 

だが、あなたの フィジカルギフテッドは これしきの事では

怯まなかった ______ 。

鹿が投げ出された とほぼ同時のタイミング 、あなたは 身体全体を

右から左 ...更に右へ360度 ぐんっ! と回し その勢いを活かし

遠心力 で威力が累乗されただんびらをそのまま 反射的に 鹿を狼ごと

ぶった斬ろうと だんびらを振り翳すと ____ 。

  

 

 

ザンッッッッッ!!!!!!

 

 

だんびらの斬撃によって 鹿は真っ二つに両断され 、鳴き声一つすらも

飛ばさず あなたの後ろの方へと 肉の音を立てながら 転がっていく。

一方 、狼も 無傷とは行かなく 。その斬撃によって 白い角が 折れ 、

顔には横一文字の抉り取ったような 斬撃の傷が生まれる 。

子分の狼どもは ボスの狼が斬撃を貰った様子を見て 、怖気付くかと

思ったら 、すかさず ボスの前を囲い 自身を囮とした ボスを守る

陣形を組むが ____ 。

 

 

 

 

ドォン ! ドォン!

 

二撃 、穿つような 火球が子分達を貫き 絶命させる 。これにより 、

狼のボスを護る陣形は崩され 、いよいよボスを護る後ろ盾は無くなってしまう 。

 

『 はは ... アンタ ... 、マジで親父みてぇだぜ .... 、かましてやれ 』

 

メラは もうボスを囲う狼がいなくなった事を確認すると だんびらを

構えている あなたを見据える 。

ボスの狼は あなたを ここで倒すべき驚異と判断し 、 牙を剥き出しに

して あなたに威嚇する 。対してあなたは だんびらを構えたまま 、

不動に徹する。 その狼がいつどこからでも 襲って来て良いように。

 

____ “ 静寂 “ 。両者はまるで 決闘が始まる前のように 相手の目を

見ている 。 木々が風に靡く音が聞こえる。 そして あなたと狼が

向かい合っていてから どれほどの時間が経ったろうか 。それすらも

忘れてしまった頃 ____ “ 狼が動き出した “ 。

 

 

『 なっ !? 』

 

 

メラは その光景を見て 驚愕する 。何故なら 、先ほどまで ソコに

居た ボス狼は まるで 疾風の如く 消え失せ 、あなたの視界から

消えたのだ 。

そして 、数秒後 ... その狼は あなたの背後 。完全なる死角にへと

回り込む ___ 。

 

『 まずい っ _____ !!! 』

 

メラが 背後に回り込んだ 狼に向けて、 再び 火球を炸裂させようと

したや 否か ... 咄嗟に あなたは “ だんびらを持っていない 方 “ の手を

背後にへと 突き出し ______ あなたの 魔法が “ 炸裂 “ する 。

 

 

          ボーンランス

       《 骨の槍を生む 魔法 》

 

 

 

ドドドッッ!!

 

 

 

あなたの右手からは 死霊の頭のようなものが 現れ 、その頭だけの

死霊は 口を ガバりと開き、そこから3本の “ 人骨 “ の槍を 撃ち出す。

余りの予想外の攻撃に対し、狼は 対応できる筈も無く その人骨の槍に

よって 脳天を撃ち抜かれ 、 そのまま黒い塵芥となり消え失せる 。

この魔法は あなたの魔術体系に組み込まれた 他の魔法より洗練された

[破壊系]の魔法と[死霊術]の魔法の組み合わせであり 、

死霊術で 人骨人形の頭を召喚 、そしてその口の中に破壊系魔法により

貫通属性を持ち合わせた 鋭い人骨の槍を仕込み 魔術が発動。

言うならば 、咄嗟に組み立てた機械が しっかり機動したのと同義で

あり 、悪神の魔法が これほど迄とは ... 、とあなたは実感した 。

 

 

『 ...... .... お前のその魔力量は伊達じゃなかった ... って訳か ... 、

  ははっ 、心配した俺が 馬鹿みてぇだな ..... 。 』

 

乾いた笑いを浮かばせる メラ 、まるで 目の前に居る あなたが

偉大な魔術師に見え、自分の存在が霞んで見えてしまうような、

何処か 哀愁が漂う 顔をメラはしていた。

 

 

『 さぁ ... 、これで 身辺警護は終わりだな 。 帰って 長に報告して...

 そんで飯食って寝るか 。』

 

メラは そう言うと 、とぼとぼと 重い足取りで 帰路を辿っていく。

あなたは その姿を見て どうしたのだろうか、と労うように メラの

背後にへと 付いて行く ... 、しかし あなたはメラに話しかける事は

出来ず 、そのまま黙って 帰路を辿る事しか出来なかった 。

 

 

『 .... にしても 、あの狼.... 動きが変だったな ... 、ボスの狼つっても

 精々 、 群れを成して 狩りをするもんだろ? ... なのに 、あの狼の

 身のこなし ... どう考えても こんな辺境の地に居る訳無いような

上位種だよな ? .... あぁクソ ... もし あの狼が “ 生息域を追われた“

 類いの奴だったら 、本来の岩石地帯にゃ ______ 』

 

 

メラがそう言いかける と、あなたとメラの 上空が “ いきなり “

暗闇に染まってしまう 、いつのまにか夜になっていたか ? と

錯覚するほど それは見事な 暗闇だった 。

しかし 、その刹那 ... 自分らが居る所が 熱気に溢れるのを感じる。

例えるなら サウナに入った時の感覚と同じような感覚だ 。

その熱気に比例し 、暗闇だった 黒から 弾けるような鮮烈な赤にへと

徐々に色味を帯びて行く 。その一連の流れは正に一瞬だった .... 、

しかし メラは 全てを察した顔を見せ 、思わずあなたに向かって叫ぶ。

 

 

『 _______ 上だァッ!!!避けろォッ!!

 

 

そう言いながら 、メラは あなただけでも 逃がそうと ドンッ! と

あなたを突き飛ばす。 突き飛ばした先は 空の陽光が差さっており 、

やはり あなたとメラが居た場所だけがおかしかったのだと気付く。

そして 、突き飛ばされたあなたが 最後に見た光景は ______ 。

 

炎の柱に包まれる直前に 、未だ緋の中に居続けるメラの 姿で ..... 。

 

 

【 生 き ろ 】

 

 

そう口を動かし 、静かな笑みを浮かべたメラ ... 、そしてその瞬間。

あなた の前に居た メラと言う魔術師は ________ 。

 

激しい爆発音と 共に静かに その炎の柱に包まれて その姿は

完全に消え失せてしまった _____ 。

 

 

 

 

 

*1
元ネタ:ベルセルク





メラ君退場です。まぁ住処提供してくれただけの半モブみたいな
感じなんで しょうがないっすね。
投稿遅れて申し訳無かったっす。

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